わんちゃんにプリンをあげても大丈夫?食べられる量や愛犬にあげるときの注意点
2025.11.20
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とろっと甘くてなめらかなプリン。ご家族が食べているときに、じっと見つめてくるわんちゃんの視線に「ちょっとあげてもいいかな?」と気になる方も多いのではないでしょうか。この記事では、わんちゃんにプリンをあげても良いのか、あげるメリットや注意点、適量、万が一の誤食時の対処法までやさしく解説します。
わんちゃんはプリンを食べても大丈夫

プリンは卵と牛乳を主な材料として作られており、ほとんどが水分で構成されています。プリンに含まれる材料自体はわんちゃんが口にしても構わないため、加熱済みのプリンを少量食べる程度なら特に問題ないでしょう。
小さな子やシニアのわんちゃんにとっても、ふわっとやわらかく水分を含んだプリンはのどを通りやすく食べやすいのが特徴です。
ただし、プリンには糖分が多く含まれている点には要注意。人間の味覚に合わせて甘めに作られているものも多いため、積極的にあげる必要はありません。
特に市販のプリンには香料や保存料、着色料などの添加物が使われており、わんちゃんの体に合わないこともあります。どうしてもあげたい場合は砂糖を控え、添加物を使用せずに作った手作りプリンがおすすめです。健康目的ではなく、ごほうびや水分補助としての位置づけで取り入れるようにしましょう。
わんちゃんにプリンをあげるメリット

プリンの栄養価はそこまで高くはありませんが、状況によっては役立つこともあります。
例えば、水をなかなか飲んでくれないケースでは、プリンのような水分を多く含んだ食品は自然な形で水分を摂る手段のひとつ。特に暑い季節や、病中、病後などで食欲が低下しているときには、プリンのようなやさしい食感の食べ物がわんちゃんの気を引くこともあるでしょう。
ただし、プリンは水分が多いぶん、栄養補給には向いていません。エネルギーやタンパク質の補給を目的とするなら、他の食材を選ぶようにしてみてください。
わんちゃんにあげるプリンの量はどれくらい?

わんちゃんにあげるプリンは、ごく少量で十分です。過剰摂取に気をつけましょう。以下に1日に食べられる上限のおおよその目安をまとめたので、参考にしてみてください。
- ・小型犬(5kg)…59.4g(約1/2個)
- ・中型犬(15kg)…135.6g(1個強)
- ・大型犬(30kg)…227.9g(約2個)
ただし、上記はあくまで「最大限に食べる場合の量」です。実際にはもっと少量にとどめることが好ましく、習慣的にあげるべきではありません。
わんちゃんにプリンをあげるときの注意点

わんちゃんにプリンをあげるときは、以下のポイントに注意しましょう。
- ・乳糖不耐症のわんちゃんもいる
- ・アレルギーに気を付ける
- ・大量にあげることは避ける
乳糖不耐症のわんちゃんもいる
わんちゃんにプリンをあげる際に注意したいのが「乳糖不耐症」です。牛乳を材料に含むプリンは、わんちゃんの体質によってはうまく消化できないことがあり、お腹をこわす原因となることがあります。
下痢や嘔吐などの症状が見られた場合は、あげるのを中止しましょう。
アレルギーに気を付ける
プリンには卵や乳製品が含まれているため、食物アレルギーを持っているわんちゃんがいる点にも注意が必要です。はじめてあげるときは、ひとさじ程度のごく少量から始めて、食後の様子をしっかりと観察しましょう。
大量にあげることは避ける
プリンは糖分や脂質を多く含んでいるため、食べすぎると肥満や膵炎、糖尿病のリスクを高めるおそれがあります。どれだけ欲しがっても、人間の1/10〜1/20程度の量で十分満足できるはず。適量を守り、愛犬の健康の秘訣でもあります。
わんちゃんがプリンの容器を誤飲してしまったときはどうする?

→破片が消化管の粘膜を傷つけたり穿孔してしまう、場合によっては腸閉塞の原因にも。
→気付いた段階で動物病院へ連絡、受診すべきか相談する。
プリンの香りにつられて、カップや容器ごとくわえてしまうわんちゃんもいます。誤ってプラスチックやアルミ製の容器を飲み込んでしまった場合、胃腸の損傷や腸閉塞の危険があります。
小さな欠片であれば便と一緒に排出されるケースもありますが、異物のサイズや形状によっては消化管内で詰まり、命に関わるトラブルになることも。
もしプリン容器を誤食した可能性がある場合は、動物病院で診察を受けることをおすすめします。特に、食欲の低下や吐き気、元気がない、排便がない、または下痢などの症状が見られた場合は要注意です。
まとめ

わんちゃんにとってプリンは食べても問題のないおやつです。ただし、人間用の市販品には糖分や添加物が多く含まれているため、あげるときは手作りのプリンを少量だけあげる程度が理想です。
健康的な食事をベースにしつつ、誕生日や記念日など、特別な日に少しだけプリンを味わわせてあげるのもよいでしょう。わんちゃんの体にやさしいおやつ選びを意識して、一緒におやつタイムを楽しんでみてください。
Written by
監修医:小島 麻里 先生
犬猫生活往診クリニック代表獣医師。2013年酪農学園大学を卒業後、地域密着型の1次病院から大学病院、歯科専門病院など11年間小動物臨床で経験を積み、ペット栄養管理士取得後、往診専門動物病院を開院。保護猫おもち・わらびと暮らす。






