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【獣医師監修】愛犬が炭酸水を飲むとどうなる?あげるときの注意点も解説

2025.10.15

コラム

夏場などに炭酸水を飲むご家族のそばで、愛犬が興味を示したことはありませんか?本記事では、犬に炭酸水をあげてもよいのか、注意点や成分などを詳しくまとめました。わんちゃんに炭酸水をあげて良いか悩んでいる方は、ぜひ参考にしてみてください。

わんちゃんは炭酸水を飲んでも大丈夫?

炭酸水には、わんちゃんにとって毒性や有害な成分は含まれておらず、摂取しても問題ない飲み物です。基本的には「水と同じ」と考えて差し支えありません。小さな子や、シニアのわんちゃんにとっても同様です。

とはいえ、わんちゃんが積極的に摂取するべき飲み物かというと、そうでもありません。大きなメリットがないので、特に理由がない場合はお水をあげれば十分です。

炭酸水の種類

炭酸水には、炭酸水には主に「天然炭酸水」と「人工炭酸水」の2種類があります。どちらも「水と炭酸ガス」が主な構成要素ですが、製造方法や成分の違いによって、飲んだときの刺激の強さや風味に差が出ることがあります。

それぞれの特徴を簡単に見てみましょう。

天然炭酸水

天然炭酸水は、もともと炭酸ガスを含んだ地下水が地上に湧き出たもので、ミネラル分が自然に含まれていることが多いのが特徴。

人工炭酸水

一方で、人工炭酸水は、水に人工的に炭酸ガスを加えて作られたものです。使用される水はミネラルウォーターや純水などさまざまで、メーカーによって成分が異なります。

炭酸水に含まれる成分

二酸化炭素、カルシウム、マグネシウム、ナトリウムなど

炭酸水に含まれる主な成分は二酸化炭素ですが、水の種類や製法によって「カルシウム」「マグネシウム」「ナトリウム」といったミネラルが含まれていることも。

天然水を使用している場合は硬水であることもあり、ミネラル分が多いものもあります。ミネラル成分自体は犬にとってすぐに害となるものではありませんが、摂りすぎると尿石症や腎臓に負担をかける原因になる可能性があるため注意しましょう。

わんちゃんに炭酸水をあげるメリットは?

わんちゃんが炭酸水を飲むことで得られる健康効果はほとんどありません。もちろん水分補給にはなりますが、通常のお水をあげれば十分です。

むしろ、炭酸ガスによって胃が膨らみ、不快感を感じる可能性もあるため、あえて炭酸水をあげる理由はないでしょう。

わんちゃんに炭酸水をあげる時の注意点

わんちゃんに炭酸水をあげる際は、以下の点に気をつけましょう。

  • ・お腹が膨れてしまうことがある
  • ・含まれるミネラルの量を確認する
  • ・人工甘味料や香料が含まれるものは避ける

 

お腹が膨れてしまうことがある

炭酸水の炭酸ガスによって胃腸が膨張してしまうことがあるため、大量に飲ませるのは避けましょう。飲んだ後にゲップをしてくれれば炭酸ガスによる悪影響は軽減できますが、わんちゃんは上手にゲップができません。

また、胃捻転や胃拡張を起こす可能性があるため、飲んだ後は安静にさせてあげましょう。特に大型犬や胸が深いわんちゃんは注意が必要です。

含まれるミネラルの量を確認する

炭酸水に含まれるミネラルの量にも注目しましょう。ミネラルの摂取量が多すぎると、尿石症の原因となったり、腎臓に負担がかかったり、体内でのバランスが崩れたりする可能性があります。

人工甘味料や香料が含まれるものは避ける

炭酸水の中には「香料」や「人工甘味料」が加えられている商品もあります。特に注意すべきなのはキシリトールなど、わんちゃんにとって命に関わる毒性がある成分です。人間用のフレーバー付きの炭酸水は、たとえ無糖であってもわんちゃんにはあげないようにした方が無難でしょう。

わんちゃんが炭酸水を欲しがった場合はどうする?

一度炭酸水を舐めたり飲んだりして、味や感触を気に入ってしまったわんちゃんが「もっと欲しい」とせがむ可能性もゼロではありません。

どうしても欲しがってしまう場合は、おやつのようにごく少量だけを特別な場面であげるなどして、水とのバランスを取りましょう。ただし、「炭酸水=ご褒美」とわんちゃんが覚えてしまうと、常に求めてくるようになるリスクもあるため、徐々に量を減らし、最終的には通常の水に戻していくのが理想です。

まとめ

炭酸水はわんちゃんにとって中毒性のある飲み物ではありませんが、特にメリットがないため、日常的な飲み物としてあげる必要はないでしょう。とくにフレーバー付きや人工甘味料入りの炭酸水は健康に悪影響を与える可能性があるため、避けるべきです。わんちゃんが水分を摂りたがっているなら、まずはお水を用意してあげましょう。


Written by
監修医:小島 麻里 先生

犬猫生活往診クリニック代表獣医師。2013年酪農学園大学を卒業後、地域密着型の1次病院から大学病院、歯科専門病院など11年間小動物臨床で経験を積み、ペット栄養管理士取得後、往診専門動物病院を開院。保護猫おもち・わらびと暮らす。

 

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