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犬は鰹節を食べても大丈夫!食べたときのメリットや注意点を解説

2025.10.08

コラム

鰹節(かつおぶし)の香りに反応して、わんちゃんが食べたがることがあります。「人間用だけど食べて大丈夫?」と迷う方も多いでしょう。

本記事は、愛犬に鰹節をあげるメリットや注意点を解説します。選び方やあげ方のポイントも紹介しているので、ぜひ参考にしてください。

愛犬は鰹節を食べても大丈夫

愛犬に鰹節をあげるのは、基本的に問題ありません。高たんぱくで低脂肪なため、わんちゃんのおやつにぴったりの食材です。

成犬はもちろん、健康な子犬やシニア犬にも使えるため、ドッグフードのトッピングとしても注目されています。

ただし、人間用に作られた鰹節には、塩分や保存料などの添加物を含む可能性があるため注意が必要です。愛犬に有害な成分が含まれていないか、しっかり確認してからあげましょう。

鰹節に含まれる主な栄養素

鰹節に含まれる主な栄養素は、たんぱく質、ミネラル、EPA・DHAの3つ。いずれも、わんちゃんの健康を支えるうえで欠かせない成分です

それぞれの栄養素が持つ働きや、どのような効果が期待できるかを詳しく見ていきましょう。

たんぱく質|筋肉や皮膚の健康に役立つ

鰹節の約8割はたんぱく質で構成されており、筋肉や皮膚、被毛の健康を保つために役立ちます。とくに活動量の多いわんちゃんや成長期の子犬には、体づくりのためにしっかり摂っておきたい栄養素です。

ミネラル|体の機能を支える重要な栄養素

鰹節には、ナトリウム・カリウム・リンなどのミネラルが含まれています。ナトリウムは体液バランスの調整に、カリウムは余分な塩分の排出に、リンは骨や歯の形成やエネルギー代謝に関わるなど、体のさまざまな機能を支える栄養素です。

EPA・DHA|血液の流れを整え脳や神経の健康をサポート

EPA(エイコサペンタエン酸)やDHA(ドコサヘキサエン酸)は、鰹節に含まれるオメガ3脂肪酸の一種で、体内では合成できない「必須脂肪酸」です。血液をサラサラに保ち、動脈硬化や高脂血症の予防に役立つとされています。

また、DHAは脳や神経の働きを支えることで知られる成分です。記憶力や学習機能の維持にも期待できます。

鰹節を愛犬にあげるメリットとデメリット

鰹節は香りが強く、わんちゃんの食欲を引き出しやすい食材として知られています。一方で、塩分や添加物など、気をつけたい点もあるのが実情です。

ここでは、鰹節を愛犬にあげるメリットと、注意しておきたいデメリットの両面を見ていきましょう。

メリット|嗜好性が高く栄養補助にもなる

鰹節は香りが強く、嗅覚の鋭いわんちゃんにとって魅力的な食材です。フードの食いつきが悪いときでも、トッピングとして少量加えることで食欲を引き出す効果が期待できます

また、たんぱく質が豊富でカロリーは控えめなため、栄養補助として取り入れやすく、ダイエット中のわんちゃんにもおすすめ。食欲が落ちやすいシニア犬にも、無理なく取り入れられる点が特徴です。

デメリット|塩分や添加物によるリスク

市販の鰹節の中には、保存性や風味を高める目的で塩分や添加物が加えられている製品もあります。これらを過剰に摂取すると、腎臓や心臓に負担をかける可能性があるため注意が必要です。

また、香りの強さから鰹節に強く反応する子もおり、「鰹節がないと食べない」といった偏食につながるケースもあります。あくまで補助的に、少量を心がけることが大切です。

鰹節の選び方とあげ方のポイント

鰹節をあげるときは、基本的にわんちゃん用を選ぶようにしましょう。人間用の鰹節には調味料や保存料、塩分が加えられているため、おすすめできません。

最近では、犬用として開発された鰹節のふりかけタイプも人気です。粉末状で使いやすく、ドライフードにかけるだけで香りが立ち、食欲のサポートにもつながります。手軽に活用できるため、初めて鰹節を取り入れる方にもおすすめです。

また、水分摂取が少ないわんちゃんには、鰹節でとっただし汁をぬるま湯で薄めて使う方法も効果的です。だしをとったあとの「だしがら」は塩分が抜けているため、わんちゃんのおやつにぴったり。香りも残っていて、食欲を促すサポートとしても活用できます。

腎臓や肝臓に疾患のあるわんちゃんは要注意

鰹節はわんちゃんの食事に取り入れやすい食材ですが、すべての子に適しているとは限りません。とくに、腎臓や肝臓に持病のあるわんちゃんには注意が必要です。

鰹節に多く含まれるたんぱく質やリンなどのミネラルは、これらの臓器に負担をかける可能性があります。

疾患のある子にとっては、わずかな摂取でも症状を悪化させるきっかけになることもあるため、あげる前に獣医師へ相談しておきましょう。

愛犬が鰹節を食べ過ぎたときに起きるリスク

鰹節を過剰に摂取すると、下痢や嘔吐、皮膚のかゆみといった症状が出ることがあります。体質によってはアレルギー反応を示す場合もあるため、初めてあげるときは少量から様子を見ましょう。

また、カリウムの摂りすぎによる高カリウム血症や、リンの過剰摂取による尿路結石、塩分による心臓への負担など、内臓系のトラブルも懸念されます

どれも鰹節を日常的にたくさんあげた場合に起きやすい症状です。愛犬に鰹節をあげるときは、少量にとどめることが大切です。

まとめ

鰹節は、わんちゃんが食べても基本的に問題のない食材です。香りが強く栄養も豊富なため、少量をときどき取り入れることで、食事のサポートにも役立ちます。

ただし、塩分やミネラルの摂りすぎに注意が必要です。無添加・減塩の製品を選び、持病がある場合は獣医師に相談したうえで取り入れましょう。


Written by
監修医:小島 麻里 先生

犬猫生活往診クリニック代表獣医師。2013年酪農学園大学を卒業後、地域密着型の1次病院から大学病院、歯科専門病院など11年間小動物臨床で経験を積み、ペット栄養管理士取得後、往診専門動物病院を開院。保護猫おもち・わらびと暮らす。

 

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