わんちゃんにささみをあげるときの適量と注意点を解説
2025.10.18
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低脂肪かつ高たんぱくのささみは、わんちゃん向けのヘルシーな食材として人気です。しかし「どれくらいなら食べさせてもいいの?」「生であげても大丈夫?」と迷う飼い主さんは少なくありません。本記事ではわんちゃんにささみをあげる適量や注意点を解説します。
わんちゃんはささみを食べても大丈夫

ささみは低脂肪かつ高たんぱくな食材として知られており、わんちゃんの筋肉の維持やエネルギー補給に役立ちます。さらに消化吸収も良いため、胃腸への負担が少ない点もメリットです。
特にダイエット中のわんちゃんや、シニア犬、胃腸が弱いわんちゃんにも向いており、おやつやフードのトッピングとして活用するのも良いでしょう。
わんちゃんが食べるささみの適量は?

ささみはわんちゃんにとっても健康的な食材ですが、わんちゃんに必要な全ての栄養素が補えるわけではありません。そのため、あくまでおやつやトッピングとして、1日の総エネルギー摂取量の10%程度に抑えるのが基本です。
具体的には体重5 kgの成犬なら、おやつとして摂取して良いカロリーは40kcal前後が上限とされています。ささみは100 gあたり約100 kcalなので、1日あたり40 g程度が上限の目安です。
わんちゃんにささみをあげる時の注意点

ささみはわんちゃんも食べられる食材ですが、あげ方や過剰摂取には注意が必要です。ここでは食中毒のリスクや調理方法、サイズなど、わんちゃんにささみをあげる時に押さえておきたいポイントを解説します。
生のささみはあげてはいけない
一見新鮮に見えるささみでも、生のままあげるのは危険です。カンピロバクター属菌などの食中毒菌が生息している可能性があり、わんちゃんが下痢や嘔吐を起こすリスクがあります。
わんちゃんにあげる時は、必ず中心までしっかり火を通し、安心して食べられる状態であげるようにしましょう。
塩や調味料は使用しない
人間用に味付けされたささみは、塩分や調味料がわんちゃんの体に悪影響を及ぼす可能性があります。特に塩分の過剰摂取は腎臓に負担をかけ、高血圧や心臓病の原因にもなりかねません。
そのため、わんちゃん用にささみを調理するときは、味付けを一切せず、素材そのままで加熱するようにしましょう。
アレルギーや持病のある子は注意
ささみは低アレルゲンな食材とされていますが、鶏肉アレルギーを持つわんちゃんにはあげてはいけません。ささみにはリンが含まれており、腎臓病などを患っている場合はあげる量に注意が必要です。また、タンパク質も多く含まれているため、過剰摂取は腎臓や肝臓に負担がかかります。
持病のあるわんちゃんや療法食を食べているわんちゃんにあげる場合は、必ず獣医師の判断を仰ぎましょう。また、初めて食べる時は少量からあげるようにし、痒みや下痢、嘔吐などの症状がないか注意することが大切です。
食べやすい大きさにカットしてあげる
ささみをそのままあげると、わんちゃんが丸呑みして喉に詰まらせてしまう可能性があるため、カットして食べやすい大きさにしてあげましょう。
特に子犬やシニア犬は飲み込みが不器用な場合が多く、小さめにカットしてからあげるようにしてください。指で簡単にほぐせるくらいのやわらかさ、大きさが理想です。
わんちゃんにあげる時の調理方法

わんちゃんにささみをあげるためには、適切な調理方法を選ぶことが大切です。ここでは、茹でる、グリルする、ジャーキーにするなど、簡単かつ愛犬が食べやすい調理法をご紹介します。
ゆでたささみ
筋や脂肪を取り除いたささみを、小さめにカットして茹でることで、わんちゃんにとって食べやすくなります。茹で汁には脂が浮いていることが多いので、わんちゃんにはあげず、しっかり冷ましたささみだけをあげましょう。
ゆでる前に小さめにカットすると火通りが早く時短に。冷蔵庫で保管すれば、3~4日ほど日持ちします。
グリルしたささみ
180℃に熱したオーブンやトースターで10〜15 分ほどグリルするのもおすすめ。網焼きにすれば脂が下に落ち、香ばしい香りが食欲をそそります。
焦げ目がつくほど焼くとAGEs(終末糖化産物)が増えるので、軽い焼き色で止めるのがベターです。
手作りのささみジャーキー
愛犬のおやつに取り入れたい場合は、手作りのささみジャーキーがおすすめです。ささみを薄くスライスし、70〜90℃程度の低温でじっくりと水分を飛ばすことで、長持ちするおやつになります。
冷蔵庫で保存し、1週間以内を目安に使い切るようにしましょう。市販のジャーキーの添加物が気になる方にもおすすめです。
まとめ

ささみは低脂肪かつ高たんぱくな食材で、わんちゃんにもあげられます。ささみは筋肉維持や嗜好性アップに役立つ食材。適量や調理方法を理解したうえで、ささみのおいしさを愛犬と分かち合いましょう。
Written by
監修医:小島 麻里 先生
犬猫生活往診クリニック代表獣医師。2013年酪農学園大学を卒業後、地域密着型の1次病院から大学病院、歯科専門病院など11年間小動物臨床で経験を積み、ペット栄養管理士取得後、往診専門動物病院を開院。保護猫おもち・わらびと暮らす。






