【column】可愛いだけじゃない!肉球のヒミツ
2026.02.12
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肉球って何だろう?肉球の色はどうやって決まるの?
触感といい形といい、つい触りたくなる、そんな魅力を持つ肉球。今回はそんな肉球について、様々なヒミツを探っていきたいと思います。
肉球は「蹠球(しょきゅう)」と言われる足裏の皮膚の一部です。前肢と後肢で名前が異なりますが、爪の根本に小さな肉球が4つ(前肢は5つ)、手のひらにあたるものが1つ、さらに前肢には手首に当たる部分にもう1つあります。
肉球は皮膚の一部ですので、その構造は基本的に皮膚と同じですが、皮膚とは異なる役割がたくさんあります。まず何より重要なのが、衝撃を吸収する役割です。皮下組織に強固なコラーゲン繊維に囲まれた脂肪がたくさん存在し、これらが足にかかる衝撃をクッションのように吸収します。またこれらの組織は音も吸収しますので、狩りをする際に非常に役立ちます。
そして猫の肉球には「エクリン腺」という汗をかく組織が分泌しています。体温調節のために汗をかくことはできますが、発汗できる量はそれほど多くないので、どの程度体温を下げることに効果が出ているかは不明です。また動物病院などの診察台の上で肉球が湿っている場合は緊張とストレスによる発汗です。
肉球は優れたセンサーでもあります。圧力や振動などの刺激を敏感に感じ取り、秒速40mを超える速さで刺激を脳に伝えることができます。
ところで、みなさまのお家の猫たちの肉球は何色でしょうか?基本の色は、ピンク、黒、あずき、ミックスになります。これらの色を決定するのは被毛の色を決定する遺伝子と同じで、メラニン色素をどの程度持っているかによって左右されます。例えばメラニン色素が少ない毛色、白色はもちろん、被毛の中に白やオレンジ(茶色)が混じっている猫は概ねピンク色です。白猫、白黒(ハチワレ)、茶トラ、茶白、キジ白、サビ猫(白い被毛が混じっている子)などです。
黒い肉球は被毛の中に黒色が混じった猫で見られます。黒猫、ブルー、鼻先や手足の先が黒くなるシャム、黒白(ハチワレ)サビ、サバトラ、サバ白などです。メラニン色素が中程度の時は、あずき色になります。鼻先や手足の先が黒くなるシャム、黒い縞模様が入るキジトラやサバトラ、ブラウンやチョコレート色の猫などによく見られます。
肉球から読み取れるサインって?どんなトラブルが起こる?

肉球の状態から、その猫の健康状態がわかることがあります。まずは肉球をそっと触ってみましょう。熱い場合は発熱している場合があり、逆に冷たい場合は体温の低下や、循環不全が起こっている可能性があります。特にシニア猫は気を付ける必要があります。
肉球の色によっては変化が分かりづらいと思いますが、いつもより白い場合は貧血や血行不良、紫色の場合はチアノーゼを起こしている可能性があり、赤い場合は発熱、炎症、血圧の上昇、などが考えられます。
異常に肉球が湿っている場合、暑くて発汗しているのでなければ、強いストレスを感じています。緊張、恐怖、そういった原因になるものがないか確認してあげましょう。乾燥している場合は、脱水を起こしている可能性がありますので、水分が摂れるように工夫する必要があります。また舐めすぎて肉球が乾燥するケースもあり、そういう場合はアトピー性皮膚炎や自己免疫疾患の可能性もあります。
肉球が腫れていたり、傷がついていたり、何かできているような場合は、かかりつけの先生に相談して受診するようにしましょう。
健康な肉球を維持しよう!

肉球のお手入れはしていますか?肉球の周りの毛が伸びすぎて、肉球を覆っていたりしないでしょうか?伸びたまま放置しているとせっかくの肉球の役割も果たせないことになりますので、毛はカットするようにしましょう。
汚れが気になる時は柔らかい濡れタオルなどでそっと拭くくらいで大丈夫です。乾燥している場合、猫用の肉球保湿クリームを使うのは大丈夫ですが、塗ったことで気にして余計に舐めてしまうケースもありますので、まずは少しだけ塗って様子を見ながらにしましょう。
肉球は猫にとって重要な器官ですので、健康な状態に保って日々を快適に過ごしてあげたいですね。
Written by
監修医 小林 充子 先生
麻布大学獣医学部を卒業。在学中は国立保険医療科学院のウイルス研究室でSRSV(小型球形ウイルス)の研究を行う。2010年に目黒区駒場にてキャフェリエペットクリニックを開業。一頭一頭のタイプに合ったオーダーメイドの対応を信条に総合診療を行う。






