愛犬がわさびを食べたらどうする?対処の流れやリスクを解説
2025.11.16
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わさびは家庭で馴染みのある香辛料ですが、わんちゃんにとっては非常に刺激が強く、健康を害するおそれがあります。本記事では、愛犬がわさびを舐めてしまったときのリスクや対処法について詳しく解説します。
わんちゃんはわさびを食べてはダメ

わさびは、わんちゃんにとって食べてはいけない香辛料です。刺激が強く、健康を害するおそれがあります。
わさびに含まれる辛味成分は、わんちゃんの胃腸の粘膜を刺激し、下痢や嘔吐、感覚麻痺などのトラブルを引き起こすことも。
また、「わんちゃんの鼻先にわさびを塗る」といった行為も絶対にNG。しつけやいたずら心からであっても、わんちゃんにとってはストレスや健康被害の原因になります。
わんちゃんがわさびを食べたときに見られる症状

万が一、わんちゃんがわさびを口にしてしまった場合、以下のような症状が見られることがあります。
- ・涙を流す、鼻をこするなどの違和感のサイン
- ・よだれを多く垂らす
- ・嘔吐、下痢、軟便
- ・食欲不振
- ・元気がなくなる
上記はわさびの刺激成分によって一時的に現れることが多いですが、症状が長引く場合や重症化するケースもあるため注意が必要です。
わんちゃんがわさびを食べたときの対処法

わんちゃんがわさびを食べたときは、早めに動物病院へ相談することが大切です。以下では、わんちゃんがわさびを食べたときの対処法を解説します。
- ・まずは動物病院へ連絡を
- ・獣医師の指示に従う
まずは動物病院へ連絡を
わさびを少量でも口にしてしまった場合は、できるだけ早く動物病院へ連絡をしましょう。量や様子にかかわらず、獣医師の判断を仰ぐことが大切です。
電話をする際は、以下の情報を整理しておくとスムーズです。
- ・いつ、どれくらいの量を食べたか
- ・わさびの種類(市販のチューブ、生わさびなど)
- ・料理に含まれていた場合は、その内容や調理方法
- ・現在の愛犬の様子(吐いた、元気がない、目やにが出ている等)
獣医師の指示に従う
応急処置として自己判断で吐かせようとしたり、無理に水を飲ませるのは危険です。状態を悪化させる恐れもあるため、必ず獣医師の指示に従うようにしましょう。
わさび以外でわんちゃんが避けるべき香辛料

わさび以外にも、わんちゃんが避けるべき香辛料はいくつかあります。以下では、わんちゃんが避けるべき香辛料をまとめました。
| 避けるべき香辛料 | 理由 |
| 西洋わさび(ホースラディッシュ) | わさびと同様の刺激物で、消化器への悪影響が懸念される |
| にんにく | ネギ属であるため玉ねぎやネギ、ニラと同様に貧血の原因になるリスクがある |
| 唐辛子(チリ) | 下痢や嘔吐のリスク |
| 胡椒 | 胃腸への刺激が強い |
| 山椒 | わんちゃんには刺激が強い |
| カラシ、マスタード | 嘔吐や下痢を引き起こすリスク |
| タバスコ | わんちゃんには刺激が強い |
加熱したわさびは食べても大丈夫?

加熱することでわさびの辛味成分はある程度揮発しますが、完全に消えるわけではありません。たとえ辛味が薄くなっていても、わんちゃんにとっては強い刺激となる場合があります。
また、わんちゃんにわさびをあげるメリットはないため、わざわざあげる必要はないでしょう。
まとめ

わんちゃんにとって、わさびは体に大きな負担をかける刺激物です。誤って食べてしまった場合は、速やかに動物病院に連絡し、適切な処置を受けることが大切です。
わさびに限らず香辛料にはわんちゃんに不向きな食材が多いため、普段からわんちゃんの届かない場所での保管や、食卓での取り扱いに注意しましょう。
Written by
監修医:小島 麻里 先生
犬猫生活往診クリニック代表獣医師。2013年酪農学園大学を卒業後、地域密着型の1次病院から大学病院、歯科専門病院など11年間小動物臨床で経験を積み、ペット栄養管理士取得後、往診専門動物病院を開院。保護猫おもち・わらびと暮らす。






