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犬に食パンをあげても大丈夫?食べてしまったときの対処法と注意点

2025.10.07

コラム

食パンは家庭でよく見かける身近な食材です。トーストしたときの香ばしいにおいに、愛犬が思わず食べたがることもあるでしょう。そんなとき、「あげても大丈夫かな?」と心配になる方もいるかもしれません。

本記事では、愛犬に食パンをあげるときの注意点や適量、誤って食べてしまった場合の対処法について、わかりやすくご紹介します。

わんちゃんは食パンを食べても大丈夫

食パンの主な原材料は、小麦粉、イースト菌、バター、塩、砂糖です。これらは、わんちゃんが食べても問題のない食材とされています。ただし、市販の食パンには注意すべき種類も含まれており、すべてが安全とは限りません。

人間向けに加工された食パンには、保存料や香料などの添加物が使われていることがあります。また、糖分や塩分が多く含まれる食パンは、肥満や生活習慣病の原因になることも。

食パンを選ぶときはプレーンなタイプを基本とし、成分表をしっかり確認することが大切です。

子犬やシニア犬も食パンを食べられます

食パンは、体調に問題がなければ子犬やシニア犬でも食べられます。ただし、あげすぎには注意が必要です。

おやつとして少量を取り入れる程度にとどめ、主食には栄養バランスの取れた総合栄養食のドッグフードを基本としましょう。食パンが主になってしまうと、ドッグフードを食べなくなり、栄養に偏りが出るおそれがあります。

なお、食欲がないときには、トーストして香ばしさを出すのもおすすめです。香りに引かれて食いつきがよくなることもあります。

一口サイズにカットしたり、水分に浸して柔らかくするなど、のどに詰まらせないための工夫も忘れずに行いましょう。

愛犬に食パンをあげる前に知っておきたい注意点

食パンはわんちゃんが食べられる食材のひとつですが、あげる前に気をつけたいこともあります。ここでは、事前に知っておきたい食パンの注意点をまとめました。ぜひ参考にしてください。

小麦粉アレルギー

食パンは、小麦粉を主な原料として作られています。そのため、グルテンに対するアレルギーがあるわんちゃんには注意が必要です。小麦粉が合わない場合、消化不良や体調不良を起こす可能性があります。

初めて食パンをあげるときは、少量から始め、徐々に量を増やしていきましょう。なお、小麦粉アレルギーがあるわんちゃんには、米粉を使った食パンもおすすめです。

レーズンやチョコレートが含まれる食パン

レーズンは、わんちゃんにとって非常に危険な食材です。少量でも急性腎不全を引き起こす可能性があり、最悪の場合は命に関わることもあります。

同様に、チョコレートに含まれるテオブロミンも有害です。マカダミアナッツや玉ねぎなども、わんちゃんが避けるべき食材として知られています。

市販の食パンには、わんちゃんの健康に影響をおよぼす材料が使われていることがあります。購入する際は、レーズンやチョコレートなどの有害な成分が含まれていないか、必ず原材料を確認しましょう。

カロリーや塩分に注意

人間用の食パンは、わんちゃんにとってカロリーや塩分がやや高めです。 とくに小型犬の場合、ほんの少量でも摂取オーバーになってしまうことがあります。

毎日あげるのは避け、補助的なおやつとして、たまに少量取り入れる程度にとどめましょう。

愛犬が食べられる食パンの適量

食パンは、1日の総摂取カロリーの10%以内に抑えるのが基本です。 食パン1枚(8枚切り)のカロリーは、約124kcalとされています。

わんちゃんの体重別に見た、おおよその適量は以下のとおりです。

体重の目安 与えてよい量(8枚切りの枚数換算)
約3kg 約1/5枚程度
約5kg 約1/4枚程度
約8kg以上 約2/5枚程度

パンはあくまでも補助的な位置づけであり、主食には適しません。栄養バランスのとれたドッグフードを基本として取り入れましょう。

愛犬が食パンを食べて具合が悪くなったら

食パンを食べたあとに、下痢や嘔吐、けいれんなどの異変が見られた場合は、すぐに動物病院で診てもらいましょう。 無理に吐かせるのは非常に危険で、かえって症状を悪化させる可能性があります。

受診の際には、食べた食パンの種類や量、食べた時間帯、含まれている具材などを、できるだけ詳しく伝えることが大切です。 とくに、レーズン・玉ねぎ・チョコレートといったわんちゃんにとって有害な材料が含まれていた場合は、迅速な対応が求められます。

愛犬に食パンをあげるなら手作りがおすすめ

市販の食パンには、保存料や香料、糖分、塩分など、わんちゃんの体に負担をかける添加物が含まれていることがあります。 そんなときにおすすめなのが、無添加の手作り食パン。

塩分量を調整したり、小麦粉の代わりに米粉を使ったりと、わんちゃんの体質に合わせて材料を選べるのが手作りの魅力です。 アレルギーがある場合でも、食材を工夫することで体への負担を抑えることができます。

さらに、手作りした食パンは冷凍保存もできるため、必要なときに解凍すればすぐにおやつとして食べさせられるのも便利なポイント。 食べるタイミングや量を調整しやすいのも、大きなメリットです。

まとめ

わんちゃんにとって、食パンは少量であれば食べても大きな問題はありません。 ただし、市販の食パンには保存料や塩分が多く含まれていることもあるため、無添加でプレーンなものを選ぶことが基本です。

子犬やシニア犬にあげるときは、のどに詰まらせないよう小さくちぎるか、水分に浸して柔らかくしてから食べさせてあげましょう。


Written by
監修医:小島 麻里 先生

犬猫生活往診クリニック代表獣医師。2013年酪農学園大学を卒業後、地域密着型の1次病院から大学病院、歯科専門病院など11年間小動物臨床で経験を積み、ペット栄養管理士取得後、往診専門動物病院を開院。保護猫おもち・わらびと暮らす。

 

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