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【獣医師監修】愛犬がいちじくを食べてしまったら?症状や応急処置を解説

2025.10.14

コラム

いちじくは人間にとっては栄養価が高く、ヘルシーなイメージのあるフルーツです。しかし、わんちゃんにとってはいちじくは危険な食材のひとつ。人間と犬では体の仕組みや代謝の仕方が異なるため、私たちが食べられるものでも注意が必要です。

この記事では、わんちゃんがいちじくを食べてしまったときの症状や、ご家族が取るべき対処法などについて詳しく解説します。

わんちゃんはいちじくを食べてはダメ

いちじくには、わんちゃんにとって有害な「フィシン」や「ソラレン」などの成分が含まれています。これらの成分は、消化器官を刺激したり、皮膚や粘膜にダメージを与えたりする恐れがあります。

口内炎や胃腸トラブル、中毒症状につながる危険性があるため、いちじくをあげることは絶対に避けましょう。

わんちゃんがいちじくを食べたときに見られる症状

いちじくを食べてしまったわんちゃんには、以下のような症状があらわれることがあります。

  • ・口内炎
  • ・よだれ
  • ・食欲の低下
  • ・下痢や嘔吐

 

一見すると軽い体調不良のように見えても、わんちゃんにとっては深刻なサインであることもあります。普段と違う様子が見られたら、すぐに獣医師に相談するようにしましょう。

わんちゃんがいちじくを食べたときの対処法

日頃からわんちゃんがいちじくを食べないように注意することが重要ですが、目を離していた隙に誤飲してしまうこともあるでしょう。わんちゃんがいちじくを食べてしまった場合は、以下のように対処しましょう。

  • ・まず動物病院へ連絡・相談
  • ・動物病院のアドバイスをもとに体調確認

 

まず動物病院へ連絡

わんちゃんが食べてはいけないものを食べてしまった場合は、まず動物病院へ連絡し、相談しましょう。

食べた直後であれば中毒を防げる可能性がありますが、時間が経ってからでは意味がなくなってしまいます。催吐処置を行う場合、できる限り消化や吸収が進む前に吐かせる必要があるので、スピード感が大事です。

動物病院のアドバイスをもとに体調確認

動物病院に相談する際は、わんちゃんがいちじくを食べた「時間」や「量」など、わかる情報を伝えます。そのアドバイスをもとに体調を確認し、必要な対応を取りましょう。

なお、食べてしまった残りのいちじくがあれば、獣医師さんに見せるために保管し、受診する際に持っていくと量が伝わりやすくなります。

わんちゃんにとって危険ないちじくの摂取量

わんちゃんにとって危険ないちじくの摂取量の基準は、現時点でははっきりとわかっていません。わんちゃんの体重や体質、年齢などによって影響の出方が異なるためです。

ただし、ほんのひとかけらを舐めたり口に入れてしまっただけでも、症状が現れることはあります。とくに体の小さいわんちゃんは影響を受けやすいため、注意が必要です。

「一口程度なら大丈夫だろう」と軽視せず、わんちゃんが食べないための対策を徹底しましょう。

いちじくのドライフルーツやジャムもNG?

ドライフルーツやジャムに加工されたものであっても、いちじくが原料であることに変わりはありません。むしろ、ドライフルーツなどは水分が抜けている分、いちじくに含まれる成分が濃縮されており、さらに危険性が高いとされています。

また、ジャムの場合は砂糖がたっぷり使われていることが多く、血糖値の急上昇や肥満、糖尿病などのリスクも。加工品も含めて、わんちゃんにはいちじくをあげないようにしましょう。

まとめ

いちじくは人間にとってはヘルシーな果物ですが、わんちゃんにとってはリスクを伴う危険な食材。生のいちじくだけでなく、ドライフルーツやジャムといった加工品もNGです。もし誤って食べてしまった場合は、まずは落ち着いてわんちゃんの様子を観察しつつ、すぐに動物病院へ連絡しましょう。少量でも中毒症状が出ることがあるため、「これくらいなら平気だろう」と思わず、慎重な対応が必要です。


Written by
監修医:小島 麻里 先生

犬猫生活往診クリニック代表獣医師。2013年酪農学園大学を卒業後、地域密着型の1次病院から大学病院、歯科専門病院など11年間小動物臨床で経験を積み、ペット栄養管理士取得後、往診専門動物病院を開院。保護猫おもち・わらびと暮らす。

 

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