愛犬にもやしをあげても大丈夫?食べられる量や注意点も解説!
2025.08.15
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シャキシャキとした食感とみずみずしさが魅力の「もやし」。価格もお手頃で、日々の食卓に取り入れている方も多いでしょう。そんなもやしを「愛犬にあげても大丈夫?」と気になるかたもいるかもしれません。この記事では、もやしをわんちゃんにあげても良いのか、含まれる栄養素やメリット、注意点について詳しく解説します。
わんちゃんはもやしを食べて大丈夫
もやしは、茹でたものであればわんちゃんも食べられる食材です。
もやしは豆を発芽させたもので、栄養価は豆とほぼ同じ。低カロリーでありながら、アミノ酸やビタミン、ミネラルが含まれており、日々の食事の補助として役立ちます。
ただし、過剰摂取には注意しましょう。もやしは水分が多く比較的消化しやすい食材ですが、食べすぎてしまうと消化器官に負担をかけてしまうことがあります。
もやしの栄養素
もやしは水分が多いイメージかもしれませんが、さまざまな栄養素を含むバランスの良い食材です。
- ・アミノ酸(アスパラギン酸):エネルギー代謝を助け、乳酸分解を促進
- ・ビタミンC:抗酸化作用があり、病気や老化の原因となる活性酸素の除去をサポート
- ・カリウム:体内の余分な塩分を排出し、血圧のバランスを適正に保地やすくなる
- ・葉酸:赤血球の生成や細胞の再生をサポート
- ・リン:骨や歯の形成を助け、エネルギー代謝をサポート
わんちゃんがもやしを食べるメリット
もやしを適切な方法で摂取できれば、わんちゃんにとって以下のようなメリットがあります。
- ・低カロリーで太りにくい
- ・便秘の解消をサポート
- ・疲労回復をサポート
- ・免疫力がアップ
低カロリーで太りにくい
もやしは成分の多くが水分であり、カロリーが非常に低い食材として知られています。体重管理中のわんちゃんにもぴったり。ダイエット中のかさ増しにも役立つでしょう。
便秘の解消をサポート
もやしに含まれる食物繊維が腸の働きを助け、便通を整えるサポートをしてくれます。もやしは善玉菌のエサになるので、腸内環境の改善も期待できるでしょう。
疲労回復をサポート
もやしに含まれるアスパラギン酸は、エネルギー代謝を助けて乳酸の分解を促進してくれます。運動後の栄養補給や、散歩後の疲労回復にもおすすめです。
免疫力がアップ
ビタミンCの抗酸化作用により、病気や老化の原因となる活性酸素を抑制。さらに、鉄分の吸収を助ける働きもあり、健康維持や病気予防をサポートしてくれます。
わんちゃんにもやしをあげるときのポイント
わんちゃんにもやしをあげるときは、以下のポイントに注意しましょう。
- ・細かく切る
- ・加熱する
- ・新鮮なものをあげる
- ・調味料を使わない
細かく切る
もやしは茹でると柔らかくなりますが、繊維質が長いためそのままだと排便に支障をきたしてしまうことがあります。排泄時に痛みや不快感が出ないよう、特に小型犬やシニアのわんちゃんにあげる場合は細かく切るようにしましょう。
刻んだもやしをフードに混ぜたり、お湯で柔らかくしたうえでペースト状にしてあげるのもおすすめです。
加熱する
海外などではもやしを生で食べることもありますが、日本で流通しているもやしは加熱を前提に生産・管理されているものがほとんどです。
人間が食べるときと同じように、雑菌のリスクを避けるために加熱(茹でる・蒸す)してからあげるようにしましょう。
加熱することでもやしの繊維が柔らかくなり、消化もしやすくなります。
新鮮なものをあげる
もやしは傷みやすい食材です。傷んだもやしを食べると、お腹を壊したり、嘔吐や下痢の原因になることも。愛犬にあげる際は、変色や異臭がないかしっかりチェックしましょう。
また、冷蔵庫で保管する場合も長期間保存するのではなく、できるだけ早めに使い切ることが大切です。
調味料を使わない
もやしを調理する際、ご家族の料理と同じ感覚で塩や醤油、ゴマ油を加えたものをあげてしまうのはNGです。調味料は犬の腎臓や心臓に負担をかけ、塩分過多や脂質過多の原因となってしまいます。
わんちゃんは、茹でただけ・蒸しただけのシンプルな調理で食べることが基本です。
わんちゃんにあげるもやしの適量
もやしは栄養価の高い食材ですが、食べ過ぎると消化不良の原因となります。
わんちゃんの体重によって適量は異なりますが、ドッグフードのトッピング程度であげるようにしましょう。
もやしをあげる注意が時に注意すべきことは?
愛犬にもやしをあげるときは、以下に注意しましょう。
- ・アレルギー反応
- ・腎臓病の場合は注意が必要
アレルギー反応
もやしは比較的アレルギーの少ない食材ですが、ゼロとは言い切れません。初めてあげるときは少量から始めてみて、愛犬の様子をしっかり観察しましょう。
特に、過去に豆類でアレルギー反応のあったわんちゃんは注意が必要です。アレルギー反応の例としては、皮膚のかゆみ、赤み、下痢、嘔吐などがあります。
もし異常が見られた場合は、すぐに給餌を中止し、獣医師に相談しましょう。腎臓病の場合は注意が必要です。
もやしにはカリウムが含まれているため、腎臓や心臓の機能が低下しているわんちゃんの場合、高カリウム血症を引き起こす恐れがあります。
持病がある場合は、獣医師に相談の上であげるようにしましょう。
まとめ
もやしは低カロリーで水分・栄養補給に役立つ食材です。加熱して細かく刻めば、便通のサポートや疲労回復、免疫力の向上など、わんちゃんの健康維持に役立ちます。
ただし、適量を守ることが大前提。体質や体調に合わせて、もやしを無理のない範囲で取り入れてみてください。
Written by
監修医:小島 麻里 先生
犬猫生活往診クリニック代表獣医師。2013年酪農学園大学を卒業後、地域密着型の1次病院から大学病院、歯科専門病院など11年間小動物臨床で経験を積み、ペット栄養管理士取得後、往診専門動物病院を開院。保護猫おもち・わらびと暮らす。