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愛犬に梅干しをあげても大丈夫?種の誤飲や塩分摂取の注意点も解説

2025.09.20

コラム

梅干しは食卓でおなじみの食品ですが、酸味や塩気が強いため、愛犬が万が一食べてしまったら心配になることでしょう。そこで本記事では、梅干しが愛犬にあげる際のリスクや種を誤飲してしまった場合の対処法まで詳しく解説します。

わんちゃんにとっての梅干しのリスク

わんちゃんにとって、梅干しは下記のようなリスクがあります。

  • ・食塩中毒
  • ・種の誤飲による窒息
  • ・アレルギー反応
  • ・生の梅(青梅)はNG
  • ・加工食品はNG
  • ・持病のある子は避ける
  • 子犬・シニアのわんちゃんは避ける

 

食塩中毒

梅干しに含まれる塩分は多く、わんちゃんの体に負担をかけてしまうことがあります。塩分を過剰に摂取すると、嘔吐、下痢、ふらつき、けいれんなどの中毒症状を引き起こし、最悪の場合、命に関わることもあります。梅干しをあげる場合は、食べ過ぎに注意しましょう。

種の誤飲による窒息

梅干しの種は大きく硬いため、わんちゃんが誤飲してしまうと、喉に詰まって窒息したり小腸などに詰まって腸閉塞になったりするリスクがあります。万が一種を飲み込んでしまった場合は、すぐに動物病院へ連絡・受診しましょう。

アレルギー反応

わんちゃんの体質によっては、皮膚のかゆみや下痢、嘔吐などのアレルギー症状を引き起こす可能性があります。初めて食べるときは、体調の変化に十分注意が必要です。

生の梅(青梅)はNG

人間と同様、生の梅(青梅)を食べることは避けましょう。生の梅には毒性の強い成分(アミグダリン)が含まれていて危険です。加工されていない生の梅は絶対にあげないようにしてください。

加工食品はNG

梅干しを使った加工食品(梅ジャム、梅肉ペースト、調味梅干しなど)には、さらに多くの塩分や糖分、添加物が含まれることが多く、わんちゃんには不向きです。

持病のある子は避ける

心臓病や腎臓病、高血圧などを抱えているあるわんちゃんにとって、塩分の多い食品は病状悪化の原因となり得ます。持病がある場合は、無理にあげないようにしましょう。

子犬・シニアのわんちゃんは避ける

小さな子やシニアのわんちゃんは、消化機能が弱い可能性があり、塩分や酸味の強い食品が負担となりやすいです。わざわざあげるメリットも少ないため、避けた方がよいでしょう。

梅干しの栄養素

梅干しに含まれる成分は、クエン酸や梅ポリフェノール、カリウムなどです。クエン酸は疲労回復や食欲増進に、梅ポリフェノールは抗酸化作用による免疫力のサポートに役立つとされています。

とはいえ、先に触れたリスクや注意点を踏まえると、無理してあげる必要はありません。

わんちゃんが食べると危険な梅干しの量は?

わんちゃんは、体重1kgあたり2~3gの食塩を摂取すると中毒症状を起こす恐れがあります。梅干し一粒(約10g)には1〜2g前後の塩分が含まれているため、丸ごとあげるのは危険です。体格による危険量の目安は次の通りです。

  • ・体重5kg:一粒の1/4
  • ・体重10kg:一粒の1/2
  • ・体重20kg:一粒の3/4
  • 体重30kg:一粒

 

愛犬が梅干しの種を誤飲したときの対処法

梅干しの種を誤飲した場合は、喉や消化管に詰まってしまうリスクがあります。種を飲み込んだのを確認した場合や、呼吸が苦しそう、嘔吐、落ち着かないなどの様子が見られたら、すぐに動物病院へ連絡・受診してください。

受診の際には、梅干しの量や大きさ、時間などを伝えられるようにまとめておくとスムーズです。同じ梅干しが残っている場合は、持参しましょう。

まとめ

梅干しは、わんちゃんにとって塩分過多や種の誤飲といったリスクが高く、無理にあげる必要のない食材です。また、もし種を誤飲してしまった場合は油断せず、速やかに獣医師に相談・受診するようにしましょう。


Written by
監修医:小島 麻里 先生

犬猫生活往診クリニック代表獣医師。2013年酪農学園大学を卒業後、地域密着型の1次病院から大学病院、歯科専門病院など11年間小動物臨床で経験を積み、ペット栄養管理士取得後、往診専門動物病院を開院。保護猫おもち・わらびと暮らす。

 

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