犬はヨーグルトを食べられる?あげる時の注意点や適量を解説
2025.08.23
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ヨーグルトは人間に良い食品ですが、愛犬にも与えて大丈夫なのでしょうか。結論として、適量であれば愛犬にヨーグルトをあげても問題ありません。乳酸菌が腸内環境を整える働きを持ち、健康維持に役立つことが期待できます。
ただし、アレルギーや体質によって合わない場合もあるため、あげる際には注意が必要です。本記事では、愛犬にヨーグルトをあげる際の適量や注意点を解説します。
わんちゃんはヨーグルトを食べても大丈夫
わんちゃんはヨーグルトを食べることができますが、食べさせる際にはいくつかのポイントを押さえることが大切です。ヨーグルトは、脂質やたんぱく質、カルシウム、乳酸菌が豊富に含まれ、健康維持に役立つ食材として知られています。ヨーグルトは、脂質やたんぱく質、カルシウム、乳酸菌が豊富に含まれ、健康維持に役立つ食材として知られています。
とくに、腸内環境を整える効果が期待され、便通の改善を目的に毎日取り入れる人も少なくありません。わんちゃんも同様に、下痢や便秘が気になるときに食べることで、おなかの調子を整える効果が期待できます。
牛乳をそのままあげるのは控えたほうが良いでしょう。乳糖(ラクトース)が分解されにくいため、お腹を壊してしまう可能性があります。
一方、ヨーグルトは発酵の過程で乳糖が分解されるため、牛乳より消化しやすい食材です。そのため、牛乳が苦手なわんちゃんでも食べられることが多いですが、すべての子に合うわけではありません。初めてあげる際は少量から試し、体調の変化をよく観察することが重要です。また、ヨーグルトは脂肪分が多いため、食べ過ぎには注意しましょう。
わんちゃんにあげてもいいヨーグルトの量は?
わんちゃんにヨーグルトをあげるときは、加糖や味付きの商品ではなく、無糖かつ低脂肪・無脂肪のプレーンヨーグルトを用意してください。わんちゃんにあげられる量は、以下の通りです。
体重 | 1日にあげてもいいヨーグルトの量 |
超小型犬(2~5㎏) | 約33g~56g 大さじ2~大さじ3.5杯分 |
小型犬(5~10kg) | 約56g~95g 大さじ3.5~大さじ6杯分 |
中型犬(10kg~25kg) | 約95g~211g 大さじ6~大さじ14杯 |
大型犬(25kg~40kg) | 約211g~327g 大さじ14~大さじ21.5杯分 |
※あげてもいい量は、避妊去勢手術の有無やライフステージにより異なります。
※“環境省 犬・猫の健康を守るために”計算式参照
わんちゃんが食べても良いヨーグルトの量は、1日の必要摂取カロリーの10%程度が理想です。水分が多いので、あげすぎると下痢の原因となる恐れがあります。1日の水分量と合わせて調整しましょう。
また、ヨーグルトの過剰摂取は体によくないので注意してください。日常のごはんとしてあげるのではなく、ご褒美やおやつに適量をあげるようにしましょう。肥満気味のわんちゃんにはカロリーが高いため、控えたほうがよいかもしれません。
愛犬にヨーグルトをあげる時の注意点
愛犬にヨーグルトをあげるときの注意点をまとめました。
なお、すでに結石症を患っているわんちゃんの場合は注意が必要なので、かかりつけの獣医師に相談してからあげてください。
よく冷えたヨーグルトはあげないようにする
冷蔵庫から出したばかりの冷たいヨーグルトは、わんちゃんの消化器官に負担をかける可能性があります。とくに胃腸が弱いわんちゃんは、消化不良や下痢を引き起こすことがあるため注意が必要です。食べさせる際は、常温に戻してからあげるようにしましょう。
アレルギーに注意する
ヨーグルトを食べてアレルギー反応を起こすわんちゃんもいます。乳製品が体に合わない場合、消化不良や皮膚のトラブルにつながることがあるため、初めてあげるときは注意が必要です。
最初は少量から試し、体調の変化をよく観察しましょう。下痢や嘔吐、皮膚の赤みやかゆみなどの症状が見られたら、すぐに食べるのをやめてください。その後も症状が続く場合や、状態が悪化するようなら、早めに獣医師に相談することが大切です。
ヨーグルトの加工食品はNG
プレーンの無糖のみを選びましょう。人間用の加糖されたヨーグルトやジャムが入ったものは、わんちゃんの健康に悪影響を与える可能性があります。
とくに、わんちゃんが食べてはいけないフルーツ(ぶどうやレーズンなど)が含まれているヨーグルトには注意が必要です。ヨーグルトを選ぶ際は、原材料をしっかり確認することが大切です。
愛犬にあげるヨーグルトに関するQ&A
愛犬にあげるヨーグルトについてよくある質問をまとめました。ぜひ参考にしてください。
ヨーグルトは涙やけの改善につながる?
ヨーグルトが涙やけの改善に役立つことがあります。乳酸菌が腸内環境を整え、結果的に症状の軽減につながる可能性があるためです。腸の状態が改善されることで、体内の不要な老廃物がスムーズに排出され、涙やけの軽減につながることがあります。
ただし、すべてのわんちゃんに効果があるわけではありません。ヨーグルトでは改善しない場合もあるため、食事全体の見直しや獣医師のアドバイスを参考にすることが大切です。
生後何ヶ月からヨーグルトをあげてもいい?
子犬は腸内環境が整っていないため、ヨーグルトを食べ始める時期には注意が必要です。特に理由がなければ、1歳を迎えたころからはじめてみましょう。
便秘が気になる場合は、獣医師に相談したうえで検討することが大切です。生後2~3ヶ月ごろから食べるわんちゃんもいますが、消化器官が未発達な時期のため、あげる量や頻度に気をつけながら慎重に進めてください。
ヨーグルトの表面の水分「ホエー」はあげてもいい?
ホエーは、基本的にわんちゃんにあげても問題ありません。 たんぱく質やミネラルを含んでおり、ヨーグルトの一部として食べることができます。
ただし、ホエーには発酵の過程で分解されなかった乳糖が多く含まれているため、注意が必要です。まずはヨーグルトから試し、問題がないことを確認してから始めましょう。ホエーを初めてあげるときは、少量から試すのがポイントです。
まとめ
愛犬にヨーグルトをあげても問題ありません。乳酸菌を含み、腸内環境を整える働きが期待できるため、健康維持に役立つことがあります。
あげる際は、無糖のプレーンヨーグルトを選び、冷たすぎる状態を避けましょう。初めての場合は少量から試し、体調の変化を確認することが大切です。愛犬の様子を見ながら、その子に合った方法で上手に取り入れていきましょう。
Written by
監修医:小島 麻里 先生
犬猫生活往診クリニック代表獣医師。2013年酪農学園大学を卒業後、地域密着型の1次病院から大学病院、歯科専門病院など11年間小動物臨床で経験を積み、ペット栄養管理士取得後、往診専門動物病院を開院。保護猫おもち・わらびと暮らす。