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【獣医師監修】愛犬はちくわを食べても大丈夫!塩分やアレルギーなど注意点も解説

2025.10.14

コラム

「わんちゃんがテーブルの上のちくわをじっと見ているけど、あげても大丈夫?」そんな風に感じたことはありませんか?ちくわは魚のすり身でできた加工食品で、身近な食材のひとつ。タンパク質などの栄養も含まれており、一見体によさそうですが、塩分や添加物のことを考えると迷ってしまうかもしれません。

この記事では、わんちゃんにちくわをあげてもよいのか、あげる場合の注意点や適量、他の魚肉加工食品との違いまで、わかりやすく解説します。

わんちゃんはちくわを食べても大丈夫!

ちくわは少量であれば、わんちゃんが食べても大丈夫な食材のひとつ。主な原料である魚のすり身には、タンパク質が豊富に含まれているのも魅力です。

ただし、ちくわには塩分がやや多く含まれている点に注意が必要です。また、人間用のちくわの場合、保存料などの添加物も含まれていることが多いため、主食や毎日の習慣にするのは避けましょう。おやつとしてごく少量あげたり、いつものごはんに細かく刻んでトッピングしたりするなど、「ちょっとしたご褒美」として活用するのがおすすめです。

ちくわに含まれる栄養素

ちくわは魚のすり身を練って焼いた加工食品なので、良質なたんぱく質が摂れる点がメリットです。また、原材料に含まれる魚由来の多価不飽和脂肪酸(DHA・EPAなど)には、脳や神経の健康を保つ働きがあるとされています。

さらに、鉄分やナトリウムなどのミネラルも微量ながら含まれており、エネルギー補給にもつながります。

わんちゃんにちくわはどうやってあげたら良い?

ちくわをわんちゃんにあげるときは、わんちゃんの体格に合わせて小さくカットしてからあげるのがポイント。また、そのままあげるのではなく、一度お湯でさっと茹でてからあげるのがおすすめ。

飲み込み癖があるわんちゃんや、噛むのが苦手な子は、さらに細かく刻んだり、すりつぶしてトッピングにしてあげるのも良いでしょう。

わんちゃんにあげるちくわの量はどれくらい?

ちくわはあくまでも“おやつ”や“補助的な食材”として考えるのがおすすめ。適量のおおよその目安としては以下の通りです。

  • ・小型犬(2~5kg):1/2本まで
  • ・中型犬(6~15kg):1本まで
  • ・大型犬(20kg以上):1~2本まで

 

また、ちくわだけでなく、その日の食事内容全体を見て調整するようにしましょう。ダイエット中の子や腎臓に負担をかけたくないシニアのわんちゃんの場合は、さらに少なめにした方が無難です。

わんちゃんにちくわをあげる時の注意点

わんちゃんにちくわをあげるときは、以下のポイントに注意しましょう。

  • ・食べ過ぎに注意
  • ・アレルギーに気を付ける
  • ・湯通しをして刻んであげる

 

食べ過ぎに注意

ちくわをあげる時にもっとも注意したいのは「食べ過ぎ」です。ちくわは人間用に味付けされているため、わんちゃんにとっては塩分が高くなりがちです。塩分のとりすぎは高血圧や腎臓への負担につながる恐れがあるため、たとえ喜んで食べたとしてもあげすぎないようにしましょう。

アレルギーに気を付ける

ちくわを食べることで、まれにアレルギー反応を引き起こしてしまう子もいます。初めてあげる場合はごく少量からスタートして、 体調や便の様子をしっかり観察するようにしましょう。

湯通しをして刻んであげる

わんちゃんにちくわをあげる際には、「湯通し(塩抜き)」が必要です。ちくわは塩分や添加物が多く含まれているため、湯通しすることで塩分をある程度減らすことができます。ただし、すべての塩分を取り除くことはできないため、与える量には注意が必要です。
さらに、わんちゃんが喉に詰まらせないよう、細かく刻んであげましょう。

湯通し(塩抜き)の方法:

  1. 1.ちくわを細かくカットする(小さく切ることで塩分が抜けやすくなります)
  2. 2.沸騰したお湯に入れて1~2分茹でる。
  3. 3.ザルに移して水で洗い流す。

 

小さな子やシニアのわんちゃんはちくわを食べられる?

小さな子やシニアのわんちゃんも、少量であればちくわを食べることは可能です。ただし、消化機能が未熟だったり弱くなっていたりする場合もあるため、成犬よりもさらに控えめな量にするのがおすすめです。

また、のどに詰まらせるリスクを減らすために、できるだけ細かく刻むか、すりつぶしてあげるようにしましょう。

わんちゃんはちくわ以外の魚肉加工食品は食べられる?

ちくわ以外の魚肉加工食品についても、基本的には“人間向け”に作られた食品であるため、わんちゃんにあげる際は慎重に判断する必要があります。

たとえば、「かまぼこ」や「魚肉ソーセージ」も原材料は魚のすり身ですが、こちらも塩分や添加物、香料などが多く含まれているものが大半です。

「カニカマ」も同様で、カニの味や色を再現するための調味料や着色料が多く使われています。とくにカニカマには糖分が含まれている商品もあるため注意が必要です。

どうしてもあげたい場合は、原材料をよく見て選び、ごく少量だけにとどめるようにしましょう。

まとめ

ちくわはわんちゃんも食べられる食材のひとつです。ただし、塩分や添加物も含まれているため、過剰摂取には注意が必要です。基本的には、お湯で塩抜きしたうえで小さくカットして、ご褒美やトッピングの一部として使う程度にしておきましょう。


Written by
監修医:小島 麻里 先生

犬猫生活往診クリニック代表獣医師。2013年酪農学園大学を卒業後、地域密着型の1次病院から大学病院、歯科専門病院など11年間小動物臨床で経験を積み、ペット栄養管理士取得後、往診専門動物病院を開院。保護猫おもち・わらびと暮らす。

 

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