愛犬にトマトをあげてもいい?調理方法やあげる時の注意点を解説
2025.07.02
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愛犬に栄養たっぷりの野菜を食べさせたいと考える方は多いでしょう。なかでもトマトは食卓に馴染みのある食材のため、あげていいか気になるもの。本記事ではわんちゃんにトマトをあげる時の調理方法や注意点を解説します。
わんちゃんはトマトを食べても大丈夫
結論からいうと、わんちゃんはトマトを食べられます。赤く完熟したものであれば、生のトマトでも加熱したトマトでも問題ありません。
トマトには抗酸化作用があるリコピンや皮膚や粘膜の健康を維持するβ-カロテン、腸内の健康を保つ食物繊維などが含まれています。適量であれば、わんちゃんにとっても良い栄養源となるでしょう。
わんちゃんが食べるトマトの適量は?
わんちゃんはトマトを食べられますが、量には気を付けなくてはいけません。わんちゃんが食べてもいいとされるトマトの量は、体重10kgのわんちゃんであれば、1日に1/2〜1個程度(20〜30g)を目安とすると良いでしょう。
ただし、トマトは水分量が多いため、食べ過ぎると下痢になってしまうことも。初めてあげる際は、少量から様子を見ることをおすすめします。
また、トマトはあくまでおやつとして少量を与えるのが基本です。主食の代わりにはならないので注意しましょう。
わんちゃんにトマトをあげる時の注意点
トマトはわんちゃんにとっても健康的な食材です。しかし、わんちゃんにトマトをあげる際はいくつかのポイントに注意しましょう。ここでは、わんちゃんにトマトをあげる時の注意点を解説します。
未熟な青いトマト・ヘタ・葉や茎はあげてはいけない
わんちゃんに青いトマトやヘタ、葉、茎は挙げられません。未熟なトマトやヘタ、葉、茎にはトマチンと呼ばれる有毒物質が含まれているためです。
トマチンには毒性があり、下痢や嘔吐、めまいやふらつき、痙攣、呼吸困難を引き起こす可能性があるため注意しましょう。完熟したトマトであれば、トマチンが含まれなくなるため食べられます。
皮や種は取り除いた方がいい場合もある
トマトの皮や種は消化しにくいため、取り除いた方がいい場合もあります。また、レクチンというタンパク質の一種が含まれているため、アレルギーがあるわんちゃんにとっては注意が必要です。
食べやすい大きさにカットしてあげる
わんちゃんにトマトをあげる時は、食べやすい大きさにカットしましょう。特にミニトマトはその大きさと形状から、喉に詰まりやすいため注意が必要です。
子犬や顎が小さなチワワなどにトマトをあげる時は、小さくカットしてあげるようにしましょう。また、完熟したトマトをミキサーにかけてあげるのもおすすめです。
過剰摂取に気をつける
トマトにはわんちゃんの体に良い栄養素が含まれていますが、過剰摂取には気をつけましょう。トマトにはカリウムが豊富に含まれており、過剰摂取によって血液中のカリウム濃度が上がる、「高カリウム血症」を引き起こす恐れがあります。
万が一罹患した場合、嘔吐や不整脈、頻脈、四肢の痺れ、筋力低下などの症状が出ることがあります。特に心臓病や腎臓病を患っているわんちゃんの場合、注意が必要です。
また、βカロテンの過剰摂取によってビタミンA中毒になり、肝臓に負担をかけてしまう可能性もあるので、肝機能が衰えているわんちゃん、肝臓病のわんちゃんは注意してください。
わんちゃんにあげる時の調理方法
わんちゃんにトマトをあげる時、どのように調理したらいいか分からないという方もいるでしょう。ここではわんちゃんにトマトをあげる時の調理方法を紹介します。愛犬にトマトをあげる時は、参考にしてみてください。
煮る
完熟トマトをほかの野菜やお肉と一緒に煮込んであげるのもおすすめです。
生のトマトよりビタミンCなどの栄養素は減少してしまいますが、トマトに含まれるリコピンは、煮ることで体内の吸収率が高くなるので、抗酸化作用によって免疫サポートが期待できます。
さらに、生よりも消化しやすいので少量であれば消化不良を起こしにくく、食べやすいというメリットがあります。
焼く・炒める
薄くカットした完熟トマトをオーブンやフライパンで焼いてあげるのもおすすめです。トマトを焼くとうまみ成分のグアニル酸が増加し、より美味しくなります。
また、生のままより糖度がアップするというメリットも。酸味が苦手なわんちゃんでも食べやすいでしょう。
加工品(トマトジュース・トマトピューレ)
トマトジュースやトマトピューレなどの加工品をあげる場合は、無塩のものを選びましょう。塩分や砂糖、香辛料、玉ねぎ、ニンニクが入っているものは、わんちゃんの健康に悪影響を与えてしまいます。
しかし、トマトのみを使用したものであれば、調理しやすいうえ、トマトの熟度を気にする必要もありません。
野菜をたっぷり使ったおすすめご飯【ピックアップ】
愛犬に野菜を食べてほしい時におすすめなのが、犬猫生活の「犬用 手作りごはん チキン・ポーク・フィッシュ」です。トマトやさつまいも、パプリカなどの野菜がふんだんに使用されていて、愛犬の食べっぷりも◎。
さらに鶏肉や豚肉、鱈などのタンパク質も使用していて、満足感も得られます。オールステージ用なので、パピーからシニアまで食べられるのもうれしいポイントです。
まとめ
本記事ではわんちゃんにトマトをあげる時の調理方法や注意点を解説しました。トマトにはリコピンやβ-カロテン、食物繊維など豊富な栄養素が含まれています。調理方法や部位に注意しながら、わんちゃんと一緒にトマトを食べてみましょう。
Written by
監修医:小島 麻里 先生
犬猫生活往診クリニック代表獣医師。2013年酪農学園大学を卒業後、地域密着型の1次病院から大学病院、歯科専門病院など11年間小動物臨床で経験を積み、ペット栄養管理士取得後、往診専門動物病院を開院。保護猫おもち・わらびと暮らす。