【獣医師監修】愛犬はあんこを食べても大丈夫?あげ方のポイントや適量、注意点も解説
2025.10.13
|
あんこは日本人にとっては親しみのある甘味。おはぎやまんじゅうなど、日常的に目にする機会も多く、「愛犬にもひとくち分けてあげたい」と思う方もいるかもしれません。
そこで本記事では、わんちゃんがあんこを食べてもよいかどうか、適量やあげ方のポイント、注意点などを詳しく解説します。
わんちゃんはあんこを食べても大丈夫?
結論から言えば、原材料が「小豆と砂糖だけ」で作られているあんこを少量であればOKです。しかし、あんこには大量の砂糖が使われており、習慣的な摂取は肥満や糖尿病などを引き起こす可能性があるため、あげる量には注意が必要です。
小豆そのものには、わんちゃんにとって有害な成分は含まれておらず、食物繊維やミネラルなど健康に役立つ栄養も含まれています。
なお、粒あんは消化しづらく下痢を招くことがあるため、ペーストや舌触りの良いものをあげるようにしましょう。
あんこに含まれる主な栄養素
あんこに使われる小豆には、わんちゃんの体にとってうれしい栄養が含まれています。
- ・食物繊維:腸内環境を整え、便通の改善に役立つ
- ・鉄分・カリウム・亜鉛などのミネラル:貧血予防や免疫力の維持をサポート
- ・ポリフェノール:抗酸化作用がある
- ・ビタミンB群:エネルギー代謝を助けてくれる
また、甘い香りや味がわんちゃんの食欲を刺激し、特に食欲不振や栄養が足りにくい状態のわんちゃんにとっては自然なカロリー源になるでしょう。
わんちゃんにあんこをあげるときのポイント
わんちゃんにあんこをあげるときは、以下のポイントを押さえましょう。
- ・ペースト状にする(粒あんではない)
- ・砂糖の少ないものを少量だけ
ペースト状にする
わんちゃんが消化しやすいように、「粒あん」ではなく、「こしあん」のような滑らかな状態であげるのがベストです。ペースト状のほうが喉に詰まりにくく、消化もスムーズ。また、少量をフードに混ぜたり、トッピングしたりする際も扱いやすくなりおすすめです。
砂糖の少ないものを選ぶ
市販のあんこの多くは、砂糖をたくさん使って甘く仕上げています。無糖や加糖量の少ないあんこを選ぶか、可能であれば手作りして砂糖の量を調整してあげるのがおすすめです。
わんちゃんが食べられるあんこの量
わんちゃんが食べられるあんこの量は、体格によってことなります。以下は目安となる1回分の適量です。
- ・小型犬:30~50g程度
- ・中型犬:50~100g程度
- ・大型犬:100g程度
なお、小さなわんちゃんには消化器官が未発達なため、基本的には避けた方が無難です。シニアのわんちゃんの場合も、胃腸の働きが低下している可能性があるため、ごく少量にとどめ、体調を見ながらあげるようにしてください。
わんちゃんにあんこをあげるときの注意点
わんちゃんにあんこをあげるときは、以下のポイントに注意しましょう。
- ・あんこ入りのお菓子はNG
- ・ダイエット中のわんちゃんにはあげない
- ・小豆アレルギーに気を付ける
あんこ入りのお菓子はNG
市販されている和菓子(どら焼き、大福、あんぱんなど)には、小麦、卵、バター、添加物、キシリトールなど、わんちゃんにとって危険な成分が含まれている場合があります。
「あんこならOK」と思わず、必ず原材料を確認しましょう。
ダイエット中のわんちゃんにはあげない
糖分の摂取は、体重増加の要因となります。ダイエット中や運動量の少ないシニアのわんちゃんにとって、あんこのカロリーはかなり高め。健康管理の面からも、ダイエット中のわんちゃんにはあげない方が無難です。
小豆アレルギーに気を付ける
わんちゃんの体質によっては下痢や嘔吐、皮膚の赤み・かゆみといったアレルギー症状が出る場合もあります。初めてあげるときはごく少量にとどめ、様子をしっかり観察してあげましょう。
まとめ
小豆と砂糖のみで作られた少量のあんこなら、わんちゃんも食べられる食材です。小豆の栄養には腸内環境の改善や抗酸化作用などのメリットもありますが、糖分も多く含まれるため、あげすぎには注意が必要です。わんちゃんの健康を第一に考えながら、食の楽しみを広げていきましょう!
Written by
監修医:小島 麻里 先生
犬猫生活往診クリニック代表獣医師。2013年酪農学園大学を卒業後、地域密着型の1次病院から大学病院、歯科専門病院など11年間小動物臨床で経験を積み、ペット栄養管理士取得後、往診専門動物病院を開院。保護猫おもち・わらびと暮らす。