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愛犬は生姜を食べても大丈夫?注意点や栄養素、あげるときのポイントも解説

2025.09.20

コラム

生姜は私たちの食卓で薬味や健康食材として使われることの多い植物ですが、「愛犬に生姜をあげてもいいの?」と迷ったことのある方もいるでしょう。そこで本記事では、愛犬に生姜を与えても大丈夫か、どんなメリットや注意点があるのか詳しく解説します。

わんちゃんは適量なら生姜を食べて大丈夫

生姜は、適量であればわんちゃんが食べても問題ない食材です。わんちゃんはネギ科の食材(玉ねぎやニラ、ニンニクなど)は中毒の危険があるため食べられません。生姜も似たようなイメージがあるかもしれませんが、生姜はショウガ科の植物であり、別物です。中毒を起こす心配はありません。

実際に、ドッグフードやサプリメントに生姜を使用している商品もあります。とはいえ、人間と同様に薬味やスパイスとして少量を活用するのが基本で、あげ過ぎには注意が必要です。

生姜の栄養素

生姜は多くが水分で構成されており、全体の9割以上が水分です。そのためカロリーがとても低く、肥満の心配なく使えるのが魅力です。

生姜に含まれるジンゲロールやショウガオール、ジンゲロンなどの成分が、わんちゃんの健康維持に役立つとされています。

わんちゃんが生姜を食べるメリット

生姜を適量取り入れることで、愛犬の健康維持にプラスの作用が期待できます。ここでは具体的なメリットをまとめました。

  • ・抗菌・殺菌・抗炎症作用
  • ・血行促進・体を温める
  • ・免疫力アップ
  • ・脂肪燃焼・老廃物排出
  • ・抗酸化・アンチエイジング
  • ・食欲増進・疲労回復

 

抗菌・殺菌・抗炎症作用

生姜にはジンゲオールやショウガオールといった成分が含まれており、細菌の繁殖を抑える抗菌作用や、体内の炎症を和らげてくれる抗炎症作用があります。口腔内や消化器官の健康維持をサポートしてくれるのがメリットです。

血行促進・体を温める

生姜の辛味成分は体を内側から温めて、血流を良くしてくれる働きがあります。特に寒い季節や冷え性気味のわんちゃん、シニアのわんちゃんの冷え対策におすすめ。体を温めることで筋肉の緊張を和らげ、リラックスを促す効果も期待できます。

免疫力アップ

生姜に含まれる成分の抗酸化作用や殺菌作用がわんちゃんの体を外敵から守り、免疫機能の維持をサポートします。風邪をひきやすい時期や、体調を崩しがちな時期にほんの少量を取り入れるのもよいでしょう。

脂肪燃焼・老廃物排出

生姜は新陳代謝を促す働きがあり、体内の余分な脂肪の分解や老廃物の排出を助けると考えられています。肥満気味のわんちゃんや、ダイエット中の食事の香り付けなどにもおすすめです。

抗酸化・アンチエイジング

生姜に含まれるポリフェノールやビタミン類には、活性酸素を除去する抗酸化作用があるのが特徴。細胞の老化を防ぎ、わんちゃんの健康維持や若々しさをサポートする効果も期待されています。

食欲増進・疲労回復

生姜の香りや辛味は、わんちゃんの嗅覚を刺激して、食欲を促す働きがあります。特に食欲が落ちているときや、暑さや疲れで元気がないときに、ドッグフードの香り付けとして少し加えるのもおすすめです。

わんちゃんにあげる生姜の適量

生姜はあくまで薬味やトッピングのような位置付けで少量だけ使うのが基本です。多くあげる必要はなく、過剰摂取は体に負担をかけてしまうことがあります。

目安として、小型犬なら小さじ1/4程度、大型犬でも小さじ1/2程度までに抑えましょう。初めてあげる場合は、これよりさらに少ない量で様子を見るようにしてみてください。

愛犬に生姜をあげるときのポイント

わんちゃんに生姜をあげるときのポイントは以下の通りです。

  • ・よく洗ってから使う
  • ・加熱した方が食べやすい
  • ・すりおろすか細かく刻む(又はは絞り汁を使用)

 

よく洗ってから使う

生姜を使うときは、皮ごとすりおろしても問題ありません。ただし、農薬や土汚れを落とすために流水でしっかり洗うことが大切です。無農薬のものを選ぶのもよいでしょう。

加熱した方が食べやすい

生姜は生のままでも食べられますが、辛味が強くわんちゃんによっては刺激が強いこともあります。嫌がることもあるので、できれば加熱するとよいでしょう。加熱や乾燥させると辛味成分が変化し、マイルドな味わいになります。

細かく刻む

大きなかけらのままでは食べづらく、喉に詰まるリスクもあります。ペースト状にすりおろしたり、絞り汁を利用したり、食べやすい状態にしてからあげるようにしましょう。

生姜をあげる時に注意すべきことは?

生姜をあげる時は、以下のポイントに注意しましょう。

  • ・アレルギー反応に気をつける
  • ・過剰摂取に気をつける
  • ・加工品をあげるのは避ける

 

アレルギー反応に気をつける

生姜はアレルギーを起こしにくい食材ですが、個体差によって皮膚のかゆみや赤み、下痢、嘔吐といった症状が現れることがあります。

初めてあげるときは少量からスタートしてみて、食後や翌日の体調をよく観察しましょう。

過剰摂取に気をつける

生姜を大量に摂取すると、わんちゃんの胃腸が刺激されてしまいます。下痢や胃痛を引き起こす原因となるため、薬味程度の量に留めましょう。

また、生姜は毎日食べる必要もないため、時々トッピングに取り入れる程度で十分です。

加工品をあげるのは避ける

ガリや甘酢漬け、シロップ漬け、生姜パウダーなどの加工品をあげるのは避けましょう。塩分、糖分、酢、保存料が含まれるため、わんちゃんには不向きです。

まとめ

生姜は少量であれば、愛犬の健康維持に役立つ便利な食材です。ただし、あくまで薬味やトッピング程度の量にとどめ、過剰摂取や加工品は避けるようにしましょう。初めて食べるときは少しずつ様子を見ながら、愛犬の体調や好みに合わせて活用してみてください。


Written by
監修医:小島 麻里 先生

犬猫生活往診クリニック代表獣医師。2013年酪農学園大学を卒業後、地域密着型の1次病院から大学病院、歯科専門病院など11年間小動物臨床で経験を積み、ペット栄養管理士取得後、往診専門動物病院を開院。保護猫おもち・わらびと暮らす。

 

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