お知らせ一覧犬猫通信 for DOG【column】耳は口ほどに物を言う?犬の耳について知ろう!

【column】耳は口ほどに物を言う?犬の耳について知ろう!

犬の耳のこと、どのくらい知っていますか?


目は口ほどに、と言いますが、耳もまた同じです。耳の動き一つで色々なことがわかります。今回はそんな犬の耳のヒミツを探ってみましょう!

犬の耳も人の耳と同じように、外耳・中耳・内耳の3つに分かれ、「聴覚」と「平衡感覚」この二つが耳の重要な役割です。私たちが「耳」と呼んでいる、目に見える部分は「耳介(じかい)」と言い、音を集める役割があります。前後左右、上下など細かい動きをするため、十数種類の耳介筋と言われる筋肉によってコントロールされています。
耳介の中に耳道(じどう)と言われる道の入り口があり、鼓膜までの部分を外耳と言い、犬の外耳道はL字型になっています。鼓膜は薄い膜で、音の振動を中耳に伝えます。鼓膜の先が中耳と内耳で、鼓室(こしつ)と呼ばれる空気の入った空洞の穴のような場所で、伝わってきた音の振動を増幅させます。音の振動は内耳に伝えられ、蝸牛(かぎゅう)と言われる器官で、音を電気信号に変換し、聴覚神経を通じて脳に送られます。また内耳には体のバランスを取るために必要な三半規管、前庭(ぜんてい)という器官があり、ここの不調はめまいや斜頸(しゃけい)などを引き起こします。

さて、犬と人では音の聞こえ方にどのような違いがあるのでしょうか?まず、聞こえる音の周波数が大きく違います。犬の方が超音波に近い、より高音域まで聞き取ることができます。
また人の声や物音など一般的な生活音は、条件が良ければ300〜600m先から感知できます。車やバイク、雷、花火などの大きな音は1km先の音に反応することもありますし、犬の吠える声に関しては、更に遠く、数km先の声に反応することが報告されています。
ちなみに、立ち耳は音を集める効率が良いため、遠くの音、とくに高周波の音をよく拾えます。垂れ耳は遠くの高音は苦手ですが、近距離で地面に伝わるような低音はよく聞き取れるという特徴があります。

ところで犬は音楽を楽しむことができるのでしょうか?音楽のテンポや周波数、音圧によって、犬の感情が左右されることがわかっています。クラシック音楽、レゲエやソフトロックなどゆったりした音楽は特に犬が好みやすいジャンルです。心拍数が下がり、ストレスホルモンが減り、気持ちが落ち着くと言われています。逆に苦手な音楽としては、テンポが速すぎるヘヴィメタルや高音が続く曲などが挙げられ、これらの音を聞くと心拍数が上昇し落ち着きがなくなります。

犬たちは耳でどんな感情を表現しているの?


犬の耳は感情表現のパーツとしても非常に優れた能力を発揮します。自然な位置で、かつ耳に力が入っていない時は、安心してリラックスおり、耳を大きく動かし柔らかく前後運動をしている時は、喜びを表しています。

音の方向に耳をピンと向けている時は、興味や好奇心を持って、音源を観察している状態です。耳をピンと立て、ピクピクとよく動かして全身に力が入っている時は警戒中のサイン、そのまま後ろに耳をピタッと倒してしまった時は、不安や恐怖を感じている状態です。立ち耳の犬種は耳の動きがわかりやすいですが、垂れ耳の犬種は、耳の根本をよく観察してみましょう。立ち耳の犬種と同じような動きをしているはずです!

耳をいつも健康に保つために!


皆さんは犬の耳をどのくらいの頻度で覗いていますか?耳から異臭がしないか、赤くないか、耳垢の量・色に変化はないか、耳を触った時に嫌がらないかなど確認しましょう。見るべきポイントさえ押さえおけば、週に1回程度で十分です。

耳の掃除は1か月に1回で十分です。市販のイヤークリーナーを使うのがいいでしょう。ただし乾いた綿棒を直接耳道に挿入すると耳道を傷つける恐れがありますので、絶対にやめましょう。トリミングサロンや動物病院で定期的にお掃除して貰うのもいいですね。
垂れ耳の犬種は湿気が溜まりすぎないように注意しましょう。湿気が溜まるとマラセチアなどの真菌が増殖する要因となり、外耳炎の原因となる場合があります。耳の臭いがいつもと違う感じがしたら、早めにかかりつけの先生に相談しましょう。

耳は犬にとって大切な情報源となる音を聞き分けるだけでなく、感情を表現してコミュニケーションをはかるツールでもあります。いつまでも健康な状態に保ってあげたいですね。


Written by
監修医 小林 充子 先生

麻布大学獣医学部を卒業。在学中は国立保険医療科学院のウイルス研究室でSRSV(小型球形ウイルス)の研究を行う。2010年に目黒区駒場にてキャフェリエペットクリニックを開業。一頭一頭のタイプに合ったオーダーメイドの対応を信条に総合診療を行う。

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