【column】うちの子の偏食、どうしたらいいのかな?
2026.05.14
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その偏食は本当にワガママ?まずは原因を探ってみよう!
急にいつものごはんを食べなくなった、偏食で困っている、というお悩みをクリニックでも頻繁に伺います。猫の偏食にはきちんと理由があるのですが、まずはそれを探っていきましょう!
そもそも猫の食べものに対する嗜好性は、生後3か月までに決まると言われています。この時期にドライフードやウェットフードなど食感の違うもの、肉や魚など異なるタンパク質を摂取するなどすると味覚の順応性が高くなり、成猫になっても偏食が起こりにくくなります。
猫は、新しいものに対する好奇心(ネオフィリア)と、逆に新しいものに対する警戒心(ネオフィビア)、という両面の性質を持っています。このネオフィリアという性質が強く働くと、新しい刺激が欲しくなるため、急に今までのごはんを食べなくなったりすることがあります。この場合は一旦新しいごはんに変えてみるといいですが、今までのごはんを嫌いになったわけではないので、時間が経つとまた元々のごはんも食べ始めます。
また猫は自分がどの程度の食事量が必要で、どんな栄養成分が必要かを自分で感知することができると言われています。しばらく食べていたごはんをぱったり食べなくなる場合、そのごはんが今の自分に必要のない栄養素だから食べなくなる、という可能性もあるようです。
つまりネオフィリアによって新しいごはんが欲しくなる場合、あるいは自分には必要がなくなったから食べなくなる場合、いずれも急に今までのごはんを食べなくなる原因となり得ます。
猫は狩りをする時、俊敏に動く必要があるため元々胃の容量は小さくできています。そのため1回に食べられる量はさほど多くありません。1日の中で少しずつ何度にも分けて食べるのはそのためです。
いわゆる体調の変化によって偏食が起こることもあります。消化管の動きが悪い、便秘傾向、消化酵素の分泌が少ないなど消化管に問題がある場合や、歯周炎や歯がグラグラしている時は食欲が落ちたり食べムラが出るようになります。また慢性腎臓病などの場合、食べ物の嗜好性にムラが出ますし、猫風邪や鼻炎などで嗅覚が鈍っている時も食欲が減退し、偏食になります。
偏食を助長させるようなことをしていませんか?

偏食のある子にどうにかして食べてもらいたい、その一念で様々な工夫をされていることでしょう。ただ、その方向性が間違っていると、かえって偏食を助長させることになります。
①主食となるごはんを頻繁に変更する
主食の頻繁な変更は消化管を混乱させ、うまく消化ができなくなります。
②嗜好性の高いおやつを頻繁にあげる
おやつは脂質やカロリーが高く肥満になる可能性がありますし、ごはんに比べて味付けが濃いためさらに偏食が進むことがあります。
③人の食べるものをあげる
こういった行為はできるだけやらないようにしましょう。
偏食を軽減させるために

偏食は単にワガママな訳ではなく、様々な要因で起こる猫の本能と個性です。それでも偏食が強い場合は下記のようなことを試してみましょう。
①落ち着いた食事環境を提供しよう!
猫はストレスに弱い動物です。静かで落ち着いた環境でないと食事を摂らないケースは多々あります。多頭飼育や小さなお子さんがいらっしゃるご家庭では、特に気をつけてあげましょう。
②香りや食感に変化をつけよう!
香りを立たせ、嗅覚を刺激しましょう。ごはんを柔らかくしたり、スープをかけたりするのもいいでしょう。トッピングもいいですが、3種類程度に決めてそれらを順番に使うようにするといいでしょう。
③提供する食事を「体温」程度に温めよう!
狩りをしてすぐに食べる獲物は温かいですから、体温程度に温められたごはんは猫にとって馴染み深いものです。
体重の管理も大切です。食べている量が少ない、と思っていても、体重が減っていなければ今食べている量で適切、ということになります。どのくらいの量がうちの子にとって適切な食事量なのか、それを知ることも大切です。
偏食の原因を知ることがそれを矯正していく近道となります。猫の性格に合わせて環境を整え、適切な食事方法に整えることで改善するケースが多くみられます。少し時間はかかりますが、焦らずゆっくりと改善していけるといいですね。
Written by
監修医 小林 充子 先生
麻布大学獣医学部を卒業。在学中は国立保険医療科学院のウイルス研究室でSRSV(小型球形ウイルス)の研究を行う。2010年に目黒区駒場にてキャフェリエペットクリニックを開業。一頭一頭のタイプに合ったオーダーメイドの対応を信条に総合診療を行う。






