犬にじゃがいもは大丈夫?あげる時の注意点や適量を解説
2025.08.25
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じゃがいもは身近な食材のひとつですが、愛犬にあげても大丈夫でしょうか。じゃがいもは栄養がある食材ですが、愛犬にあげる際はいくつかの注意点が必要です。あげる時の適量やじゃがいも以外の食材についても解説します。
愛犬にじゃがいもは大丈夫?
結論から言うと、愛犬にじゃがいもをあげても大丈夫です。じゃがいもは栄養価が高く、わんちゃん用のおやつにも広く使われています。基本的なポイントを押さえておけば、日常の食事にも取り入れやすい食材です。
まずは、じゃがいもに含まれる栄養素や、わんちゃんにあげるメリットを確認してみましょう。
じゃがいもに含まれる栄養素とあげるメリット
じゃがいもには、以下のような栄養素が含まれています。
- ・でんぷん(炭水化物)
- ・カリウム
- ・ビタミンB群(B1・B6・ナイアシン・パントテン酸)
- ・ビタミンC
- ・食物繊維
- ・マグネシウム
これらの栄養素は、わんちゃんのエネルギー補給や腸内環境の維持、代謝のサポートなどに役立つとされています。
愛犬が食べていいじゃがいもの量
食べてもいいじゃがいもの摂取量は、わんちゃんの体重や活動量によって異なります。以下は、一般的な目安です。
なお、主食のドッグフードと合わせてカロリーオーバーにならないように注意しましょう。
【わんちゃんが食べてもいい摂取量の目安】
超小型犬(4kg未満) | 約1/3~1/2個 |
小型犬(4~10kg) | 約1/2~1個 |
中型犬(10~25kg) | 約1個~1.5個 |
大型犬(25kg以上) | 約2個 |
※じゃがいも1個あたり約130gの場合
愛犬にじゃがいもをあげる時の注意点
愛犬にじゃがいもをあげる前に知っておきたい注意点をまとめました。愛犬にじゃがいもをあげようか迷っている方は、ぜひ参考にしてください。
芽や青い皮は取り除く
じゃがいもの芽や緑色の皮には、ソラニンという有毒成分が含まれています。人間と同じように、わんちゃんにも中毒の危険があるため、芽や皮はあらかじめ取り除いてからあげるようにしましょう。
加熱する
じゃがいもは、わんちゃんにあげる前に必ず加熱しましょう。生のじゃがいもは消化しづらく、胃腸に負担をかける可能性があります。うまく消化できなかった場合、嘔吐や下痢、食欲不振などにつながる恐れもあるため、加熱は欠かせません。
アレルギーや下痢のリスク
初めてじゃがいもをあげる時は、ごく少量から始めましょう。皮膚のかゆみや下痢など、アレルギー反応のような症状が見られる可能性があります。
症状が遅れて出る可能性もあるため、食べた当日から2日ほどは様子を見ることが大切です。万が一、受診が必要になったときに備えて、いつ、どのくらいの量をあげたかを記録しておきましょう。
持病があるわんちゃんは獣医師に相談
じゃがいもにはカリウムが豊富に含まれているため、腎疾患のあるわんちゃんには控えたほうがよい食材です。また、糖尿病のわんちゃんは、血糖値の急上昇に注意しましょう。
そのほか、療養食を勧められているわんちゃんも注意が必要です。まずは、あげる前に獣医師に相談することをおすすめします。
あげすぎない
じゃがいもは、炭水化物が豊富な食材です。あげすぎるとカロリーオーバーになりやすく、肥満や糖尿病のリスクにつながることも。とくにダイエット中のわんちゃんには、注意が必要です。
また、ポテトチップスやフライドポテト、コロッケなどの人間用の食品は、あげてはいけません。塩分や油、砂糖が多く含まれており、肥満につながるだけでなく胃腸に負担をかける恐れもあります。
子犬やシニア犬が食べても大丈夫
子犬やシニア期のわんちゃんも、じゃがいもを食べることができます。ただし、咀嚼力や消化機能が成犬に比べて弱いため、喉に詰まらせないよう細かく刻んでからあげましょう。
初めてあげる場合はごく少量から始め、体調に変化がないか数日間観察することが大切です。嘔吐や下痢などの症状が見られた場合には、すぐに中止し、獣医師に相談してください。
わんちゃんはさつまいもや里芋も食べられる?
じゃがいもだけでなく、さつまいもや里芋などのイモ類も、愛犬が食べられる食材です。ただし、それぞれ含まれる栄養素や特性が異なるため、あげる際には工夫が必要です。
さつまいも
さつまいもは、わんちゃんも問題なく食べられる食材です。じゃがいもよりも甘みがあるため、嗜好性が高いとされています。
ただし、皮は消化しづらいため取り除いたうえで、加熱してからあげましょう。また、じゃがいもよりもカロリーが高いため、あげすぎには注意が必要です。
市販のおやつでもさつまいもを使った製品は多く、手作りごはんにも取り入れています。
里芋
里芋も、わんちゃんが食べられる芋類のひとつです。独特のぬめり成分に胃腸の粘膜保護作用があり、消化を助けてくれます。
ただし、里芋はシュウ酸を多く含むため、尿石症に注意が必要です。また、カリウムを多く含むため、腎臓や心臓の機能が低下しているわんちゃんにあげすぎないように注意しましょう。
まずは少量から試し、体調に異変があればすぐに中止しましょう。
まとめ
じゃがいもは、栄養価が高くビタミンB群も豊富に含まれているため、わんちゃんの補助食品として選ばれています。一方で、糖尿病や肥満、腎疾患がある場合は、あげ方に注意が必要です。
本記事では、じゃがいもの適正量やあげる際の注意点を解説しました。愛犬にじゃがいもをあげるか迷っている方は、ぜひ参考にしてみてください。
Written by
監修医:小島 麻里 先生
犬猫生活往診クリニック代表獣医師。2013年酪農学園大学を卒業後、地域密着型の1次病院から大学病院、歯科専門病院など11年間小動物臨床で経験を積み、ペット栄養管理士取得後、往診専門動物病院を開院。保護猫おもち・わらびと暮らす。