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愛犬にパイナップルをあげてもいい?適量や注意点を徹底解説

2025.07.03

コラム

パイナップルは甘酸っぱくてジューシーな果物。ビタミンや酵素を豊富に含み、健康にもよいとされています。しかし、「わんちゃんにもあげて大丈夫なの?」と心配になる方も多いはず。本記事では、パイナップルを愛犬にあげてもよいのか、注意点も踏まえて詳しく紹介します。

わんちゃんはパイナップルを食べても大丈夫

結論から言うと、パイナップルはわんちゃんにあげても大丈夫です。パイナップルにはわんちゃんにとって毒性のある成分を含まないため、おやつなどであげても問題ありません。

ただし、シロップ漬けや缶詰などの加工品は避けましょう。これらには糖分や添加物が多く含まれており、健康に悪影響を及ぼす原因となる可能性があります。新鮮な生のパイナップルを適切な量であげましょう。

生のパイナップルには水分がたっぷり含まれており、暑い季節の水分補給にもぴったり。疲労回復に効果的とされるクエン酸も含まれていて、上手に取り入れればわんちゃんにも嬉しい果物です。

パイナップルの酵素は問題ない?

パイナップルには、「ブロメライン」という天然の酵素が含まれています。ブロメラインにはタンパク質を分解する働きがあり、人間には「消化を助ける効果がある」とされています。

わんちゃんと人間とでは身体の構造は異なりますが、わんちゃんも少量であればブロメラインを摂取して問題ありません。むしろ適量を上手く摂取できれば、消化のサポートや腸内環境を整える効果も期待できます。ブロメライン自体には毒性はなく、過剰に摂らなければ心配ありません。

わんちゃんが食べられるパイナップルの適量

パイナップルをあげる量は、わんちゃんの体重に応じて調整するのがポイント。例えば、体重5kg程度の小型犬であれば、1日1〜2口程度が目安です。

【体系別の目安】
小型犬:10~20g程度
中型犬:20~40g程度
大型犬:40~60g程度

生のパイナップルをあげる場合は、芯や皮を取り除き、細かく切るようにしましょう。食べすぎると胃腸を刺激して、下痢や嘔吐の原因になることがあるため注意が必要です。

また、パイナップルは果物中でもクエン酸を多く含んでいて酸味が強いため、胃の弱いわんちゃんや空腹時は避けるようにしましょう。

わんちゃんにパイナップルをあげる時の注意点

パイナップルはわんちゃんが食べても問題ないですが、いくつかのポイントに注意しましょう。ここでは、わんちゃんにパイナップルをあげるときの注意点を解説します。

  • 糖分の摂りすぎに注意
  • アレルギーに注意
  • 愛犬の体格にあわせて細かく切ってあげる
  • 芯や皮は取り除く

 

糖分の摂りすぎに注意

パイナップルに含まれているのは自然な果糖ですが、果物の中では糖度が高めです。食べすぎると太りやすくなってしまい、血糖値の上昇にもつながります。特に糖尿病のわんちゃんには注意が必要なため、不安な場合は動物病院に相談してみましょう。

アレルギーに注意

パイナップルはアレルギーを引き起こす可能性もゼロではありません。初めて食べる場合は少量の一口から始め、様子を見ましょう。嘔吐・下痢・かゆみ・発疹などが見られた場合は、すぐに与えるのをやめて動物病院へ相談してください。

芯や皮は取り除く

パイナップルの芯は硬く、わんちゃんの喉や腸に詰まってしまうおそれがあります。皮も消化できないうえ、農薬や防腐剤が残っている可能性があるため、芯と皮を完全に取り除いた状態であげましょう。

パイナップルを使ったおすすめのお菓子

少し手を加えて、お菓子として楽しめるパイナップルのレシピもあります。以下に、わんちゃん向けのパイナップルを使ったおすすめのお菓子をまとめました。

お菓子 特徴・作り方
パイナップルクッキー 小麦粉にEXVオリーブオイル、すりおろしたパイナップルを混ぜて焼くだけ。
ドライパイナップル スライスしたパイナップルをオーブンやフードドライヤーでじっくり乾燥させる。噛む力が強い子におすすめ。
パイナップルアイス 無糖ヨーグルトと刻んだパイナップルを混ぜて、製氷皿で冷凍する。

食糞対策にパイナップルが効果的?

「食糞防止にパイナップルが効く」という情報を見かけたことのある方もいるかもしれません。パイナップルを食べさせることで便の味が変わり、食糞を防げるという説です。

これは「完全な間違い」であるとは言い切れませんが、“おまじない程度”の効果であると考えた方が無難です。たしかにパイナップルに含まれる消化酵素「ブロメライン」によって消化しやすくなり、食糞しなくなる可能性はありますが、食糞対策は食事だけでは防げないことも多いため、原因に合わせて複数の対策を組み合わせましょう。

食糞防止として、以下のような対策があります。

  • 排泄後はすぐに片付ける
  • 成功体験の強化(トイレの後に遊ぶ・褒める)
  • 散歩やおもちゃでストレスを解消
  • 食事の栄養バランスを見直す

 

まとめ

パイナップルは適量を守れば、わんちゃんにとっても嬉しい果物です。消化酵素やビタミン、水分などを含んでいるため、夏場の水分補給やおやつにもぴったり。ただし、アレルギーや胃腸への刺激には十分に注意しましょう。加工されたパイナップル製品をあげることは避けるようにして、新鮮な生のパイナップルを細かく切って、少量ずつあげてみてください。愛犬と一緒に、季節のフルーツを楽しみましょう!


Written by
監修医:小島 麻里 先生

犬猫生活往診クリニック代表獣医師。2013年酪農学園大学を卒業後、地域密着型の1次病院から大学病院、歯科専門病院など11年間小動物臨床で経験を積み、ペット栄養管理士取得後、往診専門動物病院を開院。保護猫おもち・わらびと暮らす。

 

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