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【獣医師監修】愛犬に大豆をあげても大丈夫!食べていい適量や注意点も解説

2025.10.12

コラム

「大豆は健康に良さそうだけれど、わんちゃんにあげても平気?」と疑問に思う方も多いことでしょう。植物性たんぱく質やビタミン、ミネラルを多く含む大豆は、人間だけでなくわんちゃんの体にもうれしい栄養素が豊富です。ただし、あげ方や量には注意が必要な食材でもあります。

この記事では、愛犬に大豆をあげるときのメリットや注意点、あげてもいい量、加工品について詳しく解説します。

わんちゃんは大豆を食べても大丈夫

大豆は、わんちゃんが食べても基本的に大丈夫な食材です。

大豆にはわんちゃんにとって有害な成分は含まれておらず、ドッグフードの原料としても使われることがあります。

ただし、大豆は消化しにくい食材でもあるため、そのままの状態であげるのはNG。下処理をしたうえで、少量ずつ様子を見ながらあげるのがポイントです。

大豆に含まれる主な栄養素

大豆は「畑の肉」と呼ばれるほど、栄養豊富な植物です。大豆には、以下のような栄養素がバランス良く含まれています。

  • ・たんぱく質:筋肉の維持や免疫力の強化に役立つ
  • ・食物繊維:腸内環境を整えて便通をサポート
  • ・ビタミンB群:代謝を助けて疲労回復をサポート
  • ・鉄・カリウム・マグネシウムなどのミネラル:貧血予防や心臓の健康を保つ働きがある
  • ・大豆イソフラボン:抗酸化作用がある

 

ただし、消化器官が未熟な子犬や胃腸が弱いわんちゃんには、栄養よりも負担のほうが大きくなることもあります。不安な場合は、無理にあげる必要はありません。

わんちゃんに大豆をあげるときのポイント

わんちゃんに大豆をそのままあげると、消化不良や喉詰まりの原因になることがあります。おいしく食べてもらうために、以下のポイントを意識しましょう。

  • ・薄皮を取る
  • ・細かく砕くかペースト状にする

 

薄皮を取る

大豆の薄皮は消化に悪く、便としてそのまま出てしまうことがあります。やわらかく茹でたあと、なるべく薄皮を取り除いてからあげるようにしましょう。

細かく砕くかペースト状にする

消化がスムーズになるよう、細かく砕くかペースト状にするのがおすすめです。

すり潰したり、フードプロセッサーでペースト状にしたりすることで、食べやすくなることはもちろん、消化もスムーズになります。初めてあげるときは、少量から始めて愛犬の様子をよく観察するようにしましょう。

わんちゃんが食べられる大豆の量

大豆は栄養豊富な食材ですが、消化に時間がかかるため、食べすぎには注意が必要。体重ごとの目安量を参考に、適量をあげるようにしましょう。

わんちゃんが食べられる大豆の量の目安は、以下の通りです。

  • ・小型犬:5粒~10粒程度
  • ・中型犬:10粒~15粒程度
  • ・大型犬:15粒~30粒程度

 

大豆ばかりを連続してあげるのではなく、たまのおやつやトッピング程度にとどめておくのがおすすめです。

大豆をあげるときの注意点

大豆をあげるときは、以下のポイントに注意しましょう。

  • ・心臓や腎臓に持病のあるわんちゃんにはあげない
  • ・大豆アレルギーに気を付ける

 

心臓や腎臓に持病のあるわんちゃんにはあげない

大豆はミネラルやタンパク質が豊富なぶん、腎臓や心臓に負担をかける可能性があります。持病のあるわんちゃんにあげるときは、事前に獣医師に相談するようにしましょう。

大豆アレルギーに気を付ける

大豆はアレルゲンになりやすい食材のひとつです。特に、過去に小麦や小豆などの豆類アレルギーの経験があるわんちゃんは要注意。

そうでない場合も、まれにかゆみや下痢、嘔吐といった症状が出る場合があるため、初めてあげるときはごく少量にとどめ、わんちゃんの体調の変化をチェックしましょう。

大豆の加工品はあげてもいい?

大豆を使った加工品の中には、わんちゃんが食べられるものと、避けたほうがいいものがあります。ここでは代表的な大豆の加工品についてまとめました。

  • 豆乳
  • ・豆腐
  • ・納豆

 

豆乳

無調整豆乳で、ごく少量であればわんちゃんにあげても大丈夫です。ただし、調整豆乳やフレーバー入りの豆乳は、砂糖や添加物が多く含まれているため避けましょう。

初めての場合はスプーン1杯程度から試すようにして、一気にあげないように注意してください。

豆腐

豆腐は水分が多く柔らかいため、消化がしやすいのが特徴。わんちゃんも食べやすい大豆製品です。低カロリーで腹持ちもよく、肥満予防やダイエット中のわんちゃんのごはんに少量混ぜるのもおすすめです。

納豆

納豆にはナットウキナーゼなど、健康に役立つ酵素や栄養素が含まれており、筋力アップや免疫力サポートが期待できます。

ただし、付属品であるからしやタレなどの調味料は使わず、プレーンな納豆のみをほんの少量あげるようにしましょう。においや粘りが気になるわんちゃんには、小さく刻んでフードに混ぜるのもおすすめです。

まとめ

本記事では、わんちゃんに大豆をあげるメリットや注意点、加工品の選び方などを解説しました。大豆は栄養豊富で、正しく取り入れれば健康維持に役立つ食材のひとつです。

ただし、消化に時間がかかるため必ず加熱調理のうえ薄皮を取り除き、ペースト状にするなど食べやすくして、少量から様子を見るようにしましょう。


Written by
監修医:小島 麻里 先生

犬猫生活往診クリニック代表獣医師。2013年酪農学園大学を卒業後、地域密着型の1次病院から大学病院、歯科専門病院など11年間小動物臨床で経験を積み、ペット栄養管理士取得後、往診専門動物病院を開院。保護猫おもち・わらびと暮らす。

 

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