犬の抱っこの仕方は?正しい方法と気をつけたいポイント
2025.07.07
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犬の抱っこの方法について解説します。コミュニケーションの手段としてはもちろん、愛犬を危険から守るために抱っこは欠かせない手段です。本記事では抱っこの正しい方法と気をつけたいポイントを分かりやすくまとめたので、ぜひ参考にしてみてください。
わんちゃんは抱っこが好き?
わんちゃんは、一般的に家族と触れ合う時間が好きな動物です。しかし、全てのわんちゃんがはじめから抱っこを好きだとは限りません。わんちゃんの性格や体格、育った環境によって、抱っこに対する反応は変わります。
家族との絆が深いわんちゃんや、幼少期から抱っこに慣れている場合であれば、抱っこを心地よいものとして受け入れることが多いです。反対に、抱っこに慣れないうちに高いところから落ちてしまったり、落ち着かない大勢で抱っこされてしまったりすると、抱っこを嫌うようになってしまうこともあります。
初めての場合は、いきなり抱っこをするのは避けましょう。まずは体に触れることや、体の下に手を添えることなどから徐々に慣れさせて、抱っこを楽しいものだと認識してもらうことがポイントです。
抱っこの必要性
コミュニケーションとしてだけでなく、わんちゃんと暮らしていると、抱っこが必要となるシーンがあります。状況に応じて、わんちゃんを危険から守ったり、周りに迷惑をかけないようにするために抱っこが必要です。
特に以下のようなシーンでは、しっかりと抱っこしてあげましょう。
- ・わんちゃんのケガが心配な時(急な階段など)
- ・人混みの中を歩く時
- ・歩かせるのを避けたいような場所を通る時(水たまり、ぬかるみ、熱い地面など)
- ・診察台に乗せる時
- ・災害時などで動きをおさえたい時
わんちゃんの正しい抱っこの仕方
ここからは、わんちゃんの正しい抱っこの仕方をご紹介します。無理な抱っこはわんちゃんに負担をかけてしまう可能性があるので、正しい方法で抱っこしてあげましょう。
小型犬〜中型犬の場合
小型犬や中型犬の場合、まずは片手を前肢の間に入れます。お腹を支えた状態で、もう片方の手でお尻のあたりを抱えて落ちないように支えましょう。
中型犬〜大型犬の場合
中型犬以上のわんちゃんを抱っこする際は注意が必要です。特に大型犬の場合、抱っこしようとしてもすり抜けてしまったり、パニックになると支えきれなかったりすることがあります。
大きなわんちゃんを抱っこするときは、しっかり固定することがポイントです。まず、片手で胸のあたりを支え、もう片方の手でお尻側を支えるときに、お腹から後ろ脚とお尻のあたりを支えましょう。腕だけでなく、脇も使って支えると落ちにくくなります。
わんちゃんの間違った抱っこの仕方
間違った方法でわんちゃんを抱っこしてしまうと、わんちゃんに負担をかけてしまうことがあります。地面と垂直な向きでの抱っこ(縦抱っこ)は、わんちゃんに負担がかかる抱っこの仕方なので注意しましょう。
特にダックスフンドやコーギーなど、胴長の犬種は腰や背中に負担がかかりやすいため注意が必要です。無理に持ち上げたり、縦に抱っこしたりすると、腰を痛めたり、関節に負担がかかったりする可能性があるため、両手でしっかりと支えてなるべく横向きに固定した状態で抱っこするように気をつけてあげましょう。
わんちゃんの抱っこで気をつけたいこと
わんちゃんを抱っこする際は、以下のポイントに気をつけましょう。
- ・嫌がっているのに無理やり抱っこする
- ・わんちゃんの要求のままに抱っこする
嫌がっているのに無理やり抱っこする
わんちゃんが嫌がっている状態で無理に抱っこを続けるのは避けましょう。必要に応じて抱っこしなければならない場合もありますが、拒絶のサインを出しているときはできるだけ早く解放してあげるようにします。
わんちゃんの要求のままに抱っこする
抱っこが好きなわんちゃんの場合、わがままで抱っこをせがむ場合もあります。しかし、要求のままに抱っこしていると言うことを聞かなくなってしまう可能性も。
抱っこをせがまれたときはすぐに応じるのではなく、ご自身が主導権を握るようにしましょう。
抱っこのお助けアイテム
最後に、抱っこのお助けアイテムをご紹介します。家族の方の負担を軽減できるアイテムがたくさんあるので、お出かけや移動の際はぜひ参考にしてみてください。
アイテム | 使用用途・特徴 | 注意点 |
スリング | コンパクトで密着度が高く、安定して抱っこできる。体重の軽いわんちゃん向き。 | 手足や腰を痛めている場合は負担になる場合も。密着できる分、圧迫して呼吸が苦しくなるわんちゃんもいるので注意。 |
カート | シニアのわんちゃんや、中型犬のわんちゃんにおすすめ。人が多い場所へおでかけする時に便利。 | 転倒、愛犬の飛び出し落下に注意。 |
キャリー | 公共交通機関での移動の際に重宝する。リュック型のキャリーであれば、家族の両手が空き、スリングよりも肩の負担が少ない。 | 底が安定しており、飛び出し防止機能が付いているものが望ましい。地面に対してわんちゃんが垂直の体制にならないものを選ぶ。 |
それぞれメリットや特徴が異なるので、使用用途に応じて使い分けましょう。
まとめ
わんちゃんの抱っこについて解説しました。わんちゃんと暮らす中で、危険から守ったり、周囲に迷惑をかけないようにしたりするために、抱っこが必要なシーンが出てきます。わんちゃんの体格や性格に合わせて、無理のない方法で抱っこをしてあげることが大切です。正しい抱っこで、わんちゃんとのお出かけを楽しみましょう!
Written by
監修医:小島 麻里 先生
犬猫生活往診クリニック代表獣医師。2013年酪農学園大学を卒業後、地域密着型の1次病院から大学病院、歯科専門病院など11年間小動物臨床で経験を積み、ペット栄養管理士取得後、往診専門動物病院を開院。保護猫おもち・わらびと暮らす。