愛犬が待てできない時の教え方!子犬から成犬まで対応
2025.09.22
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「ご飯の前で待てができない」「家ではできるのに外出先では全然ダメ…」と悩んでいませんか?待ては愛犬の安全を守り、信頼関係を深めるために大切なしつけです。しかし、途中で動いてしまう場合や、距離が離れるとうまくいかないこともあるでしょう。
本記事では、待ての基本ステップから、失敗しやすい場面での対処法を詳しく解説します。愛犬と一緒に楽しみながら、待てを上手に教えるコツをお伝えします。
愛犬に待てを教える理由
「厳しくしつけるのはかわいそう…」と感じる飼い主さんもいるかもしれません。しかし、待ては愛犬の安全を守り、ご家族が安心して暮らすために重要なトレーニングです。
愛犬が日常生活で飼い主の指示を聞き、落ち着いて行動できるようになることで、不安な場面でも冷静に対処できるようになります。しつけは愛犬との信頼を深める機会でもあるため、優しい気持ちで根気よく取り組むことが大切です。
待てを覚える目的
わんちゃんに待てを覚えさせることは、次のような場面で役立ちます。
【待てを覚える目的】
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待ては愛犬の安全を守るために役立つコマンドです。人混みや他のわんちゃんに吠えられた時など、興奮しやすい場面で待てができれば、事故やトラブルを防げます。
おすわりやふせと組み合わせることで、集中力が高まり、落ち着いて行動できるようになります。ご家族の声を聞くことで、愛犬は落ち着きを取り戻し、信頼関係も深まるでしょう。
屋外だけでなく、室内でも待ては効果的です。誤って落ちているものを口にしそうなとき、待てができれば誤飲やトラブルの防止にもつながります。
待てを覚えることは、日常生活で役立つ重要なしつけです。なかなか覚えてくれないと「かわいそう」と感じる場面もあるかもしれませんが、わんちゃんと楽しみながら根気よく教えていきましょう。
待てはいつから教えるべき?
待ては、おすわりの次に教えるべき基本的なしつけのひとつです。早めに教えることで、日常生活のさまざまな場面で役立ち、信頼関係の向上にもつながります。
子犬と成犬では教えるタイミングが異なるので、それぞれの特徴を理解し、愛犬に合った方法で進めていきましょう。
【子犬の場合】
待てのしつけは、生後2〜3ヶ月頃が覚えやすい時期です。この頃は吸収力が高く、新しいことを覚えやすいため、しつけのスタートに適しています。
ただし、お迎えして間もない場合は、環境に慣れるまで待つことを優先しましょう。新しい環境に適応する前にトレーニングを始めてしまうと、ストレスを感じることがあります。まずは愛情を注ぎ、信頼関係を築いてから始めることが大切です。
また、待てはおすわりを覚えてから教えるとスムーズです。おすわりをすることで、犬に待つための姿勢が身につき、練習を進めやすくなります。
【成犬の場合】
成犬をお迎えしたときは、まず環境に慣れる時間を確保しましょう。わんちゃんによって新しい環境に適応するスピードは異なります。早く慣れる子もいれば、少し時間が必要な子もいるため、愛犬の様子をよく観察しながら進めることが大切です。
成犬は過去の経験や性格によって、しつけの習得に時間がかかることがあります。しかし、焦らず信頼関係を築きながら根気よく教えていけば習得可能です。
愛犬がリラックスして過ごせるようになった頃から、遊びの一環としてトレーニングを始めると、スムーズに進めやすくなります。
愛犬に待てを教えるポイント
待てのトレーニングを成功させるためには、いくつかのポイントを押さえることが大切です。それぞれのポイントを詳しく見ていきましょう。
コマンドを統一する
待てを教える際は、コマンドを毎回同じ言葉で統一することが大切です。指示のフレーズを一定にし、家族全員が「待て」「ウェイト」「ストップ」など異なる言葉を使わないようにしましょう。
統一性がないと愛犬が混乱し、指示の意味を正しく理解できなくなります。声のトーンも一定に保つことで、よりスムーズに覚えられるでしょう。
できたらたくさん褒めてあげる
待てができたときは、しっかり褒めて成功体験を積ませることがポイントです。最初は数秒間待つだけでも成功と見なし、「よくできたね!」と優しく声をかけます。
このとき、愛犬が大好きなおやつやおもちゃを使うとさらに効果的です。ご褒美があることで、待つことが楽しいものだと理解しやすくなります。
焦らず叱らない
待てのトレーニングでは、失敗することもありますが、叱るのは逆効果です。叱られることで怖がってしまい、トレーニング自体がストレスになってしまうことも。失敗しても無視し、再チャレンジできる環境を整えることで、愛犬が安心して取り組めるようにしましょう。
待ての教え方
待てを教える際には、以下の準備物を用意しましょう。
- ・おやつ
- ・リード
- ・静かな環境
まずは落ち着いた場所で練習を行います。周囲の物音が気になる場所では集中できないため、できるだけ静かな環境を選びましょう。
室内で行う場合はリードは不要ですが、屋外での練習では安全確保のためにリードを使うのがおすすめです。飛び出しを防ぎ、愛犬が落ち着いて練習に取り組めます。
基本のステップ
待てを教える際は、段階を踏んで少しずつ進めることが大切です。以下の手順に沿って練習を始めましょう。
- 1.おすわりをさせる
- 2.手のひらを見せて指示を出す
- 3.数秒後に解除の合図を出す
- 4.おやつを与えて褒める
- 5.少しずつ待てる時間を延ばす
まずは愛犬におすわりをさせます。次に、手のひらを愛犬に向け、「待て」と優しく指示を出し、視線を合わせます。最初は数秒だけ待たせてから、「よし」などの合図で解除しましょう。
成功したら、おやつをあげ、褒めましょう。この流れを繰り返しながら、少しずつ待てる時間を延ばしていくことがポイントです。
愛犬のペースに合わせて無理なく進めることで、成功体験を積み重ねられます。
少ししか待てができないわんちゃんへの教え方
待てが少ししかできない理由は、環境の影響や愛犬の性格、練習方法などさまざまです。ここでは、よくある原因とその対策を詳しく解説します。
ご飯やおやつを見ると動いてしまう
わんちゃんがおやつを追いかけてしまうのは、ご褒美のおやつが大好きで興奮しているからかもしれません。おやつに気を取られすぎ、指示が入りにくい状態です。
このような場合は、手をグーにしておやつが見えないように隠してみましょう。待てができたら手を開いてご褒美をあげ、成功体験を積ませます。
嗜好性が高すぎるおやつは興奮しやすいため、控えめなおやつに変えるのも効果的です。
待ての途中で動く・離れると待てない
わんちゃんが途中で動くのは、指示が解除されたと誤解したり、不安になって後を追うからかもしれません。とくに距離を一気に取ろうとすると、わんちゃんは落ち着きを失いやすくなります。
まずは一歩後ろに下がる程度の短い距離から練習を始めましょう。視線を合わせながら「待て」と指示を出し、待てたら優しく褒めておやつをあげます。この手順を繰り返し、少しずつ距離を伸ばすことで、成功体験を積ませることで自信をつけてあげましょう。
吠える
わんちゃんが待つ間に吠えてしまうのは、「早くご褒美が欲しい!」という焦りや不満が原因の可能性があります。待つことがわんちゃんにとって、我慢やジレンマになっている状態です。
まずは、短い時間から始め、少しずつ待つ時間を延ばしていきましょう。練習中は飼い主が落ち着いた声で指示を出し、待てたときには優しく褒めてください。
家では待てるのに外ではできない
家では待てるのに、公園や散歩道など外の環境ではうまくできないことがあります。外は音や匂い、他の犬や人など、わんちゃんにとって気になる刺激が多いためです。
室内での練習に慣れたら、庭や玄関前など家から近い場所で練習をしてみましょう。落ち着いて待てるようになったら、散歩道や公園など、少しずつ刺激の多い場所へ移行します。
外では誘惑が多いため、リードを使って動きをコントロールしながら進めることがポイントです。
愛犬のしつけ待てにおすすめのおやつ
待てを教える際には、特別なおやつを用意してあげましょう。愛犬が普段食べているものより少し特別感のあるおやつを使うと、トレーニングのモチベーションが高まります。
犬猫生活 の「はなまるおやつ」は、保存料や着色料を使用していない無添加おやつです。わんちゃんの健康を考えた素材で作られており、嗜好性が高いため、トレーニング時にもぴったり。11種類のバリエーションがあり、肉や魚を使ったものなど好みに合わせて選べます。
まとめ
待ては、愛犬との信頼関係を深め、日常生活をより快適で安全なものにする大切なコマンドです。子犬でも成犬でも、正しい手順を踏めばしっかり習得できます。
ポイントは焦らず、愛犬が成功できるペースで進めることです。待てができたときはしっかり褒め、おやつを活用しながら愛犬に「待ては良いことだ」と感じさせましょう。
根気よく練習を続けることで、愛犬も楽しく待てを覚え、飼い主との絆が深まります。無理のない範囲で、今日から少しずつ始めてみてください。
Written by
監修医:小島 麻里 先生
犬猫生活往診クリニック代表獣医師。2013年酪農学園大学を卒業後、地域密着型の1次病院から大学病院、歯科専門病院など11年間小動物臨床で経験を積み、ペット栄養管理士取得後、往診専門動物病院を開院。保護猫おもち・わらびと暮らす。