愛犬はみかんを食べてもいい?柑橘類の栄養素や注意点を紹介
2025.07.03
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みかんはビタミンCや食物繊維などの栄養素が豊富に含まれる食材です。愛犬にみかんを食べさせてもいいのか気になる方も多いでしょう。本記事ではみかんの栄養素やあげ方、あげる時の注意点を紹介します。
わんちゃんはみかんを食べても大丈夫
わんちゃんはみかんを食べてもいいとされています。これは、みかんにはわんちゃんが中毒になるような物質が含まれていないためです。
また、みかんを含む柑橘類には、皮膚や粘膜を健康に保つビタミンCや血圧の低下に効果的なカリウム、抗酸化作用があるβ-クリプトキサンチンなどが豊富に含まれており、わんちゃんの健康維持に役立つというメリットがあります。
さらに、みかんは85%程が水分でできており、必要な水分を効率的に補給するのに役立ちます。特にドライフードを食べているわんちゃんや、普段水をあまり飲まないわんちゃんには、みかんのようなジューシーな果物を与えることで、自然に水分を摂取させることができます。
わんちゃんにみかんはどうやってあげたらいい?
わんちゃんにみかんをあげる時は、完熟したものを選び、皮や薄皮、種は取り除きましょう。これらは消化しにくく、愛犬のお腹の負担となってしまいます。また、外皮にはワックスや農薬が付いている場合もあるので、舐めさせないようにしましょう。
なお、加工品には糖分が多く含まれているため、缶詰やゼリーなど加工品はあげてはいけません。
わんちゃんにあげるみかんの量はどれくらい?
わんちゃんが食べてもいいとされるみかんの量は、わんちゃんの体重や活動量、健康状態によって異なります。
体重10kgのわんちゃんの場合、みかんの果肉は1/2個(約30g程度)までが目安です。小型犬や体重5kg以下のわんちゃんの場合は、1/4個程度(10〜15g)までが適量になります。
なお、みかんの糖分が肥満の原因になったり、消化不良をおこしてしまったりするので、あげ過ぎには注意しましょう。
みかんに豊富に含まれるカリウムによって、血液中のカリウム濃度が上がると、嘔吐や不整脈、頻脈、四肢の痺れ、筋力低下などの症状が出ることがあります。特に心臓病や腎臓病を患っているわんちゃんの場合、注意が必要です。
わんちゃんにみかんをあげる時の注意点
みかんはビタミンCやカリウム、食物繊維など多くの栄養素が含まれた食材です。しかし、わんちゃんにみかんをあげる際はいくつかのポイントに注意しましょう。ここでは、わんちゃんにみかんをあげる時の注意点を解説します。
愛犬の体格にあわせて細かく切ってあげる
わんちゃんにみかんをあげる時は、愛犬の体格にあわせて細かく切ってあげましょう。これは、みかんの柔らかい食感から丸呑みをしてしまうわんちゃんがいるためです。
特に子犬や小型犬の場合は窒息のリスクがあるため、十分に注意してください。また、水分が多くむせてしまうような場合は、軽く絞ってあげるといいでしょう。
みかんの皮は取り除く
わんちゃんにみかんをあげる時は、外皮はもちろん、内側の薄皮やすじ、種も取り除きましょう。外皮や種には「ソラレン」という成分が含まれており、中毒症状を引き起こす可能性があるので、注意が必要です。
また、未熟な青いみかんには灰汁の元となる成分、アルカロイドが含まれているため、完熟したみかんを選ぶようにしてください。
アレルギーに注意する
わんちゃんは基本的にみかんを食べられますが、必ずしもアレルギー症状が出ないというわけではありません。みかんを食べた後に嘔吐や下痢、皮膚の痒みなどの症状が現れた場合は、獣医師に相談しましょう。
また、みかんを初めてあげる場合は少量ずつあげるのがおすすめです。こうすることで、万が一アレルギー症状が出てしまった場合も対処しやすくなります。
オレンジ・グレープフルーツなどの柑橘類も食べられる?
わんちゃんはオレンジやグレープフルーツなどの柑橘類も食べられます。しかし、みかん同様アレルギー症状を引き起こす可能性もあるため、初めてあげる時は少量ずつあげましょう。
なお、グレープフルーツをはじめとする柑橘系のフルーツに含まれている「フラノクマリン類」という成分は薬の分解を阻害するため、一般的に薬の飲み合わせが悪いとされています。
グレープフルーツのほか、スウィーティー、晩白柚、はっさく、夏みかん、文旦、ダイダイなども「フラノクマリン類」を含むので、よく確認してから与えるようにしましょう。
まとめ
本記事ではみかんの栄養素やあげ方、あげる時の注意点を紹介しました。みかんにはビタミンCやカリウム、食物繊維などわんちゃんにとっても必要な栄養素が含まれています。本記事で紹介した注意点を参考にしながら、愛犬と一緒にみかんを食べてみてください。
Written by
監修医:小島 麻里 先生
犬猫生活往診クリニック代表獣医師。2013年酪農学園大学を卒業後、地域密着型の1次病院から大学病院、歯科専門病院など11年間小動物臨床で経験を積み、ペット栄養管理士取得後、往診専門動物病院を開院。保護猫おもち・わらびと暮らす。