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【column】スポーツの秋!体をメンテナンスしよう

スポーツの秋!犬だって筋肉は大切


今年の夏ほど酷暑だった夏はありませんでしたね。ここまで気温が上がると、いつも通りお散歩に行くことは難しく、早朝や深夜に時間をずらしたり、お散歩時間を短縮したり、回数を減らしたりとみなさま色々と工夫なさったことと思います。

お散歩の時間が減ることは様々な弊害を及ぼしますが、運動量が減ることで筋肉量が減少し、代謝が落ちて体重が増加する、というのが最大の弊害です。適度な運動をして筋力を維持することはとても大切なことですが、犬にとってどんなメリットがあるのでしょう?
まずは老化のスピードを遅らせることができるということでしょう。犬は前肢に60〜70%の負荷がかかっており、後肢の方が負担は軽いものの、筋力が元々少ないため落ちるのも早いのが特徴です。
後肢の筋力が落ちると老化が始まります。膝蓋骨(しつがいこつ)や股関節を支えている筋肉が落ちることで、関節自体が不安定な状態になります。それに伴って膝蓋骨脱臼や関節炎、椎間板ヘルニアなどの疾患も増えてきます。

筋肉量が多いと基礎代謝が増えるのは、人も犬も同じです。同じ食事内容でも、筋肉量の多い子の方が代謝カロリーが増えます。代謝できるカロリー量が増えれば、肥満体型にならずにすみ、引いては肥満が原因で起こる様々な疾患を予防することになります。

筋肉を鍛えよう!


ではどうやって筋力を維持するための筋肉量を増やすことができるのでしょう?もちろんその筆頭はお散歩です。のんびりゆっくり平坦な道を歩くお散歩では、持久力のある「遅筋(ちきん)」と言われる筋肉が鍛えられます。お散歩の途中に坂を上がったり、少し早歩きをしたり、ドッグランなどでしっかり走らせるようにすると、瞬発力があり体を素早く動かすことができる「速筋(そっきん)」という筋肉を鍛えることができます。

もし、もっとしっかりと筋肉を鍛えていきたいということであれば、遊びの一環として室内でもできる「筋トレ」をしてみてもいいですね。例えば、「おすわり」と「ハイタッチ」や「立って」、「ふせ」などを交互にやらせてみましょう。座る→立つ、という動作を繰り返すだけで、全身の様々な筋肉が鍛えられます。

また、不安定な場所を歩かせるのも体幹を鍛えるトレーニングとなります。ただ歩くよりも足をあげたり、体がふらつかないように腹筋を使ったり、通常の地面を歩く時には得られない体幹を鍛える筋力トレーニングをすることができます。ただし、こういった筋トレはその子の年齢、犬種、持病などを考慮の上、決して無理はさせずできる範囲で行うことが大切です。

体型のチェックと食事の見直し


みなさまはうちの子の今の体重を正確にご存知ですか?体重測定はご自宅でできる1番簡単なかつ重要な健康状態の指標です。体重の増減には必ず理由があります。毎日測る必要はありませんが、週に一度くらい測るといいですね!

そしてもし体重が増えていたら、体型も見直してみましょう。腰のくびれはありますか?肋骨は触れますか?ボディ・コンディション・スコア(BCS)を参考に、体型をチェックしましょう!

ボディ・コンディション・スコア(BCS)について詳しくはこちらから
【column】 目指せ理想体型! ボディコンディションスコア

今の体重・体型のチェックができたら、それが理想の体重・体型とどの程度差があるか認識しましょう。その上で1日にどの程度のカロリー、栄養素が必要かをチェックし、今食べているごはんのカロリー、タンパク質、脂質の量などを見直す必要があります。
筋肉量を維持するために必要な栄養素は、人と同じくタンパク質です。良質なタンパク質をしっかり摂ることで、全身の筋肉に栄養を与えましょう!ただしこれもその子の年齢、犬種、持病などをしっかり把握した上で改善していかなくてはなりません。特に持病がある場合は、かかりつけの先生に相談の上、少しずつ変更していきましょう。

適度な運動は犬たちのストレス発散の場となり、また飼い主とのコミュニケーションを深めることに繋がります。楽しく遊んで、美味しく食べて、健康に過ごしていきたいですね!


Written by
監修医 小林 充子 先生

麻布大学獣医学部を卒業。在学中は国立保険医療科学院のウイルス研究室でSRSV(小型球形ウイルス)の研究を行う。2010年に目黒区駒場にてキャフェリエペットクリニックを開業。一頭一頭のタイプに合ったオーダーメイドの対応を信条に総合診療を行う。

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