愛犬のハウスのしつけ方は?練習のポイントやコツを紹介
2025.09.26
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ハウストレーニングは、わんちゃんが落ち着いて過ごせる場所を作る大切なしつけのひとつ。正しい方法でトレーニングすれば、来客の際や外出時の移動もスムーズになります。
この記事では、ハウストレーニングが必要な理由や具体的なしつけの手順、注意点について解説します。初めてトレーニングをする方でも無理なく進められるようにわかりやすくまとめているので、ぜひ参考にしてください。
わんちゃんがハウストレーニングが必要な理由
ハウストレーニングは、わんちゃんがリラックスできる居場所を作るために大切なしつけです。室内で自由に過ごしているわんちゃんでも、お家の中に自分専用の場所があると精神的に安定しやすくなり、無駄吠えやストレスの軽減につながります。
ハウストレーニングを始める時期はわんちゃんによって差が出るものですが、アイコンタクトが取れるようになる生後3ヶ月〜4ヶ月頃からトレーニングを始めてみましょう。
ハウスができると役立つ場面は?
ハウスができると、来客や掃除の際などにおとなしく過ごしてくれるようになります。また、移動可能なハウスに自分から入ってくれれば、病院や旅行などでの移動もスムーズになるでしょう。
ハウストレーニングの注意点
わんちゃんによっては、ハウストレーニングを嫌がることがあるかもしれません。
しかし、もしハウスに入りたくないという素振りを見せても、無理に押し込むことは避けましょう。怖い場所だと認識してしまうことがあるためです。まずは扉を開けたままにしておき、少しずつ自分から入ってくれるように促してあげましょう。
また、トレーニングを嫌がってわんちゃんが強く噛んでしまう場合も、大声で反応することはNG。静かに手を引き、落ち着くまで距離を取るようにしましょう。興奮が収まった状態で、トレーニングを再開します。
無理強いせずに、時間をかけてハウスを「落ち着ける場所」として認識させてあげることがポイントです。最初は戸惑うことがあっても、少しずつ慣れることで、ハウスを快適な場所として受け入れられるようになります。
わんちゃんのハウストレーニングの方法
ここからは、わんちゃんのハウストレーニングのステップを解説します。
- ・ステップ1. ハウスに慣れさせる
- ・ステップ2. ハウスの中に入れるようにする
- ・ステップ3. 扉を閉めて待つ練習
- ・ステップ4. ハウスの位置を変える
ステップ1. ハウスに慣れさせる
まずは、ハウスに慣れさせることから始めてみましょう。おやつやお気に入りのブランケットを置いて、わんちゃんが興味を持つように工夫します。
トレーニングのコツ
無理に入れようとするのではなく、自分の意志でハウスに入るように誘導しましょう。扉は開けたままにして、自由に出入りできる状態にしておくと抵抗感が少なくなります。
ステップ2. ハウスの中に入れるようにする
わんちゃんがハウスに慣れたら、ハウスの中に入る練習を始めましょう。まずは手前側におやつをおいておき、慣れてきたら徐々に奥へ誘導します。
トレーニングのコツ
ハウスを好きになってもらい、落ち着ける場所であると認識してもらうことがポイント。中でおやつを食べたり、おもちゃで遊んだりする時間を作ると、ハウスが楽しい場所だと感じやすくなります。
ステップ3. 扉を閉めて待つ練習
ハウスの中で落ち着いて過ごせるようになったら、次は扉を閉めた状態で待つ練習をしていきます。わんちゃんがハウスに入っても落ち着いていられるように、少しずつ時間を延ばしながら進めましょう。
まず、わんちゃんがハウスに入ったら優しく声をかけ、ゆっくりと扉を閉めます。最初は10秒ほど待ってから扉を開け、静かに過ごせたことを褒めてあげましょう。慣れてきたら30秒、1分、5分と、少しずつ時間を延ばしていきます。
扉を閉めても落ち着いて過ごせるようになったら、少しずつ家族がハウスから離れる練習も取り入れましょう。
トレーニングのコツ
扉を閉めると不安そうにしたり、吠えたりする場合は、一度開けてもう一度短い時間からやり直しましょう。長時間閉じ込めるとストレスになりやすいため、わんちゃんのペースに合わせることが大切です。
ステップ4. ハウスの位置を変える
最後に、ハウスの位置を変えた状態でもリラックスできるようにトレーニングしましょう。どんな状況でもハウスで過ごせるようになれば、外出や旅行の際も負担が少なく過ごせるようになります。
トレーニングのコツ
ただし、ハウスの位置を頻繁に変えるとストレスになる可能性があるため、様子を見ながら進めましょう。慣れてきたら、ハウスの位置を変えるのは多くても年に二回程度にとどめるのがおすすめです。
愛犬のハウスの選び方
ハウストレーニングを成功させるためには、わんちゃんにとって快適なハウスを選ぶことも重要です。
ハウスの大きさは、わんちゃんが中で楽に寝転がれる程度の広さが必要。狭すぎると居心地が悪く、広すぎても落ち着かなくなってしまいます。目安としては、わんちゃんが立ち上がって方向転換できる程度のサイズを選びましょう。子犬の場合は、成犬になったときのサイズを考慮して少し大きめのものを選ぶのがおすすめです。広すぎて落ち着かない場合は、仕切りのついたタイプやクッションを入れるなどして調整してあげましょう。
また、室内用、持ち運び用など、用途に応じて適したものを選びましょう。室内に設置する場合は、通気性がよく掃除しやすいものが便利。車での移動や動物病院の通院を考えるならキャリータイプのハウス、コンパクトに収納できるものを探している場合は、折りたたみ式や布製のソフトクレートがおすすめです。
まとめ
愛犬のハウスのしつけについて解説しました。ハウストレーニングをしっかり行うことで、来客時や掃除中、車での移動時、病院や災害時などでも、わんちゃんが落ち着いて過ごせるようになります。トレーニングの際はわんちゃんに無理をさせず、少しずつ慣れさせることがポイント。焦らずわんちゃんのペースに合わせながら、楽しくハウストレーニングを進めていきましょう。
Written by
監修医:小島 麻里 先生
犬猫生活往診クリニック代表獣医師。2013年酪農学園大学を卒業後、地域密着型の1次病院から大学病院、歯科専門病院など11年間小動物臨床で経験を積み、ペット栄養管理士取得後、往診専門動物病院を開院。保護猫おもち・わらびと暮らす。