わんちゃんに小麦粉をあげても大丈夫？適量や愛犬にあげるときの注意点

香ばしく焼けたパンやクッキーなど、日常の食卓に登場することの多い小麦粉。料理やお菓子作りに使ったとき、そばで見ているわんちゃんに「ちょっとあげてもいいのかな？」と思ったことがあるご家族も多いのではないでしょうか。この記事では、わんちゃんが小麦粉を食べても大丈夫なのか、どんなふうに取り入れれば良いのかなど、わかりやすくまとめました。

わんちゃんは小麦粉を食べても大丈夫

小麦粉は、わんちゃん用のご飯にも使われることのある一般的な原材料です。焼き上がったパンやクッキーなど、適切に加熱された小麦粉であれば、基本的にわんちゃんが口にしても問題ありません。

そのため、誤って少し食べてしまった場合も大きな問題はないでしょう。ただし、例えばネギのように、わんちゃんが食べられない食事が一緒に含まれていないかどうかは確認が必要です。

また、小麦粉は必須の食材ではないため、無理にあげる必要はありません。ご飯のトッピングや特別なごほうびとして、様子を見ながら取り入れてみてください。

小さな子やシニアのわんちゃんも食べられる？

小さな子やシニアのわんちゃんであっても、小麦粉を使った加熱済みのご飯なら食べることができます。 ただし、まだ消化器官が未発達だったり、年齢的に体調を崩しやすかったりする場合もあるため、はじめて食べるときは注意が必要です。食後に下痢や嘔吐などの症状がないか、食べた後の体調をしっかり観察しておきましょう。

生の小麦粉でも食べられる？

生の状態の小麦粉は、わんちゃんの消化にはあまり向いていません。 とくに過剰に摂取してしまうと、消化不良やお腹の張り、便の異常などのトラブルにつながることがあります。

万が一、生の小麦粉を誤ってなめてしまった場合は、体調の変化を見守りながら、必要に応じて動物病院に相談しましょう。

わんちゃんが摂取できる小麦粉の量は？

小麦粉単体で量を計るのは難しいので、日常的な食べ物に置き換えるとイメージしやすくなります。例えば、小麦粉で作られている「食パン」を基準にしたときの目安量は以下のとおりです。

• ・小型犬の場合：8枚切りを1/2枚
• ・中型犬の場合：6枚切りを1枚
• ・大型犬の場合：4枚切りを1枚

いずれも、おやつやごほうびの延長としてたまにあげる程度が基本です。主食としてあげるのではなく、いつものご飯のバランスも崩さないように注意しましょう。

わんちゃんに小麦粉をあげるときの注意点

わんちゃんに小麦粉をあげるときは、以下のポイントに注意しましょう。

• ・アレルギーに気を付ける
• ・加熱したものをあげるようにする

アレルギーに気を付ける

小麦粉に含まれる「グルテン」という成分にアレルギーを持っているわんちゃんもいます。 皮膚のかゆみ、赤み、涙やけ、便の異常などが見られる場合は、すぐに食事から除いて、動物病院に相談してください。初めてあげるときはごく少量からスタートしてみて、体調の変化がないか確認することが大切です。

加熱したものをあげるようにする

小麦粉は加熱してからあげるようにしましょう。パンやホットケーキ、クッキーなどに使われている状態なら基本的に大丈夫です。ただし、人間用に味付けされたものは、砂糖や塩分などが多く含まれることがあるため注意が必要です。

わんちゃん専用のおやつを手作りする際は、無糖・無塩で仕上げるようにしてみてください。

まとめ

小麦粉は、基本的にわんちゃんが食べても問題はありません。 ご飯にも使われることがある食材で、小さな子やシニアのわんちゃんでも体調を見ながら楽しめます。ただし、アレルギーの心配や消化の負担などもあるため、はじめてのときは少量から慎重に試すことがポイント。普段のご飯の栄養バランスを大切にしながら、たまのお楽しみとして取り入れてみてください。

Written by
監修医：小島 麻里 先生

犬猫生活往診クリニック代表獣医師。2013年酪農学園大学を卒業後、地域密着型の1次病院から大学病院、歯科専門病院など11年間小動物臨床で経験を積み、ペット栄養管理士取得後、往診専門動物病院を開院。保護猫おもち・わらびと暮らす。