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犬は生卵を食べても良い?あげ方と注意点を詳しく解説

2025.11.07

コラム

卵はタンパク質やビタミンが豊富で、わんちゃんにとっても健康的な食材ですが、「生卵をそのまま愛犬にあげても大丈夫?」と悩む方は少なくありません。実は、生卵は犬にとって消化や衛生面で注意すべきポイントが多く、あげ方を間違えると健康被害を引き起こす可能性があります。本記事では、生卵が犬に与える影響や注意点を徹底的に解説します。

わんちゃんに生卵をあげても大丈夫?

結論からいうと、基本的には生卵は食べさせない方が安全です。生卵にはまれにサルモネラ菌や大腸菌などが含まれていることがあります。わんちゃんがこれらの菌に感染すると、下痢や嘔吐、発熱、食欲不振などを引き起こすケースがあり、注意が必要です

また、生卵の卵白には「アビジン」という成分が含まれ、大量に摂取するとビオチンの吸収を妨げます。ビオチン不足は皮膚のかゆみや毛艶の低下、炎症などを引き起こす可能性があるので注意しましょう。

子犬やシニアのわんちゃんにあげても大丈夫?

子犬(1歳未満)や高齢犬は免疫力が低い傾向があります。免疫力が低いと感染症が重症化しやすいため、生卵は避けた方が無難です

もし子犬やシニアのわんちゃんに卵をあげる場合は、必ず加熱し、消化しやすいよう細かく刻んであげましょう。

持病のあるわんちゃんにあげても大丈夫?

胃腸が弱い犬や、慢性胃腸炎や膵炎などの持病があるわんちゃんは、生の卵白が消化しづらく、下痢や嘔吐の原因になります

特に膵炎の既往があるわんちゃんは卵黄の脂肪分にも注意が必要です。健康なわんちゃんでも、お腹を壊しやすい体質なら加熱した卵のみあげるのが安心です。

卵の栄養素

卵は「完全栄養食」と呼ばれるほどバランスが良く、わんちゃんにとっても優秀な食材です。筋肉や臓器の健康維持に欠かせないタンパク質や、免疫機能、骨の健康、皮膚や被毛のツヤをサポートするビタミン(A・D・E)などが豊富に含まれています

そのほか、代謝やエネルギー生成に欠かせないビタミンB群や鉄分が摂取できるのも魅力の1つ。ただし、栄養価が高い分、あげすぎはカロリー過多や栄養バランスの崩れにつながるので、あくまでトッピングとしてあげるのがおすすめです。

1日に食べてもいい適量は?

わんちゃんも加熱した卵であれば食べられます。卵は栄養価が高いため、あげすぎには注意が必要です。特に黄身は脂肪分が多いため、肥満の原因になることもあります

また、あげる頻度は週に2〜3回程度を目安に、愛犬の体格にあった量をあげるようにしましょう。

わんちゃんの体格 あげられる量
小型犬(体重〜5kg) 1/4〜1/2個
中型犬(体重10〜15kg) 1/2〜1個
大型犬(体重15kg以上) 1個

わんちゃんに卵をあげる時の注意点

わんちゃんに卵をあげる時は、いくつかのポイントに気をつけましょう。ここでは、わんちゃんに卵をあげる時の注意点を解説します。愛犬に卵をあげる前に、ぜひチェックしてみてください。

毎日あげるのは避ける

卵はわんちゃんの健康にとって良い食材ですが、毎日あげ続けると栄養の偏りが生じます。卵は特別なおやつやトッピングとして取り入れましょう

また、1日あたりの食べても良い量はわんちゃんの体格によって異なります。愛犬の体格にあった量をあげることも心がけましょう。

加熱したものをあげる

半熟卵や生卵はサルモネラ菌に感染するリスクがあるため、必ず完全に火を通すことが大切です。ゆで卵や炒り卵、蒸し卵などがおすすめです

また、卵白は卵黄よりもサルモネラ菌が多く存在するとされているので、しっかり加熱するようにしましょう。

塩分や調味料は入れない

わんちゃんに卵をあげる時は、塩分や調味料は入れず調理しましょう。塩分はわんちゃんの体に負担をかけてしまうため、高血圧や腎臓病のリスクが高まります

人間と一緒のメニューを楽しむ時は、取り分けなどをせず別に作り、味付けをせずにあげましょう。

最初は少量ずつあげる

わんちゃんの中には卵アレルギーを持つ子もいます。初めてあげる場合は耳かき1杯分程度から始め、数時間〜1日ほど様子を見て、下痢や嘔吐、皮膚のかゆみなどが出ないか観察しましょう

慣れてきたら量を増やし、愛犬の体調や体格に合わせた量をあげるようにするのがベストです。

まとめ

生卵は衛生面や消化面でリスクがあるため、基本的には避け、必ず加熱してあげるのが安全です。あげる量や頻度を守れば、卵はわんちゃんの健康を支える優秀な食材になります。安全な食べさせ方を知って、愛犬の食事にバリエーションを加えてあげましょう。


Written by
監修医:小島 麻里 先生

犬猫生活往診クリニック代表獣医師。2013年酪農学園大学を卒業後、地域密着型の1次病院から大学病院、歯科専門病院など11年間小動物臨床で経験を積み、ペット栄養管理士取得後、往診専門動物病院を開院。保護猫おもち・わらびと暮らす。

 

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