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【獣医師監修】愛犬にオレンジをあげても大丈夫!メリットやあげる量、注意点を解説!

2025.10.12

コラム

さっぱりとした甘みと酸味が人気のオレンジ。ビタミンCが豊富で健康的なイメージのある果物ですが、「わんちゃんにも食べさせていいの?」と気になる方も多いのではないでしょうか。

本記事では、愛犬にオレンジをあげる際のメリットやあげ方、気をつけたいポイントについて詳しく解説します。

わんちゃんはオレンジを食べられる?

オレンジは果肉部分であればわんちゃんが食べても大丈夫な果物です。オレンジの皮や種、薄皮は消化しづらく、喉に詰まるリスクもあるため、必ず取り除いてから果肉だけをあげるようにしましょう。

オレンジにはビタミンCや水分が豊富に含まれていますが、食べ過ぎると下痢や軟便、カロリーオーバーの原因となることがあります。

また、柑橘類に含まれるフラノクマリン類が、特定の薬の代謝を阻害し、薬の効果を増強する可能性があります。柑橘類の中でもフラノクマリン類の含有量には差があり、オレンジは中でも少ない方ですが、薬を服用しているわんちゃんは避けた方がいいでしょう。

わんちゃんにオレンジをあげるメリット

わんちゃんにオレンジをあげる主なメリットは以下の通りです。

  • ・水分補給になる
  • ・便通サポート
  • ・免疫力アップ

 

水分補給になる

夏場や運動後などで脱水が気になるときには、オレンジの果肉が水分補給の代わりとなってくれることがあります。食事から水分を摂るのが難しい子にもおすすめです。

便通サポート

オレンジに含まれる水溶性・不溶性の食物繊維(ペクチン)が、便秘解消・腸内バランスの維持をサポートしてくれることも。便秘気味のわんちゃんにとっては、自然な排便を促す助けとなるでしょう。

しかし、食べ過ぎると下痢や軟便の原因となることがあるため、注意が必要です。

免疫力アップ

オレンジにはビタミンCがたっぷり含まれており、抗酸化作用で免疫力をサポートしてくれます。

わんちゃんにオレンジはどうやってあげたら良い?

わんちゃんにオレンジをあげる場合、まず、皮・薄皮・種はすべて取り除きましょう。外皮や薄皮は繊維質が強くて消化しにくく、種を誤って飲み込むと喉に詰まる可能性もあります。

なるべく完熟した甘いオレンジを選ぶのがおすすめです。未熟なオレンジは酸味が強く、わんちゃんにとって刺激になる場合があります。香りが強すぎると嫌がる子もいるので、食べやすいものを選びましょう。

また、缶詰やゼリー、ジュースなどの加工品はNGです。加工品には糖分や添加物などが含まれており、わんちゃんにとっては過剰な糖分摂取となる可能性があります。

わんちゃんにあげるオレンジの量はどれくらい?

オレンジをあげるときの適量は、わんちゃんの体重や1日の摂取カロリーによって変わります。以下は、サイズ別のおおよその目安量です。

  • ・小型犬:1/4程度
  • ・中型犬:半分程度
  • ・大型犬:1個程度

 

なお、上記はあくまで上限の目安です。この量を毎日あげる必要はなく、数房の皮を剥いておやつ感覚であげる程度がおすすめです。

わんちゃんにオレンジをあげる時の注意点

わんちゃんにオレンジをあげるときは、以下のポイントに注意しましょう。

  • ・愛犬の体格にあわせて細かく切ってあげる
  • ・オレンジの種や皮は取り除く
  • ・アレルギーに注意する

 

愛犬の体格にあわせて細かく切ってあげる

オレンジの果肉が柔らかくても、わんちゃんによっては丸呑みしてしまうリスクがあります。喉に詰まるのを防ぐために、食べやすいサイズにカットしてあげましょう。

オレンジの種や皮は取り除く

皮・種・薄皮はすべて取り除き、果実部分のみをあげるようにしてください。特に種は喉に詰まる可能性があるため、見落としに注意しましょう。

アレルギーに注意する

柑橘類にアレルギーを持つわんちゃんもいます。初めてオレンジをあげる場合は、ごく少量からはじめて、少しずつ様子をみるようにしてください。皮膚のかゆみ、下痢、嘔吐などが見られた場合はすぐに食事を中止し、獣医師に相談しましょう。

オレンジの加工品は食べられる?

以下では、オレンジの加工品について解説します。

  • ・オレンジジュース
  • ・オレンジのアイス
  • ・オレンジのドライフルーツ

 

オレンジジュース

市販のジュースには砂糖や添加物が多く含まれていることがあり、わんちゃんにはおすすめできません。また、無糖・無添加の100%のオレンジジュースであっても果糖が含まれており、過剰に摂取すると肥満や健康被害を引き起こす可能性があります。少量を与えるようにしましょう。

オレンジのアイス

アイスには乳製品や糖分、香料が使われており、わんちゃんの体に負担をかける可能性があります。オレンジ味のアイスは与えないようにしましょう。

オレンジのドライフルーツ

ドライフルーツは食べても問題ありませんが、砂糖の含まれているものや、添加物を含む食品は避けましょう。あげるときはわんちゃん専用のものを選ぶなど、工夫が必要です。また、食べ過ぎにも注意しましょう。

みかん・グレープフルーツなどの柑橘類も食べられる?

オレンジ以外の柑橘類も、果肉部分であれば基本的にわんちゃんが食べても問題ありません。みかん、グレープフルーツ、ゆずなども同様に、種や皮は取り除き、完熟した果実のみをあげるようにしましょう。

ただし、グレープフルーツを代表として多くの柑橘類には一部の薬と相互作用を起こす成分(フラノクマリン類)が多く含まれているため、投薬中のわんちゃんにあげる場合は、事前に獣医師に相談してください。

まとめ

オレンジは果肉部分であれば、わんちゃんにとっておいしく楽しめる果物のひとつです。水分やビタミン、食物繊維が含まれており、暑い時期の水分補給やおやつにぴったり。

ただし、食べ過ぎは糖分の過剰摂取やお腹の不調につながる可能性があるため、少量にとどめるようにして、少しずつ様子を見ながらあげましょう。皮や種、加工品は必ず避け、あげるときは愛犬の様子をしっかり見てあげてください。


Written by
監修医:小島 麻里 先生

犬猫生活往診クリニック代表獣医師。2013年酪農学園大学を卒業後、地域密着型の1次病院から大学病院、歯科専門病院など11年間小動物臨床で経験を積み、ペット栄養管理士取得後、往診専門動物病院を開院。保護猫おもち・わらびと暮らす。

 

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