【column】ノミ・ダニから愛犬の身を守ろう!
2026.04.13
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ノミやダニの予防はしなくてはいけないの?
ノミ、ダニは羽のない小型の吸血昆虫で、自然界に広く存在し、ヒトや犬、その他の野生動物にも容易に寄生します。
ノミはオスもメスも1日に数回吸血し、1回の吸血に20分程かかります。吸血後は犬の体から降り、その環境中で繁殖します。ノミの寿命は1〜1.5か月ほどですが、毎日20〜40個ほど産卵します。環境が良いと2〜3日で孵化しますのでその繁殖力や凄まじく、一旦室内で繁殖し始めると駆除するのは大変です。
ノミに咬まれた箇所は痒みを引き起こします。体質によっては、ノミの唾液に強いアレルギー反応を示すようになり、咬まれた場所だけでなく、腰から背中にかけて強い掻痒感(そうようかん)や脱毛、湿疹などが出るようになります。
またノミの体内で成長した瓜実条虫(うりざねじょうちゅう)を、毛繕いの際などにノミと一緒に摂取することで犬の体内に条虫が入り込むことがあります。米粒大の小さな白いものが便の中に見られた場合はその可能性がありますので、便検査で確認しましょう。
ダニもまた自然界に広く存在し、多くの種類があります。昨今非常に問題視されているマダニも日本国内だけで50種類以上確認されています。マダニは多くの感染症を媒介することが知られていますが、代表的なものとしては、重症熱性血小板減少症(以降SFTS)、日本紅斑熱(にほんこうはんねつ)、ライム病などがあります。
SFTSは2011年中国で命名された新規感染症で、SFTSウイルスが原因となります。このウイルスを保有するマダニに直接咬まれたり、SFTSに感染した動物の体液に触れることでヒトにも容易に感染します。ヒトの場合、潜伏期間は6〜14日、主な症状は発熱、消化器症状、出血などで、致死率は30%に上ります。その罹患者数は年々増加しており、昨年度は8月の時点で135名を超えています。
犬が感染した場合、犬の血液、体液(涙や唾液)、排泄物(尿や便)あるいは嘔吐物などからヒトに感染する可能性があります。発症すると、元気・食欲低下、発熱、血小板減少などが見られますが、SFTSに特徴的な症状がないため、診断は容易ではありません。症状がなくてもウイルスを排出し、知らないうちに感染源となっているケースがあるので、感染が少しでも疑われる場合は検査をすることが大切です。
感染地域は現在どんどん東へと拡大していますが、西日本の方が感染の可能性は高く、蔓延している地域もありますので、まずはお住まいの地域の発生状況を確認しましょう。
予防薬はいつからいつまでやればいいのかな?

冬の東京でもノミの寄生が確認されることがあります。温暖化の影響で、蚊が飛んでいる期間も長くなりましたが、その他の節足動物たちも活動期間がどんどん長くなってきているため、1年を通じて予防することが推奨されます。
ノミ・ダニの予防薬は、内服するタイプ、塗布するタイプとありますが、マダニが予防できるものとできないものがあります。上記の通り、マダニを予防することが非常に重要ですので、お使いの予防薬がマダニも予防できるものか確認してから使用することが大切です。
うちの子にノミやマダニが寄生していたら!

全身被毛に覆われているため確認は容易ではありませんが、ノミの場合は尻尾に近い腰のあたりに寄生しています。ノミは水に弱いので、もし見つけた場合はシャンプーをするか、お湯を張った桶などの中に犬を漬けるとノミが浮いてきますので、そのまま洗い流しましょう。
ダニは吸血する場所が決まると口を皮膚に刺し、口と皮膚が離れないようにセメントのように固まる物質を含んだ唾液で固定します。一度固定すると数日間吸血し続け、最初は1mm程度の小さな体が、どんどん大きく膨らみます。
もし、そういう状態のダニを見つけたら、慌てて引っ張ったりせずにすぐに動物病院に行きましょう。引っ張ってしまうと、セメントで固めた口が皮膚の中に残ってしまい、そこが後々腫れ上がったり、アレルギーの原因になったりすることがあります。
いずれにしても、予防の期間、予防薬の種類を吟味の上、1年を通じてしっかりと予防することが何よりも大切なことですね!
Written by
監修医 小林 充子 先生
麻布大学獣医学部を卒業。在学中は国立保険医療科学院のウイルス研究室でSRSV(小型球形ウイルス)の研究を行う。2010年に目黒区駒場にてキャフェリエペットクリニックを開業。一頭一頭のタイプに合ったオーダーメイドの対応を信条に総合診療を行う。






