愛犬が小松菜を食べても大丈夫?適量やメリットや注意点を詳しく解説
2025.09.10
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小松菜は、ビタミンやミネラルが豊富な緑黄色野菜。栄養バランスもよいため、「愛犬にも食べさせていいの?」と気になっている方も多いことでしょう。
この記事では、小松菜を愛犬にあげても良いのか、小松菜に含まれる栄養素やメリット、注意点までわかりやすく解説します。
わんちゃんは小松菜を食べても大丈夫?
小松菜は、加熱したものであればわんちゃんが食べても問題ない野菜です。カルシウムやビタミン、鉄分など栄養が豊富なうえ、加熱することで葉も茎も柔らかくなり、比較的消化しやすくなります。
ただし、生のままあげるのは避けましょう。生の小松菜には消化に負担をかける繊維や、微量ながら甲状腺に影響を与える成分も含まれています。加熱してから、細かく刻んであげるようにしましょう。
小松菜に含まれる栄養素
小松菜はカロリーが低く水分が豊富なため、ダイエット中のわんちゃんにもあげやすいのがうれしいポイント。さらに、小松菜にはわんちゃんの健康をサポートしてくれる栄養素がたっぷり含まれています。
- ・β-カロテン:抗酸化作用が皮膚や目の健康維持に役立つ
- ・ビタミンK:骨の形成を助けてくれる
- ・ビタミンB群:代謝をよくすることで疲労回復や皮膚の健康をサポート
- ・ビタミンC:免疫機能の向上につながる
- ・カルシウム:骨や歯の健康維持につながる
- ・鉄分:貧血予防につながる
- ・食物繊維:腸内環境の改善や便秘予防をサポート
愛犬に小松菜をあげるメリット
愛犬に小松菜をあげるメリットは以下の通りです。
- ・病気予防につながる
- ・貧血の予防につながる
- ・腸内環境の改善につながる
病気予防につながる
小松菜に含まれるβ-カロテンやビタミンCには抗酸化作用があり、老化やさまざまな病気の原因となる「活性酸素」を抑えてくれる働きがあります。
特にシニア期に入ったわんちゃんや体調を崩しやすい子には、日常で手軽に取り入れられる食材としておすすめです。
貧血の予防につながる
小松菜には赤血球の生成を助けてくれる鉄分やビタミンB群がバランスよく含まれているため、貧血の予防にもつながります。
特に鉄分というと肉類のイメージが強いかもしれません。しかし、小松菜には植物性ながら多くの鉄が含まれており、補助的に取り入れることで血液の健康を支える効果が期待できます。
腸内環境の改善につながる
小松菜に含まれる食物繊維には、腸の働きを活発にして便通をスムーズにする効果があります。特に小松菜は水溶性・不溶性のバランスが良いこともうれしいポイント。
便秘がちだったり、お腹の調子が不安定だったりするわんちゃんには、少量ずつ継続的にあげてみると良いでしょう。
愛犬に小松菜をあげるときの調理方法
愛犬に小松菜をあげるときは、以下の点に注意しましょう。
- ・茹でてからあげる
- ・食べやすく刻んであげる
- ・人間と同じ部位をあげる
茹でてからあげる
生の小松菜は消化に負担をかけてしまうため、必ず茹でてからあげるようにしましょう。加熱することで葉も茎も柔らかくなり、栄養素の吸収率も高まります。
食べやすく刻んであげる
小松菜をあげるときは、わんちゃんが食べやすいように細かく刻んであげるようにしましょう。特に小型犬やシニアのわんちゃんは、葉が大きすぎたり茎が硬すぎたりすると喉に詰まらせてしまうことがあります。
柔らかい状態になるまで加熱して、食べやすく刻んだ状態であげるようにしましょう。
人間と同じ部位をあげる
小松菜をわんちゃんにあげるときは、人間が食べるときと同じように葉や茎の部分を茹でてあげればOKです。ただし、調味料や油は使わないようにして、シンプルに茹でた状態のものだけにしましょう。
わんちゃんにあげる小松菜の適量は?
小松菜は栄養が豊富な食材ですが、食べ過ぎると下痢やお腹の張りを引き起こすこともあります。適量を守り、あくまで主食の補助として少量をトッピングする程度にとどめましょう。
以下は、茹でた小松菜の1日あたりの目安量です。
- ・超小型犬:小さじ1杯程度
- ・小型犬:大さじ1/2杯程度
- ・中型犬:大さじ1杯程度
- ・大型犬:大さじ2杯程度
小松菜をあげる注意が時に注意すべきことは?
栄養価の高い小松菜ですが、わんちゃんの体質や健康状態によっては注意が必要なケースもあります。ここでは特に気をつけたい点を解説します。
- ・アレルギー反応
- ・甲状腺機能が低下している場合は注意が必要
- ・尿石症の既往歴がある子や治療中の場合は注意が必要
アレルギー反応
小松菜は比較的アレルギーのリスクが低い野菜です。しかし、少量ながらタンパク質が含まれているため、体質によっては皮膚のかゆみ・下痢・嘔吐などの症状が現れる可能性もゼロではありません。
アレルギー体質の子は注意しましょう。初めて小松菜をあげる場合は、少量からスタートして様子を見るようにしましょう。
甲状腺機能が低下している場合は注意が必要
小松菜はアブラナ科の野菜であり、ゴイトロゲン(グルコシノレート)という成分を含んでいます。ゴイトロゲンは甲状腺ホルモンの分泌を抑制する働きがあるため、甲状腺機能が低下しているわんちゃんには不向きです。
持病がある場合は、かかりつけの獣医師に相談したうえであげるようにしてみてください。
尿石症の既往歴がある子や治療中の場合は注意が必要
小松菜にはカルシウムとシュウ酸が多く含まれており、両者が結びつくとシュウ酸カルシウム結石形成のリスクを高めます。尿石症の既往歴がある子や治療中の場合は、トッピング程度のごく少量に留め、食べすぎに注意しましょう。
見た目が似ている野菜との違いは?
小松菜と似た見た目の葉物野菜はいくつかあります。ここでは、よく混同されやすいチンゲン菜・ほうれん草との違いをまとめました。
チンゲン菜
チンゲン菜も小松菜と同様、わんちゃんにとって危険性のない食材です。危険な成分は含まれておらず、加熱すれば食べても問題ありません。
クセが少なく葉が柔らかいため、食べやすい野菜です。
ほうれん草
ほうれん草は小松菜よりもシュウ酸の含有量が多いため、尿路結石のリスクがあるわんちゃんにはより注意が必要です。
あげるときは茹でることでしっかりアク抜きをしてから、過剰摂取に気をつけましょう。
まとめ
小松菜は、加熱すればわんちゃんも気軽に食べられる栄養価の高い野菜です。カルシウムやビタミン、鉄分などをバランスよく摂取できるので、骨の健康や免疫力のサポート、腸内環境の改善などが期待できます。ただし、食べすぎてしまったり、生のまま摂取したりすることは避けましょう。本記事で紹介したポイントを参考に、小松菜をいつものごはんにプラスして、上手に活用してみてください。
Written by
監修医:小島 麻里 先生
犬猫生活往診クリニック代表獣医師。2013年酪農学園大学を卒業後、地域密着型の1次病院から大学病院、歯科専門病院など11年間小動物臨床で経験を積み、ペット栄養管理士取得後、往診専門動物病院を開院。保護猫おもち・わらびと暮らす。