お知らせ一覧コラム【獣医師監修】愛犬に牛肉をあげても大丈夫?栄養やおすすめ部位、注意点をわかりやすく解説!

【獣医師監修】愛犬に牛肉をあげても大丈夫?栄養やおすすめ部位、注意点をわかりやすく解説!

2025.10.16

コラム

牛肉は栄養価が高く、たんぱく質も豊富に含まれているため、わんちゃんの手作りごはんなどで使われることもあります。しかし「実際にあげても問題ないの?」「どの部位がよいの?」と疑問に思っている方も多いことでしょう。この記事では、わんちゃんに牛肉をあげる際のメリットや注意点、部位や量の目安まで詳しく解説していきます。

わんちゃんは牛肉を食べられる?

わんちゃんは、加熱した牛肉であれば基本的に食べても大丈夫です。牛肉には良質な動物性たんぱく質が含まれており、筋肉や皮膚の健康維持に役立ちます。また牛肉は、ドッグフードの原材料としても広く使われている食材です。

ただし注意が必要なのは、生肉のまま食べさせることです。牛肉の生肉には寄生虫や細菌が付着している可能性があるため、そのままあげるのは避けましょう。特に免疫力の低い子犬やシニアのわんちゃん、持病のある子にとっては、深刻な健康リスクにつながることがあります。

また、ハムやベーコン、味付きステーキなどの加工肉は、塩分や香辛料、保存料などが含まれています。わんちゃんにとっては刺激が強すぎることがあるので、避けるようにしてください。

牛肉に含まれる栄養素

牛肉にはたんぱく質を中心に、鉄分や亜鉛、ビタミンB群など、わんちゃんの健康維持に欠かせない栄養素がバランスよく含まれています。特に鉄分は赤血球を作るうえで重要なミネラルで、貧血の予防にも役立つのが特徴。

また、ビタミンB1やB2、B6などのビタミンB群は、代謝の促進や皮膚の健康をサポートしてくれます。

わんちゃんに牛肉をあげるメリット

わんちゃんに牛肉をあげると、以下のような嬉しいメリットがあります。

  • ・筋肉や皮膚の健康をサポートしてくれる
  • ・ミネラルを摂取できる

 

筋肉や皮膚の健康をサポートしてくれる

牛肉にはたんぱく質が豊富に含まれているため、筋肉や皮膚、被毛の健康をしっかりサポートしてくれます。運動量の多いわんちゃんや成長期のわんちゃん、シニアで筋力を維持したい子などにもぴったりです。

ミネラルを摂取できる

牛肉に含まれる鉄や亜鉛などのミネラルは、赤血球の生成を助けたり、免疫力を高めたりといった重要な役割を担っています。ミネラルを摂取したいと考えている場合にあげるのもおすすめです。

わんちゃんに牛肉はどうやってあげたら良い?

わんちゃんに牛肉をあげる際は、調理法にも工夫が必要です。以下のポイントを押さえておきましょう。

  • ・しっかり火を通す
  • ・塩や調味料を使わない
  • ・脂身の多い部位は避ける

 

しっかり火を通す

まず押さえておきたいのが、しっかりと加熱してからあげること。内部まで火を通すことで、寄生虫や細菌による食中毒のリスクを減らせます。茹でる、蒸す、フライパンで焼くといったシンプルな調理法がおすすめです。なお、油は使用しないようにしましょう。

塩や調味料を使わない

下ごしらえの際に、塩やこしょう、ソースなどの調味料を使わないようにしましょう。人間にとっておいしく感じる味付けでも、わんちゃんにとっては内臓に負担をかけてしまうことがあります。

脂身の多い部位は避ける

脂肪分が多い部位は避け、なるべく赤身中心の部位を選ぶのもポイントです。脂身はカロリーが高く、肥満や膵炎などにつながるリスクがあります。脂身が多い牛肉の場合は、取り除いてから調理するようにしましょう。

わんちゃんにあげる牛肉の部位のおすすめは?

わんちゃんにあげるなら、脂の少ない「モモ肉」「ヒレ肉」「肩ロース」などの赤身中心の部位がおすすめ。赤身は脂質が少なくたんぱく質が豊富なため、わんちゃんの体に優しく、消化にも比較的良いとされています。

一方で、「サーロイン」や「カルビ」といった脂身の多い部位は、食べすぎると肥満や下痢につながる可能性があります。あげる場合は少量にとどめるなど、注意しながらあげましょう。

わんちゃんにあげる牛肉の量はどれくらい?

牛肉の量は、わんちゃんの体重や運動量によって調整することが大切です。あくまで目安にはなりますが、以下におおよその上限をまとめました。主食となるご飯とのバランスを考慮しながら、カロリーオーバーにならないよう気をつけましょう。

【目安量】

  • ・小型犬:約15g
  • ・中型犬:約30g
  • ・大型犬:約60g

※脂肪分が少ない赤身肉(モモ・ヒレ・肩ロース)の脂身は取り除いたもの

わんちゃんに牛肉をあげる時の注意点

わんちゃんに牛肉をあげる際は、必ず加熱処理をして、脂身や味付けを避けるようにしましょう。また、ハムやベーコンなどは塩分や香料、添加物が多く含まれているため、わんちゃんにあげてはいけません。

また、牛肉に対してアレルギー反応を示すわんちゃんもいます。皮膚のかゆみ、下痢、嘔吐などの症状が出ることもあるため、初めて食べる時はごく少量ずつにとどめて、体調の変化がないかをしっかり観察しながらあげましょう。

わんちゃんは牛肉以外のお肉も食べられる?

牛肉のほかにも、わんちゃんが食べられるお肉はたくさんかあります。たとえば、鶏肉は脂肪分が少なく消化にも優しいため、わんちゃんが食べやすいお肉のひとつ。

豚肉もきちんと加熱すればあげられますが、脂身の量には注意が必要です。また、馬肉はアレルギーの出にくい「低アレルゲン食材」として注目されており、試しやすいお肉として人気があります。

まとめ

わんちゃんは、加熱した牛肉であれば問題なく食べることができます。栄養価が高く、たんぱく質やミネラルを効率よく摂取できるため、健康維持にも役立つ食材です。ただし、あげる量や部位、調理方法には注意が必要。特に脂肪分の多い部位や加工肉は避け、赤身の部位を選んで塩分・香辛料なしで調理することがポイントです。また、初めてあげる際は少量ずつにして、アレルギーの有無をチェックすることも忘れずに。

愛犬の体に合ったお肉を上手に取り入れて、毎日のご飯をもっと楽しみましょう。


Written by
監修医:小島 麻里 先生

犬猫生活往診クリニック代表獣医師。2013年酪農学園大学を卒業後、地域密着型の1次病院から大学病院、歯科専門病院など11年間小動物臨床で経験を積み、ペット栄養管理士取得後、往診専門動物病院を開院。保護猫おもち・わらびと暮らす。

 

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