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犬はグレープフルーツを食べても大丈夫?食べてしまったときの対処と注意点

2025.09.04

コラム

グレープフルーツは爽やかな香りと酸味が特徴の果物です。人にとってはヘルシーな食材として親しまれていますが、わんちゃんの体には刺激が強く、注意が必要な成分が含まれています。場合によっては、体調を崩す原因になるため注意が必要です。

本記事では、愛犬がグレープフルーツを食べてもいいのかどうか、誤って食べた場合の対処法、あげるときの注意点について詳しく解説。食べても大丈夫か気になった方は、ぜひ参考にしてください。

グレープフルーツは愛犬が食べても大丈夫?

グレープフルーツは爽やかな香りと酸味が特徴ですが、愛犬にとっては注意が必要な果物です。体質や状態によっては思わぬ体調不良を引き起こすこともあります。

ここでは、あげてはいけない理由や含まれている成分の影響について紹介。判断に迷ったときの参考としてご活用ください。

愛犬にグレープフルーツをあげてはいけない理由

グレープフルーツには、わんちゃんの体に刺激を与える成分が含まれています。とくに「ソラレン」「リモネン」「フラノクマリン」は注意すべき成分です。体質や状態が合わないと、嘔吐や下痢、食欲不振などの症状がみられることがあります。

このような症状は、主に果皮や白い筋、種の部分を食べたときにおこります。少量であっても、体調を大きく壊す恐れのある危険な食べ物です。

少量のグレープフルーツであれば

グレープフルーツは基本的にはあげない方がよい果物ですが、果肉の一部をほんの少量であれば食べられる場合があります

ただし、これは健康状態に問題のないわんちゃんに限られ、皮や白い筋、種を完全に取り除いた果肉部分のみが対象です。

健康なわんちゃんであってもリスクがまったくないわけではなく、体質やタイミングによっては体調を崩す可能性もあります。

そもそも、良質なドッグフードをしっかり食べているわんちゃんなら、グレープフルーツで栄養を補う必要はありません。それでも試してみたいという場合は、体調の変化が出ないかをよく観察しながら、少量から始めましょう。

愛犬がグレープフルーツを食べてしまったときの対処法

わんちゃんがグレープフルーツを食べてしまったときは、まず落ち着いて状況を確認することが大切です。ここでは、具体的な症状の紹介や、受診が必要なタイミングについて解説します。

グレープフルーツを食べたあとに現れる主な症状

愛犬がグレープフルーツを食べてしまったあと、次のような症状が現れる可能性があります。

  • ・嘔吐や下痢
  • ・落ち着きがなくなる
  • ・よだれを垂らす
  • ・皮膚が赤くなる・かゆがる
  • ・ふらつきや震えが見られる

 

これらは、グレープフルーツに含まれるソラレンや精油成分によって引き起こされることがあります。症状がすぐに出ることもあれば、時間が経ってから現れるケースもあり、食べたあとは、最低でも24時間は注意深く観察することが大切です

少しでも異変を感じたら、早めに動物病院へ相談しましょう。

動物病院に相談すべきケース

動物病院に相談すべきケースは以下の通りです。

  • ・皮ごと食べた
  • ・持病がある・薬を飲んでいる・療養食を食べている
  • ・嘔吐や下痢を繰り返している
  • ・苦しそうな様子がある(呼吸が荒い、落ち着きがないなど)
  • ・子犬やシニア犬が食べた

 

量にかかわらず、愛犬が苦しそうにしている場合は、迷わず動物病院を受診してください。また、持病がある子や特別な食事管理が必要な子、薬を飲んでいる子も同様です。

発達が未熟な子犬や体力が落ちやすいシニア犬は、少量でも影響を受けやすいため、慎重な対応が求められます。

グレープフルーツの適量とあげ方

グレープフルーツは、柑橘類の中でも香りが強く、果汁や酸味が豊富な果物です。食物繊維やビタミンCを含んでいますが、わんちゃんにとっては刺激が強く、消化に負担がかかる場合があります。

そのため、愛犬に食べさせる場合は、1日の摂取カロリーの10%以内を目安としましょう。

あげ始めは少量から試し、数日間は体調に変化がないかをよく観察してください。あげる際は、必ず皮や白い筋、種を除去し、果実のみをあげるようにしましょう。

投薬中の愛犬は注意

グレープフルーツに含まれる「フラノクマリン」という成分には、薬の代謝に影響を及ぼす可能性があります

薬を分解する酵素の働きを妨げるとされ、薬の作用が必要以上に強く出てしまうおそれがあり、肝臓や心臓に疾患がある人では摂取が禁忌とされることもある果物です。

これは人間で確認されている作用ですが、わんちゃんにも同様のリスクがあるとされています。投薬中や療養食を必要とする愛犬には、念のためグレープフルーツを避けるのが賢明です。

まとめ

グレープフルーツは、わんちゃんにとって注意が必要な果物です。果肉をほんの少量であれば食べても問題が起こらないこともありますが、薬との相性や中毒成分の影響を考えると、あえてあげる必要はありません。

万が一食べてしまったときは、まずは冷静に様子を観察し、異変があれば早めに動物病院へ相談しましょう。


Written by
監修医:小島 麻里 先生

犬猫生活往診クリニック代表獣医師。2013年酪農学園大学を卒業後、地域密着型の1次病院から大学病院、歯科専門病院など11年間小動物臨床で経験を積み、ペット栄養管理士取得後、往診専門動物病院を開院。保護猫おもち・わらびと暮らす。

 

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