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愛犬がコーヒーを飲んだらどうする?対処法やカフェイン中毒のリスクを解説

2025.08.21

コラム

コーヒーの香りや味を楽しんでいると、愛犬が興味を示すことがあるかもしれません。ご家族の方も「少しくらいならあげて大丈夫かな?」と思ってしまうかもしれませんが、コーヒーをあげることは絶対に避けましょう。本記事では、愛犬がコーヒーを飲んでしまったときのリスクや対処法について詳しく解説します。

わんちゃんはコーヒーを飲んではダメ

コーヒーは、わんちゃんにとって絶対に飲んではいけない飲み物です。コーヒーに含まれるカフェインが、中毒症状を引き起こしてしまう原因となります。

わずかに舐めた程度でも体質や体重によっては症状が出ることがあるので注意しましょう。重篤な場合は命に関わることもあるため、少しの摂取でも厳禁です。

コーヒーの入ったカップやボトルは愛犬の届かない場所に置くことが重要です。また、もしもこぼしてしまった場合は、すぐに拭き取るようにしましょう。

わんちゃんがコーヒーを飲んだときに見られる症状

カフェイン中毒の症状は、飲んでから1〜2時間以内に現れることが多いです。症状は摂取量やわんちゃんの体格、体質によって異なりますが、以下のように進行します。

初期症状

最初に現れるのは、カフェインの神経刺激作用によるものです。

  • ・落ち着きがなくなる・異常に興奮する
  • ・よだれが増える
  • ・呼吸が速くなる

 

上記のような症状を放置すると、さらに症状が進行する危険があります。

中期症状

中期症状では、次のような症状が現れます。

  • ・嘔吐
  • ・下痢

 

上記は、体がカフェインを外に出そうとしたり、カフェインの刺激に反応したりしているものです。また、わんちゃんによっては頻脈や不整脈が見られることもあります。

重篤症状

症状が進行し、命に関わる状態になると次のような症状が現れます。

  • ・けいれん・発作
  • ・筋肉の硬直:体を硬直させ、小刻みに震えるような動きをする
  • ・呼吸不全

 

症状は急激に進行する場合もあるため、「ちょっと舐めたくらい」と油断せず、少量の摂取でも早めに獣医師の診察を受けることが大切です。

わんちゃんがコーヒーを飲んだときの対処法

まず大前提として、少量でも誤飲した場合はすぐに動物病院へ連絡・受診することが大切です。自己判断はリスクが高く、「様子を見よう」と思っているうちに症状が出てしまうこともあります。

動物病院に連絡する際は、以下の情報を伝えられるとスムーズです。

  • ・飲んだ時間
  • ・飲んだコーヒーの種類(インスタント、ドリップ、エスプレッソなど)
  • ・推定される摂取量
  • ・わんちゃんの体重

 

獣医師の指示に従い、可能な限り早く診察を受けるようにしましょう。

わんちゃんにとって危険なコーヒーの摂取量

カフェインの摂取量と症状の目安は次の通りです。

  • ・体重1kgあたり20mgのカフェイン:軽度の中毒症状が現れる可能性
  • ・体重1kgあたり40〜50mgのカフェイン:重度の中毒症状
  • ・体重1kgあたり60mg以上のカフェイン:けいれんや命に関わる発作のリスク

 

ただし、上記はあくまでも目安です。わんちゃんの体質によっては、これより少ない量でも症状が出ることがあります。

なお、例えばインスタントコーヒー100mlには約60mgのカフェインが含まれており、小さなわんちゃんにとっては命に関わる量となる可能性もあるので注意しましょう。

コーヒー以外で避けるべき飲み物は?

コーヒー以外にも、カフェインを含む飲み物はあります。

  • ・緑茶、ウーロン茶
  • ・紅茶
  • ・エナジードリンク、栄養ドリンク、コーラ
  • ・ココアパウダー、ホットチョコレート

 

また、カフェインレスコーヒーについても注意が必要です。「カフェインレス」とはあくまでカフェイン含有量を減らしたものであり、微量のカフェインが含まれています。愛犬に与えることは避けるようにしましょう。

カフェインを含む飲食物は、愛犬の手の届かない場所に保管したり、飲み残しを放置したりしないことが大切です。また、万が一床にこぼしてしまった場合はすぐに拭き取るようにして、誤飲のリスクを減らしましょう。

まとめ

コーヒーは、わんちゃんにとって命に関わる危険な飲み物です。日頃から愛犬の手の届かない場所に保管して、事故を防ぐようにしましょう。また、万が一わんちゃんがコーヒーを飲んでしまった場合は少量でも油断せず、すぐに動物病院へ相談・受診するようにしましょう。


Written by
監修医:小島 麻里 先生

犬猫生活往診クリニック代表獣医師。2013年酪農学園大学を卒業後、地域密着型の1次病院から大学病院、歯科専門病院など11年間小動物臨床で経験を積み、ペット栄養管理士取得後、往診専門動物病院を開院。保護猫おもち・わらびと暮らす。

 

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