犬にレーズンをあげてはいけない!リスクと食べてしまったときの対処法
2025.11.16
|
レーズンを食べていると、愛犬が興味を示すことがあるかもしれません。ご家族の方も「少しくらいならあげて大丈夫かな?」と思ってしまうかもしれませんが、わんちゃんにレーズンは絶対に食べさせてはいけません。本記事では、誤って愛犬が食べてしまったときのリスクや、対処法について詳しく解説します。
わんちゃんはレーズンを食べてはダメ

レーズンは私たち人間にとっては栄養価の高いおやつですが、わんちゃんにとっては中毒症状を引き起こす危険な食べ物です。少量であっても深刻な健康被害を招くことがあり、最悪の場合は命に関わるケースもあります。
わんちゃんにとってぶどうやレーズンは非常に毒性の強い食材とされています。
また、「少しだけなら大丈夫」といった考えもNG。個体差が大きく、体質によってはごく微量の摂取でも中毒症状が出る場合があるため、絶対に食べさせないようにしましょう。いたずら防止のためにも、日頃から愛犬の手の届く場所に置かないことが大切です。
わんちゃんがレーズンを食べたときに見られる症状

わんちゃんがレーズンを食べてしまった場合、中毒症状が出るまでには1〜4時間ほどかかることが多いとされています。
主な症状は、以下のようなものです。
- ・激しい下痢や嘔吐
- ・食欲低下
- ・元気がなくなる、ぐったりする
- ・脱水症状
- ・震えや痙攣
- ・尿量が減るまたは出なくなる
上記の中でも特に、尿量が減るまたは出なくなると急性腎不全に進行するリスクがあるため注意が必要です。
また、時間が経つほど症状が重くなる傾向があるため、万が一わんちゃんがレーズンを食べてしまった場合は、気づいた時点で早急に対応しましょう。
わんちゃんがレーズンを食べたときの対処法

続いて、わんちゃんがレーズンを食べたときの対処法を見てみましょう。
- ・まずは動物病院へ連絡を
- ・必要に応じて治療を受ける
まずは動物病院へ連絡を
レーズンの誤食に気づいたら、まず真っ先に動物病院へ連絡しましょう。症状が出ていなくても「元気そうだから大丈夫」と様子を見るのは非常に危険です。
病院に連絡をする際、以下の情報をできるだけ正確に伝えるとスムーズです。
- ・食べた時間
- ・レーズンの種類(乾燥レーズン・ミックスレーズンなど)
- ・摂取した量
- ・愛犬の体調や症状
必要に応じて治療を受ける
獣医師の判断によっては、催吐処置や点滴などの処置が行われることもあります。自己判断で嘔吐を誘発したり、無理やり水を飲ませたりするのはかえって症状を悪化させる恐れがあるためNG。獣医師の指示に従いましょう。
わんちゃんにとって危険なレーズンの摂取量

わんちゃんがレーズン中毒を起こす摂取量には個体差がありますが、一般的には体重1kgあたり11〜30g以上を摂取すると危険であるとされています。
特に体の小さいわんちゃんほど危険度が高いため、誤食の量にかかわらず必ず獣医師に相談しましょう。
わんちゃんがレーズンを食べないようにするためには?

レーズンによる誤食はわんちゃんにとって命にかかわるため、日頃からわんちゃんがレーズンを食べないようにすることが大切です。ここでは、日常で気をつけたい予防のポイントを詳しく紹介します。
- ・家族や友人などに周知する
- ・わんちゃんの届かない場所で保管する
- ・ケージを活用する
家族や友人などに周知する
「わんちゃんはレーズン(ぶどう)を食べられない」という知識は、必ず家族全員で共有しておきましょう。正しい知識がないと、良かれと思っておやつをあげてしまうこともあります。
また、友人や親戚が遊びに来たときにお菓子を分けてあげるケースもゼロではありません。そんなときに備えて、「わんちゃんにレーズン(ぶどう)はあげないでね」とひとこと伝えておくこともよいでしょう。
わんちゃんの届かない場所で保管する
レーズンの誤食事故で多いのが、キッチンカウンターやテーブルに置いていたものを盗み食いしてしまうケース。特に食いしん坊な子や、ジャンプが得意なわんちゃんだと、少し油断している隙に食べてしまうことがあります。
レーズンを含む食品やお菓子は、必ず戸棚の中や冷蔵庫、蓋つきの密閉容器などでの保管を徹底しましょう。
また、蓋付きゴミ箱を活用したり、ゴミをすぐに始末したりすることも大切です。
ケージを活用する
小さなお子さんのいるご家庭などでは、無意識にレーズン入りのお菓子を床に落としてしまうことも珍しくありません。料理中や掃除中、来客対応などで目を離す時間がある場合には、一時的にケージやサークルに入れておくのもおすすめです。
わんちゃんはプルーンなら食べられる?

「レーズンではなくプルーンなら大丈夫?」と考える方もいるかもしれませんが、プルーンも避けるべき食材のひとつです。呼吸困難・痙攣・下痢・嘔吐などの中毒症状を引き起こすことがあるため、乾燥プルーンであってもあげないようにしましょう。
まとめ

レーズンは、わんちゃんにとって非常に危険な食材のひとつ。「ほんの少しだけ」「元気そうだから大丈夫」という油断が、思わぬ事態を招くこともあります。
誤食がわかったら、症状の有無に関わらず早急に動物病院へ相談を。また、普段から家族全員で危険な食べ物について認識をそろえ、わんちゃんの健康を守る環境づくりを心がけましょう。
Written by
監修医:小島 麻里 先生
犬猫生活往診クリニック代表獣医師。2013年酪農学園大学を卒業後、地域密着型の1次病院から大学病院、歯科専門病院など11年間小動物臨床で経験を積み、ペット栄養管理士取得後、往診専門動物病院を開院。保護猫おもち・わらびと暮らす。






