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愛犬はスイカを食べてもいい?あげる時の注意点やメリットを解説

2025.07.04

コラム

夏の風物詩「スイカ」は、シャリっとみずみずしくて、思わず愛犬にもおすそ分けしたくなる方も多いはず。でも、「犬にスイカをあげても大丈夫?」「どのくらいなら安心?」と心配になる飼い主さんも多いでしょう。本記事では、愛犬にスイカをあげる際の注意点やメリットを解説します。

わんちゃんはスイカを食べてもいい?

結論からいうと、わんちゃんはスイカを食べても大丈夫です。スイカは水分たっぷりでビタミンも含まれており、夏の暑さ対策や健康維持に役立つ食材。そのため、熱中症の予防やおやつ代わりにもおすすめです。

わんちゃんに与えてもいいスイカの適量は?

わんちゃんが食べてもいいとされるスイカの量は、わんちゃんの体重や活動量、健康状態によって異なります

スイカはほかのフルーツと比較してもカロリーは低めですが、与えすぎは良くありません。おやつ全体の1日摂取量は、1日の総摂取カロリーの10%以内が理想とされているため、スイカもその範囲で楽しむようにしましょう。

わんちゃんの体格 あげられる量
超小型犬(体重5kg未満) 1〜2切れ(約5〜10kcal)
小型犬(体重5〜10kg) 3〜5切れ(約15〜25kcal)
中型犬(体重10〜15kg) 7〜10切れ(約35〜50kcal)
大型犬(体重15〜30kg) 13〜15切れ(約65〜75kcal)
超大型犬(体重30kg以上) 20〜30切れ(約100〜150kcal)

※1切れは2cm角のサイコロ状にカットしたスイカ(約5kcal)

わんちゃんへのスイカのあげ方

わんちゃんにスイカを食べさせる際には、あげ方にも工夫が必要です。ここでは、わんちゃんにスイカをあげる時の注意点を解説します。わんちゃんにスイカをあげる際は、参考にしてみてください。

皮や種は取り除く

スイカの皮や種は、わんちゃんにとって消化が難しいとされています。大きさによっては食道や腸閉塞の原因になることもあるので、注意が必要です。

わんちゃんにスイカをあげる際は、必ず果肉部分のみを使用し、皮や種は丁寧に取り除いてください。ただし、誤って種を食べてしまったからといって必ずしも危険というわけではありません。愛犬の体調の様子に変化がないかチェックし、便として出てくるのを待ちましょう。

下痢や嘔吐などの症状が出た場合は、獣医師に相談するようにしましょう。

常温であげる

夏に食べる冷えたスイカはおいしいもの。ご家族の方は冷やしたスイカを食べることが多いですが、冷たいスイカはわんちゃんのお腹を刺激してしまう可能性があります

冷えたスイカが下痢の原因になることもあるので、常温にしてからあげましょう。特に胃腸が敏感な子は、注意してあげると安心です。

一口サイズにカットする

わんちゃんの口のサイズに合わない大きさだと、喉に詰まらせる危険性があります。 特に小型犬やシニア犬には、小さなサイコロ状にカットしてあげるのが良いでしょう

また、ミキサーやブレンダーにかけてあげるのもおすすめです。ただし、皮や種は取り除き、砂糖やはちみつ、乳製品などを加えないようにしてください。

スイカに注意が必要なわんちゃん

スイカはわんちゃんも食べられますが、すべてのわんちゃんにとって安心というわけではありません。 ここでは、スイカに必要なわんちゃんの特徴を解説します。愛犬が当てはまっていないか確認のうえ、スイカをあげてみましょう。

アレルギー体質のわんちゃん

スイカはアレルギーの原因になることは少ないですが、体質によってはアレルギー反応を起こす場合もあります。特に初めて食べさせるときは、ごく少量を与えて様子をしっかり観察しましょう。

スイカを食べた後にかゆみや赤み、下痢、嘔吐などの症状が出た場合は、すぐに中止して獣医師に相談してください。

腎臓や心臓に疾患があるわんちゃん

スイカにはカリウムが多く含まれています。腎臓や心臓に疾患があるわんちゃんはカリウムを排出しにくいため、体に負担をかけてしまう可能性があるので注意しましょう

持病のある子や、治療中のわんちゃんにスイカを与える際は、必ずかかりつけの獣医師に相談してください。

お腹が弱いわんちゃん

スイカは水分が豊富な反面、一度にたくさん食べるとお腹がゆるくなりやすい食材でもあります

そのため、お腹の弱いわんちゃんや過去にスイカで体調を崩したことがあるわんちゃんは、慎重に与えるようにしましょう。

スイカの栄養素とメリット

スイカはみずみずしくおいしいフルーツです。味だけでなく、わんちゃんの体調管理に役立つ栄養素が豊富に含まれています。ここでは、スイカの栄養素とメリットを紹介します。

1. 水分補給と熱中症予防

スイカは約90%が水分のため、水分補給にも適した食材です。わんちゃんは汗をかかず、体温を上手に下げるのが苦手なため、水分を補うことができます

あまり積極的に水を飲まないわんちゃんでも、スイカなら喜んで食べてくれることもあるでしょう。

また、他の果物に比べて糖分とカロリーが低めなので、肥満や糖尿の心配をせずにおやつに取り入れやすいのもポイントです。

2. リコピンによる抗酸化作用

スイカの赤い果肉に含まれるリコピンには、細胞の老化を防ぐ抗酸化作用があります。免疫力向上につながり、皮膚や被毛の健康維持の効果も期待できるでしょう

ただし、スイカをはじめリコピンを含む食材をあげすぎると、胃腸に負担をかけてしまう可能性があるので注意してください。

3. カリウムによる血圧調整

カリウムは、血圧を調整するのに役立つ栄養素です。カリウムを含むスイカは、血圧を安定させる効果が期待できます。

特にシニアのわんちゃんや心臓疾患があるわんちゃんにとっては、与えすぎなければ血圧を調整するのに役立つ可能性があるでしょう。

4. ビタミンCによる免疫力向上

ビタミンCには、抗酸化作用や免疫強化の働きがあります。病気にかかりにくい体づくりや関節の健康維持にも効果的です

5. シトルリンによる血流促進

スイカに含まれるシトルリンという成分は、血管を広げて血流をよくする働きがあります。さらに疲労回復や代謝の促進が期待できる点も魅力です

ただし、過剰に摂取すると低血圧になるおそれがあるため、心臓に持病があるわんちゃんや胃腸トラブルを抱えているわんちゃんの場合は注意しましょう。

まとめ

本記事ではわんちゃんにスイカをあげる時の注意点やメリットを解説しました。スイカにはリコピンやカリウム、ビタミCなどの栄養素が豊富に含まれています。愛犬の様子を見ながら、夏のご褒美としてスイカを取り入れてみてください。


Written by
監修医:小島 麻里 先生

犬猫生活往診クリニック代表獣医師。2013年酪農学園大学を卒業後、地域密着型の1次病院から大学病院、歯科専門病院など11年間小動物臨床で経験を積み、ペット栄養管理士取得後、往診専門動物病院を開院。保護猫おもち・わらびと暮らす。

 

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