お知らせ一覧犬猫通信 for CAT【column】耳は口ほどに物を言う?猫の耳について知ろう!

【column】耳は口ほどに物を言う?猫の耳について知ろう!

猫の耳のこと、どのくらい知っていますか?


目は口ほどに、と言いますが、耳もまた同じです。耳の動き一つで色々なことがわかります。今回はそんな猫の耳のヒミツを探ってみましょう!

猫の耳も人の耳と同じように、外耳・中耳・内耳の3つに分かれ、「聴覚」と「平衡感覚」この二つが耳の重要な役割です。
私たちが「耳」と呼んでいる、目に見える部分は「耳介(じかい)」と言い、音を集める役割があります。20種類以上の耳介筋と言われる筋肉によって自由自在に動かすことができ、また猫は片耳ずつ別の動きをさせることができます。

耳介の中に耳道(じどう)と言われる道の入り口があり、鼓膜までの部分を外耳と言い、猫の外耳道はL字型になっています。鼓膜は薄い膜で、音の振動を中耳に伝えます。鼓膜の先が中耳と内耳で、鼓室(こしつ)と呼ばれる空気の入った空洞の穴のような場所で、伝わってきた音の振動を増幅させます。音の振動は内耳に伝えられ、蝸牛(かぎゅう)と言われる器官で音を電気信号に変換し、聴覚神経を通じて脳に送られます。
また内耳には体のバランスを取るために必要な三半規管、前庭(ぜんてい)という器官があります。猫は特に三半規管が発達しており、バランス感覚に優れています。

さて、猫と人では音の聞こえ方にどのような違いがあるのでしょうか?猫は狩りをする動物だったこともあり、小動物が発する超音波に近い高音にも反応できるようになっています。その代わり、生活の中で起こる電子音や金属音や掃除機の音などが苦手です。
高音域に強いので、細かい音には気付きやすく、50m先の小さな音にも反応します。普通の会話の音は10〜30m程度、ドアが閉まる音や物が落ちる音などは100m先でも聞こえる場合があります。

ところで、猫は音楽を楽しむことができるのでしょうか?猫にとって「音」というのは、狩りをすることにつながり、小鳥の鳴き声や小動物の動く音など自然界の音に反応するようにできています。そのため、人が好む音楽を「楽しむ」ということはあまりありません。
ですが、高音が多く、ゴロゴロ音に似た低い振動が含まれ、全体的にテンポが速め、という「猫のために作られた音楽」というものがあり、それにはゴロゴロ音を出したり、スピーカーに近寄ったりする反応があることがわかっています。

猫たちは耳でどんな感情を表現しているの?


猫の耳は目や尻尾よりも本音が出やすいパーツと言われています。耳が前にピンと向いている時は、好奇心や興味がありポジティブに集中している状態です。耳を立てたまま左右にピクピク動いている時は、周囲をチェックしながら警戒をしています。そして耳が横に広がっている時(通称イカ耳)は、不安や緊張、ストレスを感じており、その場から逃げたい時に見られます。耳が後ろに倒れる時は、威嚇、攻撃する準備をしている時で、さらにその耳がイカ耳状態であれば、強い恐怖、パニックを起こしている時です。

また猫の耳の大きな特徴として、片耳だけを動かすことができる、ということが挙げられますが、片耳だけ動かしたり、倒したりしている時は、何か気になることがあって、警戒すべきか迷っている時です。安心してリラックスしている時の耳は力が抜けて柔らかく横に下がっています。まさに猫の耳は口ほどに、ですね!

耳をいつも健康に保つために!


皆さんは猫の耳の中をチェックしていますか?耳から異臭がしないか、赤くないか、耳垢がないか、傷がないか、触られるのを異常に嫌がったりしないか、など週に1回程度確認するといいでしょう。
猫の耳は非常に繊細ですので、そもそも負担をかけない適度なケアで十分です。耳を覗いて問題がなければ、必要以上に触らない方がいいでしょう。また多頭飼いの場合、猫同士お互いの耳の中をグルーミングしてお掃除していますので、基本的には放っておいて大丈夫です。
ただし、茶色くベタつく耳垢、黒っぽく乾燥した耳垢などがたくさん見られる時、異臭がする時などはかかりつけの先生に相談して下さい。

耳は猫にとって大切な情報源となる音を聞き分けるだけでなく、感情を表現してコミュニケーションをはかるツールでもあります。いつまでも健康な状態に保ってあげたいですね。


Written by
監修医 小林 充子 先生

麻布大学獣医学部を卒業。在学中は国立保険医療科学院のウイルス研究室でSRSV(小型球形ウイルス)の研究を行う。2010年に目黒区駒場にてキャフェリエペットクリニックを開業。一頭一頭のタイプに合ったオーダーメイドの対応を信条に総合診療を行う。

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