犬の散歩のしつけ方法は?拾い食いや飛びつきをやめさせる方法を解説
2025.07.08
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犬をお迎えしてすぐは散歩にも苦戦するもの。散歩中の拾い食いや飛びつき、吠えるなどの悩みがある方もいるでしょう。本記事では犬の散歩のしつけ方法やうまくいかないときの対処法を解説します。わんちゃんの散歩のしつけをしたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
わんちゃんの散歩のしつけ方法
わんちゃんの散歩は、わんちゃんが興奮したり拾い食いをしたり、すれ違う人に吠えたりと悩みは尽きません。ここでは、わんちゃんの散歩のしつけ方法を解説します。
ツケ(リーダーウォーク)をしよう
わんちゃんの散歩のしつけで覚えたいのが「ツケ」と呼ばれるコマンドです。「ツケ」とは、「横につけ」を簡潔に表現したもので、わんちゃんが飼い主の皆さまの横につきながら歩くことを指します。
ツケを覚えることで、わんちゃんが先導して歩くことがなくなるので飛び出しや危険な行為を未然に防げるのです。また、「ツケ」はリーダーウォークとも呼ばれています。
しつけのポイント
しつけは根気よく行う必要があります。そこで重要になるのが、日頃の信頼関係です。日頃からアイコンタクトやスキンシップを取り、愛犬と家族の間で信頼関係を築いていきましょう。
また、わんちゃん主導ではなく家族の主導で動けるようにすることで、散歩中に立ち止まったり、急に飛び出したりすることがありません。
しつけのタイミング
子犬の散歩デビューは、生後6〜16週齢のワクチンプログラムが終了してからが望ましいとされています。
しかし、社会化期(3〜14週齢ごろ)を過ぎると好奇心以上に警戒心や恐怖心も出てくるため、できれば社会化期のうちに散歩を始めたいと思う方もいるでしょう。
その場合は、まだ免疫力が十分ではないため、地面を歩かせないように注意し、愛犬を抱っこしたりカートに乗せるなどで外の刺激に慣れさせるといいでしょう。
なお、散歩のしつけは始めた日から行うのがベストですが、まずは車の音や家の中以外の環境に慣れることから始めましょう。
また、初めは家の中で散歩を意識したトレーニングを行うのもおすすめです。伸縮リードを使って自由に動かせたり近くを歩いてもらったりといったトレーニングも良いでしょう。
しつけの準備
散歩のしつけで必要なのが、ハーネスまたは首輪です。超小型犬はハーネスまたは首輪、小型犬以上は首輪を使うのが良いでしょう。
リードは地面に着かない程度にたるむくらい(120〜150cm)の長さがおすすめです。この長さはリードコントロールがしやすく、散歩デビューに適しています。大型犬は首の位置が高く手元からの距離が近いうえ、引っ張る力が強いので、60〜100cm程度のリードがおすすめです。
しつけの手順
「ツケ」「リーダーウォーク」では、まず飼い主の皆さまの左側につかせることを覚えさせる必要があります。まず左手にリード、右手におやつを持ち、愛犬を左側に誘導しましょう。
愛犬が左側につけたら「ツケ」と声をかけながらおやつをあげます。「ツケ」のほかに、「付いて」「ヒール」「あとへ」と声をかけるのもいいでしょう。
このコマンドとともに左側につくことができるようになったら、おやつを見せながら声をかけ、数歩歩きます。愛犬も一緒に歩くことができたら、褒めながらおやつをあげましょう。
その後歩く距離を伸ばしていきますが、愛犬が先を行くようであればリードがピンと貼った状態になります。このタイミングで立ち止まり「いけない」と声をかけることで、リードが張る=散歩ができないと覚えていきます。
- 1.左手にリード、右手におやつを持ち、愛犬を左側に誘導する
- 2.愛犬が左側につけたら「ツケ」と声をかけながらおやつをあげる
- 3.おやつを見せながら「ツケ」と声をかけ、数歩歩く
- 4.歩く距離を伸ばしていく
散歩のしつけがうまくいかない!対処法
散歩はわんちゃんにとって楽しみのひとつ。特に散歩中に匂いを嗅ぐことは、ニュースやテレビを見るようなものといわれており、楽しくて仕方がないというわんちゃんもいます。ここでは、散歩のしつけがうまくいかないときの対処法を解説するので、参考にしてみてください。
散歩中に引っ張る
散歩中に引っ張った際は、立ち止まるのが効果的です。張っていたリードがゆるんだら、再度歩き出しましょう。
そのほかにわんちゃんの進行方向とは逆に歩く方法もあります。どの方法も、「引っ張る」=「いきたい方向に行けるわけではない」「散歩が終わってしまう」と印象つけられます。
おやつに夢中になる
しつけを始めたての頃は、おやつを使う方法が一般的です。しかし、おやつに夢中になるわんちゃんもいるでしょう。
おやつはなるべくわんちゃんの目線の近くに握って気を引くように使うのが効果的です。また、おやつの代わりにおもちゃを使う場合は、遊ぶのは短時間で済ませるようにしましょう。
立ち止まってしまう
散歩中に立ち止まってしまう際は、わんちゃんを視界に入れつつ目を合わせないように引っ張ります。その後、動き出したらリードを緩め、褒めてあげましょう。
ただし、チワワやトイプードルなど小型犬は上に引っ張りすぎると首輪が抜けてしまい危険です。愛犬の体格に合わせてリードを張るようにするようにしましょう。
なお、首輪の締め具合にも注意しましょう。首輪を緩く締めてしまうと、脱走や交通事故に繋がり、とても危険です。
首輪を締めた時に指が2本入る程度であれば、わんちゃんは苦しくないので、安全確認をしてから散歩しましょう。
散歩中の問題行為の対策
散歩のしつけは根気よく行う必要がありますが、拾い食いや飛びつき、吠え癖などの問題行動は周囲に迷惑になるだけでなく、わんちゃんも危険に晒されるリスクがあります。ここでは、散歩中の問題行動の対策を解説します。
拾い食い
拾い食いをするわんちゃんには、アイコンタクトをとる方法がおすすめです。飼い主の皆さまとアイコンタクトをとり、リーダーウォークを行うことで自然と前を向いて歩くことができます。
また、拾い食いの対象物が見えた際は、「マテ」「ストップ」などのコマンドを出し、愛犬の拾い食いを制限しましょう。さらに普段から飼い主の皆さまが合図を出したときのみ食べ物を口にできるという状態にしておけば、勝手に拾い食いをすることもなくなります。
飛びつき
飛びつき癖があるわんちゃんには、ハーネスを使用したトレーニングが適しています。飛びついたけど届かなかったという経験を繰り返すことで、飛びつくのをやめるでしょう。
リードの長さは飛びついたときに少し首に負荷がかかる程度にしておくと良いとされています。飛びついている間は相手にせず、飛びつきをやめたタイミングで褒めてあげることを繰り返してみてください。
吠え癖
吠え癖があるわんちゃんには、吠える対象に慣れさせるトレーニングを行いましょう。たとえば他のわんちゃんが怖くて吠えているような場合、わんちゃんがいる公園などに行き、吠えずにいられたらご褒美をあげます。
また、吠えそうになったときに「マテ」「オスワリ」などのコマンドを出すのも効果的です。特定のものだけに吠えるような場合は、対象物を回避するのもひとつの方法といえます。
散歩のしつけにおすすめのおやつ【ピックアップ】
犬猫生活の「はなまるおやつ」は、散歩中のしつけに適したおやつです。鶏むね肉やささみ、生しらす、チーズなど新鮮な食材をふんだんに使っており、愛犬の食欲をそそります。
全11種類とバリエーションに富んでいるので、愛犬の好みや気分に合わせて選べるのがうれしいポイント。フリーズドライタイプで、持ち運びもスムーズです。
まとめ
本記事では犬の散歩のしつけ方法やうまくいかないときの対処法を解説しました。わんちゃんの散歩は、慣れないうちは根気よくしつけを行う必要があります。本記事を参考にしつけを行い、愛犬との散歩時間を満喫しましょう。
Written by
監修医:小島 麻里 先生
犬猫生活往診クリニック代表獣医師。2013年酪農学園大学を卒業後、地域密着型の1次病院から大学病院、歯科専門病院など11年間小動物臨床で経験を積み、ペット栄養管理士取得後、往診専門動物病院を開院。保護猫おもち・わらびと暮らす。