犬にニンニクは絶対NG!食べたときの症状や対処法まで徹底解説
2025.08.21
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ニンニクは、わんちゃんにとって中毒を引き起こす非常に危険な食べ物です。本記事では、なぜ犬にニンニクがNGなのか、その理由や摂取時に現れる症状、もし食べてしまったときの対処法や病院での処置内容まで、わかりやすく解説します。
わんちゃんがニンニクを食べるのはNG
人間にとっては健康食材のひとつでもあるニンニク。しかし、わんちゃんにとっては絶対に食べてはいけない食材です。特にニンニクに含まれている有機チオ硫酸化合物は、犬の赤血球を破壊する可能性があります。
犬はこの成分を代謝する酵素を持っていないため、体内に入ると血液に直接ダメージを与え、貧血や臓器障害を引き起こすことも。さらに、ニンニクだけでなく、ネギや玉ねぎ、ニラなどのネギ属はわんちゃんにとって有害なため、必ず避けましょう。
わんちゃんがニンニクを食べたらどのような症状が出る?
ニンニクを食べてしまったわんちゃんには、時間差で中毒症状が現れることがあります。症状は軽度から重度までさまざまで、最悪の場合は命に関わるケースも。
- ・元気がなくなる
- ・ぐったりする
- ・食欲が落ちる
- ・吐く・下痢をする
- ・息が荒くなる
- ・粘膜が白っぽい・黄色い
- ・尿の色が濃くなる・赤っぽい
愛犬の命を守るためには、上記のような症状がでていないか確認し、異変が見られた場合は、すぐに獣医師に相談しましょう。
わんちゃんがニンニクを食べてしまったらどうする?
誤って愛犬がニンニクを食べてしまった場合、どのような対処をしたら良いか分からずパニックになってしまうことも。ここでは、ニンニクを食べてしまった場合の対処法や、どの程度の量が危険なのかを解説します。
ニンニクを食べてしまったら急いで受診
わんちゃんがニンニクを食べてしまった場合、中毒症状は数時間~数日後に出ることが多いとされています。特に初期は症状も軽く、見過ごされがちです。
しかし、異変が見られた場合はすぐに動物病院を受診しましょう。早めに受診することで、わんちゃんの命を救える可能性が高まります。少量でも食べてしまった場合は、迷わず受診しましょう。
犬にとって危険なニンニクの摂取量は?
体重1kgあたり生のニンニク0.5g前後から中毒を起こす可能性があるとされています。明確な中毒量や危険目安量は明らかにされておらず、個体差もあるため、ほんの少しでも致死量になることがあるため注意しましょう。
また、粉末ガーリックやサプリに含まれるニンニクエキスは濃縮されており、生のニンニク以上に危険なことも。わんちゃんにあげるつもりがなくても、料理中に落ちた食材や味付きお肉などから誤食してしまうケースが多いため、注意が必要です。
病院ではどのような処置が行われる?
ニンニクを食べた直後と、すでに症状が出てしまっている場合では、動物病院での対応も異なります。ここでは、実際にどのような処置が行われるのかをケース別に紹介します。早期の対応ができれば、処置も軽く済む可能性があるため、知っておいて損はありません。
なお、受診の際は食べてしまった時間や量などを獣医師に伝えるようにしましょう。調理中や調理済みのにんにくを含む料理を食べてしまった場合、玉ねぎやニラなどネギ科植物が混じっている可能性もあるので、どんな料理を誤食してしまったか報告するようにしましょう。
食べてすぐ受診した場合
ニンニクを食べてから2〜3時間以内に病院へ連れて行けた場合、中毒症状が出る前に処置を受けられる可能性が高くなります。胃の中のものを吐かせる催吐処置や点滴、活性炭の投与が行われます。
これらの処置により、体内への吸収を最小限に抑え、中毒症状を未然に防げる可能性があります。しかし、家で無理やり吐かせるなどの行為は危険なため、すぐに受診しましょう。
食べてから時間が経ってしまった場合
ニンニクを食べてから時間が経ってしまった場合は、血液検査で貧血の程度や赤血球の破壊の進行、急性腎不全の有無を確認し、入院治療が行われることがあります。
また、わんちゃんの症状や体調次第では、点滴や酸素吸入、輸血処置を受けることも。早期対応ができたかどうかで回復のスピードに大きな差が出るため、少しでも食べてしまったり、様子がおかしかったりする場合は、すぐ受診するのが賢明です。
まとめ
ニンニクは、わんちゃんにとって「絶対にNG」な食材です。ほんの少量でも中毒を起こし、命に関わる深刻な状態につながることがあります。この記事では、ニンニクの危険性から中毒症状、対処法、病院での対応までを紹介しました。大切な愛犬を守るためにも、日ごろから口にするものには十分な注意を払い、万が一の際にはすぐに獣医師に相談しましょう。
Written by
監修医:小島 麻里 先生
犬猫生活往診クリニック代表獣医師。2013年酪農学園大学を卒業後、地域密着型の1次病院から大学病院、歯科専門病院など11年間小動物臨床で経験を積み、ペット栄養管理士取得後、往診専門動物病院を開院。保護猫おもち・わらびと暮らす。