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わんちゃんに焼き芋は大丈夫?あげ方・適量・注意点をまとめて解説

2025.11.10

コラム

焼き芋は甘くてやわらかく、栄養も豊富な秋の味覚です。その美味しさは人間だけでなく、わんちゃんにとっても嬉しいご褒美のひとつ。ただ、「本当に食べさせても大丈夫?」「どれくらいの量がいいの?」と迷う方もいるかもしれません。

本記事では、わんちゃんに焼き芋をあげる際のメリットや注意点、あげる量の目安まで詳しく解説します。

愛犬に焼き芋あげても大丈夫

焼き芋は、皮をむいた中身であれば、わんちゃんが食べても問題ありません。さつまいもは自然な甘みがあり、やわらかく消化しやすいため、多くのわんちゃんにとって好まれやすい食材です。

ただし、カロリーが高めで糖質も多いため、あげすぎには注意が必要です。正しいあげ方を知っておけば、冬の季節感を取り入れたおやつとして活用できます。

焼き芋に含まれる栄養素

焼き芋には、わんちゃんの体の調子を整える栄養素がいくつも含まれています。

  • ・炭水化物
  • ・食物繊維(不溶性・可溶性)
  • ・カリウム
  • ・ビタミンC

 

炭水化物は効率的なエネルギー源として活用されやすく、活動量の多いわんちゃんにも適しています。

また、食物繊維は腸内環境を整える働きがあり、自然な排便をサポート。カリウムは体内の水分バランスを保つ役割があり、ビタミンCは抗酸化作用により健康維持に役立つ栄養素です。

愛犬に焼き芋をあげるメリット

焼き芋は、わんちゃんにうれしいメリットがいくつもある食材です。どんな良さがあるのか、確認してみましょう。

エネルギー・ビタミン補給に役立つ

焼き芋は炭水化物が豊富で、わんちゃんのエネルギー補給に適しています。運動量が多い子や、食欲が落ちているときのおやつにもぴったりです。

また、さつまいもは加熱してもビタミンの損失が少ないとされており、焼き芋にして愛犬に食べさせることで効率よく摂取できます。毛並みの維持や健康管理を意識したおやつとしても取り入れやすい食材です。

腸内環境を整えるサポートになる

焼き芋には、水溶性と可溶性の両方の食物繊維が含まれています。これらはお腹の調子を整えるはたらきがあり、自然な排便を促してくれるのが特長です

腸内環境が乱れがちな子や便秘気味のわんちゃんにも、うれしいポイントといえるでしょう。やさしく腸に働きかけてくれるので、日々のおやつにも取り入れやすい食材です。

焼き芋をあげるときの注意点

焼き芋はわんちゃんにとっても魅力的なおやつですが、あげる際にはいくつか注意したいポイントがあります。

皮の処理や温度、加工品の取り扱いなど、間違ったあげ方は体調を崩す原因になることもあるため、事前に確認しておくことが大切です。

焼き芋の皮は取り除く

焼き芋の皮には食物繊維が多く含まれますが、わんちゃんにとっては消化しづらく、腸に負担をかけることがあります。とくに皮が焦げていたり硬くなっていたりすると、胃腸の弱い子には刺激になってしまう可能性も。

また、皮の部分には農薬や土が残っていることもあるため、衛生面でも注意が必要です。皮を取り除いて中身だけをあげるようにしましょう。

冷ましてからあげる

焼き芋は表面が冷めていても、中がまだ熱い場合があります。そのまま口に入れると、口内をやけどするリスクがあるため注意が必要です。

見た目だけで判断せず、中までしっかり冷めていることを確認してからあげましょう。

焼き芋の加工品は避ける

スイートポテトや焼き芋アイス、焼き芋ケーキなどの人間用の加工品には、糖分や香料、乳製品などが含まれていることが多く、わんちゃんの体に負担をかけるおそれがあります

焼き芋を使ったおやつを選ぶ場合は、わんちゃん向けに加工された製品を選択することが大切です。原材料を確認し、できるだけシンプルなものを選びましょう。

また、手作りする際も、砂糖やバターなどは使用せず、さつまいも本来の甘みを活かすのがポイントです。

焼き芋の適量はどれくらい?

焼き芋は主に炭水化物で構成されているため、高カロリーなおやつです。あげる量の目安としては、1日の総カロリーの約10%以内に抑えましょう

体格や運動量、年齢によっても適量は変わるため、目安としてご確認ください。

  • ・超小型犬(〜4kg):7〜17g
  • ・小型犬(5kg前後):20〜25g
  • ・中型犬(10〜15kg):35〜55g
  • ・大型犬(20〜40kg以上):60〜126g

 

焼き芋は、毎日あげるおやつとしては適しません。週に数回程度の「お楽しみ」として取り入れるのがポイントです。

なお、腸が未発達な子犬や消化機能に不安のあるシニア犬には控えるのが無難です。糖尿病や膵炎、肥満などの持病があるわんちゃんには、必ず獣医師に相談してからにしてください。

焼き芋のあげ方

ここでは、愛犬に焼き芋をあげるタイミングについて解説します。焼き芋は、わんちゃんが好みやすい食材のひとつです。ごほうびとしてあげたり、食欲が落ちているときに活用したりと、さまざまな場面で役立ちます。

おやつやご褒美としてあげる

焼き芋はそのまま加熱してあげられるため、調理の手間がかからず便利です。やわらかく甘みもあるため、わんちゃんが好みやすく、おやつとしても使いやすい食材です。

トレーニング中のごほうびや、日常のコミュニケーションの中で特別感を演出するアイテムとしても活用できます。

フードのトッピングとして使う

ドライフードの上に少量の焼き芋をトッピングすると、嗜好性が高まり、食欲が落ちている子でも食べやすくなります。水分が含まれているため、水分補給のサポートにも便利。

さらに、焼き芋に含まれる栄養素は毛並みの健康維持にも期待できるため、健康面を気遣うご家族にもおすすめです。

焼き芋によるアレルギーや体調への影響はある?

焼き芋はアレルギーの原因になりにくい食材ですが、さつまいもに含まれるたんぱく質がアレルゲンとなる可能性があります。

下痢や軟便、嘔吐、皮膚のかゆみなどの症状が出ることもあるため、初めてあげる際は少量から始めて様子を見てください

体調に変化が見られた場合は、すぐに中止し、動物病院に相談しましょう。持病があるわんちゃんや体調が不安定な場合は、焼き芋を取り入れる前に獣医師に相談することが大切です。

まとめ

焼き芋は自然な甘みと豊富な栄養を持ち、わんちゃんにとって魅力的なおやつのひとつです。皮をむき、しっかりと冷ました焼き芋を適量取り入れることで、健康に配慮しながら補助食として楽しめます。愛犬と一緒に秋の味覚を満喫しましょう。


Written by
監修医:小島 麻里 先生

犬猫生活往診クリニック代表獣医師。2013年酪農学園大学を卒業後、地域密着型の1次病院から大学病院、歯科専門病院など11年間小動物臨床で経験を積み、ペット栄養管理士取得後、往診専門動物病院を開院。保護猫おもち・わらびと暮らす。

 

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